身体に良い効能がメディア等で取り上げられているアマニ油ですが、食べ方が分からないと思われている方が多いのではないでしょうか。
「正しい食べ方をしないと効果が得られないんじゃないのかな?」
その通り。実際間違った食べ方をしてしまうとアマニ油の効果が期待できないばかりか、かえって健康被害につながってしまう恐れもあるのです。
本記事では、アマニ油の効果が最大限得られる正しい食べ方と注意点を、以下のような項目ごとに分かりやすく解説します。
①アマニ油の効果を最大限得たいなら「加熱」は厳禁!
②アマニ油の摂取量の目安は毎日小さじ一杯
③最も大きな効果を得られるアマニ油の食べ方
④アマニ油を摂るべき時間は?
これらを把握すれば、今日からすぐ「アマニ油」を効果的に食べられるようになります。
さらに、アマニ油を「食べにくい」と感じている方のために、味を気にせずに美味しく食べられるメニューも合わせてご紹介していきますので、ぜひ参考にして頂けたらと思います。
目次
1.アマニ油の効果を得たいなら「加熱」は厳禁!
アマニ油の効果を得たいのであれば、決して加熱して食べてはいけません。
有効成分であるα-リノレン酸は熱に弱いため加熱すると失われやすいのです。
さらに、アマニ油は加熱することで酸化して、人体に有害な物質になってしまう危険性があります。
国立予防衛生研究所の俣野景典氏の研究論文によると、酸化した油は毒性物質になります。
アマニ油を炒め物に使用した実験では、アマニ油は6分加熱すると劣化が認められました。
アマニ油をフライパンで加熱調理すると、有害な物質に変化してしまう恐れがあるということです。
また、アマニ油は熱を加えると魚の腐ったような嫌な匂いが発生して非常に食べづらくなります。
美味しく食べるためにも、アマニ油は加熱せずに、かけたり、つけたりして、そのまま食べるようにしてください。
ただ、人が口にできる温度の物に加えて直後に食べるのであれば、酸化はほとんど進みませんので、4章や5章でご紹介する以下のメニューでは問題ありません。
- 卵かけご飯にかける
- 味噌汁にかける
- トーストにかける
といっても、食べないで長く放置していると酸化の可能性が出てきてしまいますので、アマニ油を加えたらすぐに食べるようにしましょう。
2.アマニ油の摂取量の目安は毎日小さじ一杯
アマニ油の効果を得るためには、毎日小さじ一杯(3〜4g)を目安に摂取するようにしましょう。
前述しましたように、アマニ油を食べることで最も期待されるのは、そこに含まれているα-リノレン酸の効能(※)です。
※α-リノレン酸の詳しい効能についてはこの章の終わりに明記します。
厚生労働省が、α-リノレン酸の1日の摂取目標量として推奨している数値を示した下記の表をご覧ください。
一般的に、アマニ油のα-リノレン酸含有量は全体のおよそ60%なので、小さじ一杯3〜4gとして換算すると成人の摂取目標量に近くなることが確認できます。
参考
※ 厚生労働省「主な脂質摂取目標量」
表を見て頂ければわかるように性別や年齢で適正な摂取量に多少差異がありますので、神経質になりすぎる必要はありませんが、小さなお子さんは別皿にするなど調節をするといいでしょう。
身体に良い多くの効果が期待できるアマニ油ですが、油であることにはかわりないので、あまり多く摂り過ぎてはカロリー過多になります(※)。かといって少なすぎても効き目が望めません。
効果的に食べるためには、小さじ一杯を目安にしましょう。
※アマニ油小さじ一杯(3〜4g)は、およそ37kcalです。
α-リノレン酸の主な効能
- 中性脂肪を下げ、血圧を安定させて血管を健康にする
- 健康な免疫反応のバランスを助ける
- 関節や軟骨の健康
- 美肌
- 健康な心臓機能
- 神経系や脳の機能促進
- うつ、炎症を抑える
アマニ油の詳しい効果について知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください!
『中には嘘の効果も!アマニ油の本当の6効果とその科学的根拠を解説』
3.最も大きな効果を得られるアマニ油の食べ方
アマニ油の最も大きな効果を得られる摂取方法は、“たんぱく質と一緒に食べる”ことです。
何故たんぱく質と一緒に摂取すると大きな効果が得られるのか? 以下に具体的に解説します。
その上で、2項ではアマニ油をたんぱく質と一緒に食べられる5つのメニューをご紹介しますので、ぜひ日々の食卓に取り入れて頂けたらと思います。
3-1.アマニ油はたんぱく質を含む食品と一緒に食べよう
アマニ油は、たんぱく質を多く含む食材と一緒に食べると効果が増します。
認知症予防効果も期待され、脳の働きがよくなるといわれるアマニ油ですが、脳細胞の活性化のためには「たんぱく質」が必要です。
アマニ油を「たんぱく質」と一緒に摂取すると、アマニ油に含まれる「α-リノレン酸」と「たんぱく質」の相乗効果で、脳細胞の働きがより良くなるのです。
α-リノレン酸がたんぱく質に作用してその機能(脳機能の低下を抑制、神経疾患の発症と進行を遅延)を発揮することが、日本薬理学会の論文にも示されています。
アマニ油は油だけをそのまま食べることもできますが、味にクセがありますし、空腹時には胃腸に負担がかかります。
効果を最大限得るためにも、たんぱく質を含む食材にかけるか、または、たんぱく質を含む食材と同じタイミングで摂取するようにしましょう。
3-2.おすすめ5選|アマニ油をたんぱく質と一緒に食べられるメニュー
アマニ油をたんぱく質と一緒に摂取できて、しかも美味しく食べられるメニューをご紹介します。
「たんぱく質」を多く含む食材で日常的に食べやすいものは、卵、鶏のささみ、サーモン、納豆などの豆類ですね。
ご紹介するのはそれらを使った5つのメニューです。
- カルパッチョ
- 卵かけご飯
- 納豆
- 冷や奴
- 味噌汁
どの料理もアマニ油をかけるだけで大きな健康効果が期待できますので、ぜひ実践してくださいね。
3-2-1.カルパッチョにアマニ油をかける
カルパッチョは魚介や肉にオイルをかける料理。オリーブオイルを使うのが主流ですが、アマニ油をかけて、塩こしょうとレモン汁で美味しく頂けます。
アマニ油はタコやサーモン、白身魚などの淡泊な魚介と相性が良く、味のクセも気になりません。
魚介類や、カルパッチョに使われる脂肪の少ない肉類は、良質のたんぱく質を多く含んでいて、アマニ油の良い効果が引き出されやすい食品です。
たまねぎやプチトマト、ルッコラなどの野菜類のビタミンも一緒に摂取出来て、栄養バランスの良い献立になります。
3-2-2.卵かけご飯にアマニ油をかける
卵かけご飯にアマニ油を小さじ一杯かけるのは、簡単で美味しいおすすめの食べ方です。
醤油など好きな味付けをしたあとで、アマニ油を加えます。
卵は1個50gの中にたんぱく質をおよそ6.2gも含んでいて、アマニ油の良い効果が引き出されやすい食品です。
たんぱく質以外にも、ビタミンやカルシウム、鉄など栄養素が豊富なので、身体に良いメニューになります。
卵の濃厚さでアマニ油のクセも気にならず、美味しく食べられます。
3-2-3.納豆にアマニ油をかける
まぜた納豆にアマニ油を小さじ一杯かけていただきましょう。
納豆は植物性たんぱく質を多く含んでいてアマニ油の効果を引き出しやすく、相性の良いメニューです。
納豆の味でアマニ油のクセを感じさせず、口あたりもマイルドで食べやすくなります。
それでも食べづらい場合は、辛子やネギ、オクラ、鰹節など薬味をたくさん入れ、仕上げにアマニ油を加えて少し混ぜてから食べると、ほとんど油の味を感じません。
3-2-4.冷や奴にアマニ油をかける
冷や奴にアマニ油を小さじ一杯かけると美味しく食べられます。
豆腐は良質のたんぱく質を多く含みますので、アマニ油の良い効果が引き出されやすい食品です。
豆腐に、めかぶやオクラ、キムチなどミネラルを多く含む食材をのせた上にアマニ油を足すと、更に身体に良い献立になりますし、アマニ油のクセも感じないで食べられます。
カロリーを気にされる方も、太る心配なく安心して食べられる低カロリーのメニューです。
3-2-5.味噌汁にアマニ油をかける
アマニ油小さじ一杯を味噌汁にかけると美味しくいただけます。
加熱がNGのアマニ油ですが、あたたかい味噌汁にかけるだけなら効能は失われません。
味噌汁の味噌は、良質の植物性たんぱく質を多く含む食品です。
また、わかめや豆腐、大根、油揚げ、キノコなど、味噌汁の具材には身体に良い栄養素が多く含まれています。
そこに、アマニ油を垂らせば最強の栄養食になります。
4.アマニ油を食べる時間は?他の食べ物と一緒ならいつ食べても大丈夫
アマニ油を食べる時間帯に決まりはありません。時間にはこだわらなくていい代わりに、留意すべき点は、「他の食べ物と一緒に摂る」ことです。
アマニ油は当然ですが油です。油は消化に時間がかかり、他の食べ物と一緒に摂らないと消化不良を起こしたり、胃腸に負担をかける危険があるのです。
毎日小さじ一杯を目安にと前述しましたが、起き抜けの空きっ腹にアマニ油だけを飲んでしまうと身体に不調をきたす可能性があります。
トースト1枚でもお腹に入れるか、野菜や果物の入ったスムージーやジュース、ヨーグルトなどと一緒に摂るようにしましょう。
ランチを抜いてアマニ油を食べたり、夕食から数時間以上経った就寝前にスプーンでアマニ油だけ食べるといったことも消化不良の原因になります。
アマニ油を食べて良い効果を引き出したいのであれば、他の食べ物と一緒に摂取するということを覚えておきましょう。
参考
※ 公益財団法人日本食肉消費総合センター「脂肪はどのように消化・吸収される?」
5.「食べにくい」人は試して欲しい!アマニ油の味が気にならない食べ方3つ
アマニ油を「食べにくい」と感じないで摂取できる食べ方をご紹介します。
アマニ油は味が草っぽい、魚のような匂いがするなどの理由から食べにくいという声も多いですね。
3章で紹介したメニューは美味しいのですが、まだ少し抵抗があるという方には以下の3つの食べ方がおすすめです。
- トーストにかける
- ヨーグルトにかける
- ジュースに混ぜる
これらの食べ方であれば、好き嫌いの多いお子さんでもアマニ油を食べられるようになります。
ぜひ試してみてくださいね。
アマニ油の実際の味について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ!
『アマニ油はどんな味?!味の比較と美味しく食べる方法』
5-1.トーストにアマニ油をかける
トーストにアマニ油をかけるとバターよりあっさりといただけます。
トーストにチーズやハムなどたんぱく質を含む食材をのせた上にかけると、アマニ油のα-リノレン酸の効果がさらに期待できます。
アマニ油の味にクセを感じる方はハムなどの食材とアマニ油を合わせると味が気にならないでしょう。
甘党の人やお子さんには、ジャムや蜂蜜を添えるとほとんどアマニ油の味は感じずに食べられます。
5-2.ヨーグルトにアマニ油をかける
意外に思われるかもしれませんが、アマニ油はヨーグルトと相性が良いのです。
小さじ一杯かけると味が濃厚になって美味しく食べられます。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌に「整腸作用」、「美肌効果」、「免疫力強化」などさまざまな効果があることはよく知られていますね。
そこに、アマニ油をかければ、さらなる健康食になります。
ジャムなどを加えると、ほとんどアマニ油独特の味が気にならなので食べやすいです。
5-3.ジュースにアマニ油を混ぜる
アマニ油の一番手軽で食べやすい摂取方法は、ジュースに小さじ一杯を混ぜる食べ方です。
野菜ジュースや、飲むヨーグルトなどジュース自体の味が濃いものに混ぜると、アマニ油の味はほとんどわかりません。
ジュースの味だけで美味しくゴクゴク飲み干せます。
お子さんであれば、アマニ油が入っていることにも気づかないでしょう(注:油は浮いてきます)。
栄養を考えるのであれば、100%果汁ジュースや食塩無添加のトマトジュースを選ぶと良いでしょう。
6.アマニ油は1ヶ月で食べきりましょう
多くの効能が期待できて魅力的なアマニ油ですが、他の食用植物油脂よりも酸化しやすいという弱点があります。
熱や光、酸素などの影響で酸化しやすく、酸化していると有益な効果が得られないばかりか、健康被害につながってしまう恐れがあります。
酸化していないアマニ油を選ぶときの目安として次の3つが挙げられます。
- 箱に入って光を遮断して売られている
- 茶や緑など深い色合いの遮光瓶に詰められている
- 「非加熱圧搾」「コールドプレス」「無焙煎(※)」などの表示がある
※焙煎してある油は酸化の度合いが高い可能性があります。
購入後のアマニ油を酸化させない注意点は3つです。
- 開封前は高温多湿を避け暗所に保存する
- 開封後はキャップや蓋をきちんと閉める
- 開封後は冷蔵庫に保管し1ヶ月で使い切る
しかしながら現在、店舗やサイトで多くのブランドから沢山のアマニ油が販売されており、栄養成分表示や前述の目安だけで必ずしも酸化していないアマニ油が選べるとは限らないのが現状です。
購入したアマニ油を食したとき、違和感を感じたり少しでも身体に不調を覚えたら、そのアマニ油を食べ続けるのは止めた方がいいでしょう。
そして、たとえ余ってしまっても、開封後1ヶ月が経過したアマニ油は食べないようにしてください。
参考
※ 富士宮市立病院「亜麻仁油の話」
7.まとめ
アマニ油の効果を最大限得るには、以下の3つを意識して食べるようにしましょう。
- 加熱しないでそのまま食べる
- 毎日小さじ一杯を目安に食べる
- たんぱく質を含む食品と一緒に食べる
アマニ油は熱や光、酸素などの影響で酸化しやすく、酸化していると効果が得られないばかりか健康被害につながる恐れがあるので、1ヶ月以内に食べきるようにしましょう。
記事ではこれらを踏まえた上で、「食べにくい」という声の多いアマニ油のクセをおさえて、美味しく食べられるメニューを8つご紹介しました。
現代人の食生活に不足しがちなα-リノレン酸が多く含まれ、成人病予防にも、アンチエイジングにも効果的なアマニ油を、ぜひ毎日の食卓に取り込んで頂けたらと思います。
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