ごま油のダイエット効果は期待薄!公的な情報をもとに徹底解説

スプーンでごま油をすくっている

「ごま油にダイエット効果があるって聞いたけど、『油』なのに本当にダイエットに効くの?」

結論から申し上げます。

残念ながら、ごま油のダイエット効果は薄く、ほとんど期待ができません。
むしろ、高カロリー食品のため、ごま油を摂れば摂るほど太ってしまう一方です。

「ごま油 ダイエット」で検索すると、こんな記事が出てきます。

「ごま油には、ダイエットに効果的な成分が含まれています!」
「ごま油ダイエットは、1日大さじ1~1.5のごま油を摂るだけ!」

しかし、これらの情報には明確なソースが一切提示されていません。

正しい情報かも怪しいこれらの記事を鵜呑みにし、積極的にごま油を摂った結果、かえって太ってしまったら……。
目も当てられませんよね。

この記事が参照している情報はすべて、国や病院、大学など、公的な機関が発表しているものです。
信頼できる機関による、信頼できる情報をもとに、「なぜごま油にダイエット効果を期待できないか」を徹底的にまとめました。

ごま油のダイエット効果が薄いと考えられる2つの理由はもちろん、ごま油のカロリーや、なぜ「ごま油にはダイエット効果がある」という誤った認識が広まってしまったのかもまとめています。

この記事を最後までご覧いただければ、信頼できる情報をもとに「ごま油ダイエット」について深く知ることができます。
怪しい情報に踊らされてしまう前に、どうかこの記事を最後までご覧ください。

「ごま油で楽して痩せられると思ったのに、なぜか太ってしまった……」

これ以上そんな悲しい失敗を引き起こしてしまわないために、この記事が役立ちましたら幸いです。

1.ごま油のダイエット効果は薄い!その4つの理由

皿にごま油を注いでいる

「ごま油 ダイエット」でヒットする記事の多くには、「オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、セサミンには代謝を上げて脂肪燃焼を促す効果がある」とし、ごま油にはダイエット効果があると結論づけています。

しかし、これらの情報には裏付けとなる研究結果が一切見当たらなかったり、あったとしても含有量が極めて少ないものばかりなのです。

この章では、信頼できる機関の情報から「ごま油にダイエット効果がある理由」とされている成分について詳しくまとめています。
正しい情報をもとに、正しい知識を身につけるようにしましょう。

1-1.ごま油のオレイン酸含有量は他の油に大きく劣る

たしかに、ごま油に含まれるオレイン酸には、ダイエット効果が期待できます。
オリーブ油と健康に関する国際会議の報告書のなかで、オレイン酸が主成分であるオリーブオイルを使った地中海食事の高い遵守はメタボの流行および発生の減少と関連する、という研究結果が報告されています。

しかし、ごま油におけるオレイン酸の含有量は、ダイエット効果が期待できるほど高くはないのです。

文部科学省が運営している食品成分データベースによると、主な植物油におけるオレイン酸の配合量・配合率は以下の通りです。

▼植物油(可食部100gあたり)中のオレイン酸配合量・配合率

植物油(可食部100gあたり)中のオレイン酸配合量・配合率表

ごま油の含有量は全体の6番目と少なく、同率1位であるオリーブオイル・サフラワー油と比べると、半分以下のオレイン酸しか含まれていません。

また、前述した地中海食事によるメタボの流行・発生の抑制効果は、あくまでオリーブオイルを中心とした食生活が影響したものです。
しかし、ごま油を中心とした食生活が同様の結果をもたらしたという研究論文は見当たりません。

オレイン酸によるダイエット効果を期待して油を摂取するのであれば、ごま油よりもオリーブオイルやサフラワー油を選ぶことをおすすめします。

1-2.ダイエット効果があるセサミン・リノレン酸の含有量も極めて少ない

オレイン酸のほかにも、ごま油に含まれているセサミンとリノレン酸には、ダイエット効果が期待できるとの研究論文が発表されています。

しかし、残念ながらこれらの成分の含有量は極めて少なく、「ごま油にダイエット効果が期待できる」と結論づけることは難しいのです。

セサミン・リノレン酸について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

1-2-1.セサミンの含有率は、ごま油100g中わずか0.54%

ゴマリグナンの一種であるセサミンには、ダイエット効果が期待できます。
事実、農研機構が行った「ラットの飼料に0.2%のセサミンを添付して与える実験」では、血液中の脂質濃度を低下させる効果があることが証明されています。

しかし、肝心のごま油には、ごく微量のセサミンしか含まれていないのです。

科学技術庁(JST)が開発・管理しているJ-STAGE(日本の科学技術情報の電子ジャーナルプラットフォーム)には、「高速液体クロマトグラフィーによるゴマ油中のセサモリン、セサミンおよびセサモールの定量」を調べた研究結果が掲載されていますが、ごま油中に含まれているセサミンの量はわずか0.54%に留まっています。

1-2-2.リノレン酸の含有率はさらに低く、ごま油中わずか0.31%

リノレン酸にはさまざまな効能があり、血中脂質低下・抗不整脈(心室細動)・アレルギー予防などと並び、抗肥満の効果が期待できると報告されています。

しかしリノレン酸も、セサミン同様、ごま油中の含有量が非常に少ないのです。

文部科学省が運用する食品成分データベースによると、ごま油の可食部100gあたりに含まれるリノレン酸はわずか310g。割合にして0.31%しか含まれていません。

リノレン酸はあまに油(含有率57%)やえごま油(含有率58%)に多く含まれていますので、リノレン酸によるダイエット効果を期待するのであれば、ごま油よりもあまに油・えごま油を選ぶことをおすすめします。

いくらセサミン・リノレン酸ににダイエット効果が期待できるといっても、この程度の量しか含まれていないのであれば、とても「ダイエットに効く」とは言えませんよね。

1-3.リノール酸に「ダイエット効果がある」とする研究結果はない

オレイン酸・セサミン・リノレン酸と並んで「ダイエット効果がある」とされている成分がリノール酸です。

しかし、一般社団法人 日本植物油協会は、リノール酸について以下のように評価しているのみで、ダイエット効果については触れていません。

それどころか、リノール酸の大量摂取による健康被害についての懸念を提起しています。

■リノール酸の評価

必須脂肪酸である
コレステロール低下作用が強いが、大量摂取の場合にはHDLをも低下させる
大量に摂取すると炎症、がん発症の要因になる懸念がある
摂取不足による皮膚障害

他にも、リノール酸の大量摂取による健康被害については、多数の研究論文や公的な見解が発表されています。

1)肺腺癌をはじめとする米国型癌が、リノール酸によって促進される恐れがある※1
2)リノール酸摂取量が多い小児群(日本人6~15歳)で、喘息の症状である喘鳴が多く見られた※2
3)リノール酸の多量摂取は、善玉コレステロールをも低下させてしまう※3

参考
※1 名古屋市立大学薬学研究科|奥山治美「リノール酸摂りすぎによる炎症性疾患としての癌」
※2 厚生労働省「脂質」
※3 日本植物油協会「植物油に含まれる脂肪酸」

一方で、「リノール酸にダイエット効果がある」とするこうした発表は、ひとつとして見当たりません。

「リノール酸にダイエット効果がある」としている記事は、確かなエビデンスが何ひとつないまま、個人の思い込みで書かれた可能性が高いのです。

1-4.セレンとビタミンEにもダイエット効果は期待できない

他にもごま油のダイエット効果について調べると、よく「セレン」や「ビタミンE(トコフェロール)」といった成分名を見かけます。

しかし、これらの成分は健康や美容面で期待ができる成分であり、ダイエット効果に期待ができるという論説は見当たりません。

それぞれの成分について期待できる効果を見てみましょう。

■セレンに期待できる効果

  • DNA修復や抗酸化作用により、一部のがんのリスクを低下させる可能性がある
  • 脂質の酸化修飾を防ぐのに役立ち、炎症を低下させ、血小板が凝集するのを防ぐ
  • 心血管疾患リスクや心血管疾患による死亡リスクを低下させる可能性がある
  • 加齢による認知力の低下を防ぐ可能性がある
  • 甲状腺疾患の予防や治療に役立つ可能性がある

参照:厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』「セレニウム」

■ビタミンEに期待できる効果

  • 冠動脈性疾患(CHD)の予防や発症遅延に貢献する
  • 心臓発作や静脈血栓塞栓症の原因となりうる血栓の形成予防に役立つ可能性がある
  • 加齢による加齢性黄斑変性症(AMD)と白内障の予防や治療に有用である可能性がある

参照:厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』「ビタミンE」

  • 強力な抗酸化作用により、身体の老化を促す活性酵素の毒を除去する
  • 身体の末端にある末梢血管を広げ、血行をよくする働きがある
  • 血液循環をよくし、筋肉疲労や頭痛に効果をもたらす

参照:総合南東北病院「ビタミンE」

「ごま油のダイエット効果は薄い」とする理由がお分かりいただけたでしょうか。

この記事でご紹介している情報はすべて、国や病院など、信頼できる公的な機関が発表しているものばかりです。

効率的にダイエットを成功させたいと望むのであれば、正しい情報をもとに正しい知識を仕入れ、正しくダイエットに臨むようにしましょう。

2.ごま油は「大さじ1杯あたり約110kcal」と高カロリー

スプーン注がれるごま油

文部科学省が発表している「日本食品標準成分表」によると、植物油脂類のエネルギーは、どれも一律921kcal(可食部100gあたり)です。

これはごま油も同様で、大さじ1杯あたり(約12g)あたりのエネルギーは約110kcalとなります。

農林水産省によると、ご飯茶碗に軽く一杯(約150g)の白米が約240kcalですから、ごま油を大さじ2杯強摂取すると、それだけでご飯茶碗一杯分の白米を摂取したことと同じになるのです。

ごま油ダイエットを推奨する記事の中には「1日大さじ1~1.5杯を目安にごま油を摂る」としているものもありますが、これだと、ご飯茶碗半分以上の白米のカロリーを余分に摂取してしまうことになります。

つまり、良かれと思って摂取していたごま油が、かえって肥満の原因になってしまう恐れが非常に高いのです。

3.なぜ「ごま油にダイエット効果がある」という誤った情報が広まったのか

ごまと皿に注がれるごま油

信用に足る情報がないにも関わらず、なぜ「ごま油にダイエット効果がある」という誤った情報が広まってしまったのでしょうか。

さまざまな角度から調べてみた結果、以下の2つの可能性が浮上しました。

1.ごま油が「健康にいい油」としてテレビで紹介されたため
2.ダイエット効果があるとされる「えごま油」と「ごま油」を混同している

それぞれ順に見ていきましょう。

3-1.ごま油が「健康にいい油」としてテレビで紹介されたため

過去に、テレビでごま油が「健康にいい油」として取り上げられたことがたびたびありました。
2018年には、テレビ朝日の「林修の今でしょ!講座 3時間スペシャル」でも取り上げられています。

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こうしてごま油が取り上げられるなかで「健康にいい=ダイエットにいい」との誤った認識につながり、「ごま油ダイエット」という根拠のないダイエット方法が生まれてしまったと考えられます。

3-2.ダイエット効果があるとされる「えごま油」と「ごま油」を混同している

ごま油とよく似たものに、「えごま油」という油があります。
このえごま油には高いダイエット効果があるとされ、NHKの「ためしてガッテン!」でも大きく取り上げられました。

テレビでは、下記の実験結果が紹介されました。

実際に番組では、48人の被験者に1日小さじ1杯のえごま油を1か月摂取してもらうという実験を行ったところ、33人の体重が減少。また中性脂肪値が基準値より悪かった17人のうち、12人の数値が改善するという結果になりました。
スプーン1杯でカラダが激変!?食べるアブラの新常識 – NHK ガッテン!

小さじ1杯のえごま油を摂取するだけで体重が減少するだなんて、夢のような話ですよね。
この放送は、スーパーというスーパーの棚からえごま油が消えるという大反響を巻き起こしました。

その効果の真偽は定かではありませんが、大々的に取り上げられた「えごま油」と「ごま油」を混同してしまい、「ごま油にダイエット効果がある」と勘違いしてしまったことが考えられます。

4.まとめ

今回は、ごま油にダイエット効果はないという事実について、公的な機関の情報をもとに詳しくおまとめしました。

改めて内容をおさらいしてみましょう。

  • 脂質濃度を低下させるセサミンの含有率は、ごま油中わずか0.5~0.7%程度しかない
  • リノール酸・オレイン酸にはコレステロール降下作用があるが、脂肪燃焼効果は期待できない
  • ごま油は大さじ1杯あたり約110kcalと高カロリーのため、食べれば食べるだけ太ってしまう
  • テレビでごま油が「健康にいい油」として紹介されたり、えごま油のダイエット効果が取り上げられたことで、「ごま油=ダイエットにいい」との誤った認識が広まってしまったと想定される

正確ではない情報に基づいて執筆された記事にはだまされないよう、どうぞご注意ください。

ごま油のダイエット効果について、誤った認識が少しでも解消されることを願っています。