バターとマーガリンの違いは5つ!成分などの特徴・使い分け方を解説

小皿に盛られたバターとマーガリン

「バターとマーガリンって、どう違うの?」
「バターの代わりにマーガリンを使っても大丈夫?」

日々の食事や料理でそんな疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。

バターとマーガリンの違いとひと言で説明すると、
「バターの主な原料は動物性油脂、マーガリンは植物性油脂」
ということです。

バターは牛乳、マーガリンはなたね油やコーン油、オリーブ油などからできているのです。
そのため、味や栄養素、賞味期限や値段なども違っています。

元々、マーガリンはバターの代用品として作られたため、多くの用途や料理でバターのかわりに使うことができます。

この記事では、

  • バターとマーガリンの特徴と違いを詳しく比較
  • バターとマーガリンの使い分けはどうすればいいか

などについて解説していきます。

さらに、

  • 「マーガリンは身体に悪い」と言われる理由

についてもわかりやすく説明します。

この記事を読めば、バターとマーガリンの違いを理解して上手に使い分けることができるようになるでしょう。

1 バターとマーガリンの違いとは?特徴を徹底比較

様々な食用油

バターとマーガリンの違いをひとことで言えば、

「バターの主原料は動物性油脂、マーガリンは植物性油脂」

ということです。
この章ではその違いをわかりやすく掘り下げていきましょう。

まず、それぞれの大きな違いと使い分けについて、表にまとめましたので以下を見てください。

バターマーガリン
主原料動物性油脂
→牛乳や生乳
植物性油脂
→なたね油、コーン油、オリーブ油など
製造方法牛乳からクリームを遠心分離し、激しく撹拌することで、乳脂肪を凝集させる植物性油脂に水、食塩や乳成分などを加え、油脂と水分が分離しないよう乳化し、冷やし固める

主な栄養成分
(100gあたり)

※文部科学省「日本食品標準成分表」より

エネルギー:745Kcal
たんぱく質:0.6g
脂質:81.0g
コレステロール:210mg
炭水化物:0.2g
カルシウム:15mg
ビタミンA:520µg
ビタミンD:0.6µg
食塩相当量:1.9g
(有塩バターの場合)
エネルギー:769Kcal
たんぱく質:0.4g
脂質:83.1g
コレステロール:5mg
炭水化物:0.4g
カルシウム:14mg
ビタミンA:24µg
ビタミンD:11.2µg
食塩相当量:1.3g
(ソフトタイプマーガリン家庭用の場合)
風味独特の濃厚なコクがあり、加熱しても風味が落ちない原料は植物油なので風味はあっさり、加熱するとあまり風味を感じなくなる
バリエーション有塩バター、無塩バター、発酵バターなど・コーン油、オリーブ油、べに花油など原料の植物油が違うもの
・カロリーハーフ、脂肪分オフ、コレステロールゼロなど健康に配慮したもの
・はちみつ味、チョコレート、ガーリック入り、バター風味など味が違うもの
扱いやすさ・扱いやすい硬さ(可塑性)を保てる温度は、13〜18℃程度と幅が狭い
・冷やすと硬くなり、室温で柔らかくなるので、お菓子作りなどでは温度のコントロールが必要
・扱いやすい硬さ(可塑性)を保てる温度は、10〜30℃程度と幅が広い
・冷やしてもある程度の柔らかさがあるので、パンなどに塗りやすい
賞味期限冷蔵保存で約6ヶ月
開封後は約2週間
冷蔵保存で約6〜10ヶ月
開封後は約1ヶ月
価格400円前後〜/200gバターの3分の1程度
使い分け・加熱しても風味が飛ばないので、ソテーや炒め物などの温かい料理、焼き菓子などに最適
・冷やしても柔らかいので、冷たいままパンに塗るサンドイッチなどに最適
・冷やしても柔らかいので、冷たいままパンに塗るサンドイッチなどに最適
・賞味期限が長いので、長期保存したいクッキーなどにも向く
・価格が安いので、大量使用にもよい

では、この表をもとにさらに深掘りしていきましょう。

1-1 主原料:バターは動物性脂肪、マーガリンは植物性脂肪

バターとマーガリンの最大の違いは、主原料です。

バターは牛乳などの動物性油脂から作られますが、マーガリンはコーン油やなたね油、オリーブ油などの植物性油脂をがベースなのです。

もっと詳しく違いをみていきましょう。

昭和26年に施行された厚生省令では、バターを以下のように規定しています。

第2条14項 この省令において「バター」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳から得られた脂肪粒を練圧したものをいう。

別表2(三)乳製品の成分規格並びに製造及び保存の方法の基準
(2)バター
   成分規格:乳脂肪分 八〇・〇%以上
        水分 一七・〇%以下厚生省令「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」より抜粋

一方、マーガリンについては農林水産省が以下のように定めています。

第2条

マーガリン
食用油脂(乳脂肪を含まないもの又は乳脂肪を主原料としないものに限る。以下同じ。)に水等を加えて乳化した後、急冷練り合わせをし、又は急冷練り合わせをしないでつくられた可塑性のもの又は流動状のものであって、油脂含有率(食用油脂の製品に占める重量の割合をいう。以下同じ。)が80%以上のものをいう。

第3条 マーガリンの規格は、次のとおりとする。

性状:鮮明な色調を有し、香味及び乳化の状態が良好であつて、異味異臭がないこと。
油脂含有率:80%以上であること。
乳脂肪含有率:40%未満であること。
水分:17.0%以下であること。
食品添加物以外の原材料:次に掲げるもの以外のものを使用していないこと。
1)食用油脂
2)乳及び乳製品
3)食塩
4)カゼイン及び植物性たん白
5)砂糖類
6)香辛料農林水産省「マーガリン類の日本農林規格」より抜粋

マーガリンの方がさまざまな原料を使用していることがわかりますね。

「食用油脂(乳脂肪を含まないもの又は乳脂肪を主原料としないもの」とは、植物性油脂や魚油などですが、一般的にマーガリンには植物性油脂が使われています。

原材料が違うので、製造方法や栄養成分も違います。

特に栄養成分の中では、コレステロールの違いが目立ちます。
マーガリンが5mgに対して、バターは210mgと40倍以上です。

コレステロールは動脈硬化や脳梗塞を引き起こす要因ともされていますので、摂りすぎには注意したいところです。

ちなみに、農林水産省が定める「マーガリン類」は、さらに「マーガリン」「ファットスプレッド」の2種に分類されています。

その違いも細かく規定されていますが、大きくは2点あり、

①油脂含有量が80%以上であればマーガリン、80%未満ならファットスプレッド
②ファットスプレッドには、はちみつや風味原料などを使用することができるため、フルーツ味やチョコレート風味などの製品もある

と覚えておくといいでしょう。

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1-2 風味:濃厚なコクのバター、あっさり味のマーガリン

バターには、乳脂肪由来の濃厚なコクがあります。
この風味は加熱しても損なわれないので、熱を加える料理や焼き菓子などにもよく使われます。

一方でマーガリンは、植物油が原料なのでバターのような風味がなく、製造工程の中で香りや味を加えています。
それらの風味は加熱すると飛んでしまうので、料理にコクを加えることはできません。

ただ、お菓子などに使うとあっさりした軽やかさを出すことができます。

同じクッキーを作るにも、バターを使うと風味豊かで濃厚な味わいに、マーガリンを使うとあっさり軽い味わいになるのです。

◎バターをマーガリンで代用することはできる?

ところで、お菓子や料理のレシピで「バター」とあった場合、マーガリンで代用してもよいものでしょうか?

結論からいえば、多くの場合はマーガリンで代用が可能です。

そもそもマーガリンは、バターの代用品として誕生しました。
19世紀半ばのヨーロッパでバターが不足したため、ナポレオン3世が安価な代用品を募ったところ、フランス人の科学者がマーガリンを発明したと言われています。

その由来を考えれば、多くの場合でバターのかわりにマーガリンを使うことができるのは当然と言えるでしょう。

料理のレシピでバターをマーガリンに代用する場合は、分量も同量で大丈夫です。

ただ、バターを使うと濃厚なコクと風味が加わるのに対して、マーガリンにかえると風味はさっぱりとして軽い仕上がりになります。
香り高くこってりと仕上げたい場合には、マーガリンで代用しないほうがよいでしょう。

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1-3 扱いやすさ:冷やすと硬くなるバター、冷えても柔らかいマーガリン

バターもマーガリンも温度によって硬さが変わります。
適温であればちょうどよい硬さで扱いやすくなりますが、温度が高ければ柔らかすぎ、低くなれば硬くなって扱いにくくなってしまいます。

そのため、料理に使う場合は温度管理が重要です。

この「扱いやすい硬さ」を「可塑性(かそせい)」と言います。
バターとマーガリンでは、可塑性を保てる温度にも違いがあるのです。

バターの場合、可塑性を保てるのは13〜18℃程度と、温度帯の幅が狭くなっています。

一方のマーガリンは、10〜30℃程度の幅が広い温度帯で可塑性を保つことができます。

つまり、扱いやすいのはバターよりマーガリンだというわけです。

冷蔵庫から出してすぐパンに塗る場合も、バターだと硬くてうまく塗れませんが、マーガリンはすぐ滑らかに塗ることができるという利点があります。

1-4 賞味期限:バターは短く、マーガリンは長い

バターとマーガリンは、賞味期限にも違いがあります。

バターは未開封であれば冷蔵保存で約6ヶ月持ちますが、一度開封してしまうと2週間程度しか持ちません。
それに対してマーガリンは、未開封の冷蔵保存で約6〜10ヶ月、開封しても約1ヶ月はおいしく食べられます。

この違いは、調理後にも関係してきます。
例えば、クッキーを作って長期保存したい場合には、バターではなくマーガリンを使うことで、賞味期限を延ばすことができるのです。

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1-5 価格:比較的高いバター、その3分の1程度で買えるマーガリン

バターはマーガリンの2〜3倍程度の価格と高価です。

そのため、お菓子作りの際などは、大量に必要な場合はマーガリン、少量で味に深みを出したい場合はバター、という使い分けをすることもできます。

2 バターとマーガリン、どう使い分けるべき?

バターをパンに塗っている女性

バターとマーガリンには似ているようでいて違いもあるので、その特徴によって使い分けできます。

例えば、温度によってもどちらが適しているかが分かれます。

加熱する調理に使いたい場合は、バターがおすすめです。
バターは加熱しても風味が残るのに対して、マーガリンは加熱するともとの植物油のようになってしまい、コクや香りづけができないからです。

逆に、冷蔵庫から出してすぐに柔らかいパンに塗りたい場合、例えばサンドイッチなどでは、冷えてもあまり硬くならないマーガリンがいいでしょう。
バターは冷やすと硬くなり、パンに塗るには室温まで戻す必要があるためです。

3 「マーガリンは体に悪い」と言われる理由

RISKとYES、NOの書かれた木製のキューブ

バターとマーガリンを比較するとき、よく言われるのが「マーガリンは体に悪い」という主張です。

その理由は、主に「トランス脂肪酸」にあります。

トランス脂肪酸とは「不飽和脂肪酸」の一種で、日常的に摂取しすぎると、心臓病のリスクが高まるという研究結果があります。

マーガリンには、従来の製造過程でこのトランス脂肪酸が発生するため、危険視されるようになったのです。

ちなみに、バターとマーガリンに含まれるトランス脂肪酸の量は以下の通りです。

トランス脂肪酸含有量
(100gあたり)
 出典
バター1.951g食品安全委員会「食品に含まれるトランス脂肪酸の評価基礎資料調査報告書」(2006年)
マーガリン3.2g農林水産省「有害化学物質含有実態調査結果データ集」(2014年)

また、世界保健機関(WHO)では、トランス脂肪酸の摂取を総エネルギー比1%未満に抑えるよう提示しています。

日本人のトランス脂肪酸平均摂取量は、食品安全委員会の「食品中に含まれるトランス脂肪酸」評価書によると平均で0.3%です。

このため、食品安全委員会では、

「大多数の日本国民のトランス脂肪酸の摂取量は、WHOの目標を下回っています。脂質に偏った食事をしている人は、留意する必要がありますが、通常の食生活では、健康への影響は小さいと考えられます。」

食品安全委員会「食品に含まれるトランス脂肪酸の食品健康影響評価の状況について」より抜粋

という意見を表明しています。

体にいい・悪いは、摂取する量によると言えそうです。

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マーガリンの危険性についてさらに詳しく知りたい人は、別記事『マーガリンの原料は何?「身体に悪い」という噂の真実を詳しく解説』でも深掘りしていますので、読んでみてください。

4 まとめ

いかがでしたか?
バターとマーガリンの特徴や違いについて、よく理解してもらえたかと思います。

ではもう一度、この記事の要点をまとめてみましょう。

  • バターは動物性脂肪、マーガリンは植物性脂肪が主原料
  • 他にも風味や栄養素、賞味期限や扱いやすさなどが違う
  • バターは大体の場合マーガリンで代用できる

あなたがバターとマーガリンを上手に使い分けて、おいしい料理を作れるようになれば嬉しいです!