「興味本位で買ったココナッツオイルが大量にあるけど、使いこなせない!」
「海外のお土産でココナッツオイルもらったけど、どうやって使うの?」
いま家にあるココナッツオイルをどう使ったら良いのか、実はちょっぴり困っていませんか?
一時期、大流行したココナッツオイル。しかし実際に手にしてみると、下記の点で戸惑う人が多いのです。
- 固形になったり液体になったりする
- 香りにクセがある
- 大容量すぎて使い切れない
確かにココナッツオイルは慣れるまで使い方が難しいところがあります。でも、コツさえつかめば簡単です。
この記事では、ココナッツオイルの基本的な扱い方から裏ワザ的な使い方まで、ココナッツオイルを徹底的に使いこなす方法をご紹介します。
ココナッツオイルを使いこなせば、
- ココナッツ風味のおいしい料理を楽しむ
- ダイエットをスムーズに成功させる
- うるおい美肌を手に入れる
- 髪の毛をサラサラにする
- 環境にやさしいエコ掃除をする
これらすべてを叶えることが可能です。やり方は、この記事で詳しく解説しています。さっそく続きをご覧ください。
1.ココナッツオイル基本の扱い方
さっそくココナッツオイルの具体的な使い方をご紹介したいところなのですが、その前に「ココナッツオイルの基本の扱い方」を説明します。
というのも、ココナッツオイルには独特の特徴があり一般的なオイルとは扱い方が異なるからです。
これはココナッツオイル初心者が必ずつまずくポイントですから、しっかり学んでおきましょう。
1-1.白く固まっていたら温めて溶かす
今、手もとにココナッツオイルがあれば、どんな状態か確認してみてください。
白くて固まっていますか?それとも透明で液体でしょうか。ココナッツオイルは気温によって状態が変わります。
24℃以下の環境では白く固化しますが、25℃以上の環境では透明の液体になります。
下記は室温が22℃と26℃のココナッツオイルの写真です。
22℃では完全に白く固まっていますが、26℃になると溶け出して上の方が透明になっていることがわかります。
さらに気温が上がれば、完全に透明になって液状のオイルになります。
気温が25℃以下で固形になっているときは、温めて液状化して使いましょう。
温める方法には以下があります。
- 瓶ごとお湯に浸ける
- 電子レンジでチンする(食べる場合)
- 手のひらで温める(肌や髪に塗る場合)
1-2.保存は常温(冷蔵庫に入れない)
ココナッツオイルは常温で保存しましょう。
ココナッツオイルに多く含まれる「ラウリン酸」は低温で劣化する性質があるため、冷蔵庫には入れないでください。
常温で保存していると、気温が25℃前後を行ったり来たりする春や秋は、
「朝は白く固まっていたのに、昼間は液体になった」
なんてこともありますが、ココナッツオイルは液化と固化を繰り返しても品質には影響ありません。
1-3.小瓶に小分けすると便利
ココナッツオイルは400〜500gの大瓶で販売されていることが多く、そのままだと使い勝手が良くありません。
いくつかの小瓶に分けて、よく使う場所に置いておくと便利です。
小瓶は100円ショップで購入することができますよ。
1-4.開封後は6ヶ月を目安に使い切る
ココナッツオイルは劣化しにくいオイルなので、開封後でも1年は変質しないとされています。
ただし、瓶からココナッツオイルを取り出すときに皮脂・水分・異物などが混入すれば劣化が早まります。
そのためできるだけ早く使い切った方が安心です。開封後6ヶ月を目安にしましょう。
開封から長期間が経過して品質が心配な場合は、この記事の最後にご紹介する「お掃除用」に利用するのがおすすめです。
2.ココナッツオイルの使い方①料理編
さて、ここからは具体的なココナッツオイルの使い方をご紹介していきます。
まずは「料理」での使い方です。
食用オイルとしてのココナッツオイルの特長は次の通りです。
- 約60%が中鎖脂肪酸(MCT)
- トランス脂肪酸ゼロ
- コレステロールゼロ
- 日光・酸素・熱などによる酸化に強い
中鎖脂肪酸(MCT)は速やかに消化吸収されるので、体脂肪として蓄積しにくいというメリットがあります。
トランス脂肪酸やコレステロールを含まないので、健康に気を遣っている人におすすめ。
その上、酸化に強いので調理用のクッキングオイルに最適です。
しかし、ココナッツオイルには独特の甘い香りと風味があるのも特徴。
「どうやって料理に使ったら良いのか、わからない!」という人のために、具体的な使い方をご紹介しましょう。
2-1.調理油
まずオーソドックスな使い方が「調理油の置き換え」です。
料理するとき、どんな調理油を使っていますか?
- サラダ油
- オリーブオイル
- ゴマ油
など、普段の調理油をそのままココナッツオイルに変更してみましょう。
同じ炒め物でも、オリーブオイルで炒めた場合・ゴマ油で炒めた場合で風味が変わるように、ココナッツオイルでも風味の違いが楽しめます。
ココナッツオイルと相性の良い調味料は、下記の通りです。
- ナンプラー
- しょうゆ
- ケチャップ
- ガーリック
- カレー粉
レシピ例として「鶏もも肉のココナッツソテー」をご紹介しましょう。
<材料: 4人分>
・鶏もも肉 2枚
・ココナッツオイル 大さじ1
・しょうゆ 大さじ2
・みりん 大さじ2
<作り方>
①熱したフライパンにココナッツオイルを加え、鶏もも肉の皮を下にして強火で2分焼きます。
②鶏もも肉を裏返して強火で1分焼きます。
③しょうゆ・みりんを加え、ふたをして中火で5分焼きます。
④ふたを開け、強火でカリッと1分焼いたらできあがりです。
ぜひ、いろいろな組み合わせでココナッツオイル料理を楽しんでみてください。
2-2.ドレッシングオイル
市販のドレッシングは塩分・糖質過多になりやすいもの。
ココナッツオイルがあれば、市販品よりもおいしくて健康的なドレッシングが簡単に作れます。
ここでは「にんじんドレッシング」のレシピをご紹介します。
<材料>
・ココナッツオイル 大さじ2
・にんじん 小1本 ※またはお好みの野菜
・しょうゆ 大さじ2
・お酢 大さじ2
<作り方>
①にんじんをさいの目切りにします。
②すべての材料をミキサーにかけてできあがりです。
注意点として、ココナッツオイル以外の材料もすべて常温に戻してから使ってください。
冷蔵庫から出したばかりで冷えた状態だと、ミキサーにかけたときにココナッツオイルが冷えて固まってしまいます。
2-3.バターの代用
普段から「バター」を使う機会が多い人は、そのままココナッツオイルに置き換えができます。
- トーストに塗る
- クッキーやスコーンの生地に入れる
ダイエット中の人には「ココナッツオイルとおからのクッキー」がおすすめです。
<材料>
・ココナッツオイル 100g
・おから 150g
・砂糖 50g
<作り方>
①ココナッツオイル・おから・砂糖をよく混ぜます。
(ココナッツオイルが固まっている場合は電子レンジで加熱して溶かします)
②①を棒状にしてラップで包み冷蔵庫で1時間以上寝かせます。
③お好みの厚さにカットしてクッキングペーパーを敷いたオーブン皿に並べます。
④オーブンを180度に予熱し35分焼いてできあがり。
バターも小麦粉も使わないヘルシースイーツです。甘さ控え目にしたい場合は、砂糖の量を減らしてください。
2-4.ホットドリンクの風味づけ
甘みのあるホットドリンクは心がホッと落ち着くから、時々飲みたくなりますよね。
「でもダイエット中だから……」と我慢していたのなら、ココナッツオイルの出番です。
コーヒー・ホットミルク・カフェラテ・甘酒など、温かい飲み物に小さじ1程度のココナッツオイルを入れてみてください。
砂糖ゼロでもココナッツオイルの風味で、いつものホットドリンクがリッチに。心も体も温まります。
2-5.そのまま舐める
ココナッツオイルは「そのまま舐める」という使い方もできます。
特に、糖質制限ダイエットを行っているときには、ココナッツオイルを積極的に取りましょう。
糖質に代わるエネルギー源である「ケトン体」の生成を促進してくれるので、糖質制限をサポートしてくれますよ。
1日に取るココナッツオイルの量は、大さじ1〜3を目安にしましょう。
ココナッツオイルを利用したダイエット法について興味のある方は『ココナッツオイルはダイエット効果あり!本当に痩せる正しい方法』も併せてご覧ください。
3.ココナッツオイルの使い方②美容編
「食べる」だけでなく「体に塗る」という使い方もできるココナッツオイル。上手に使えば、キレイになるために大活躍してくれます。
3-1.肌に塗る
ココナッツオイルの別名は「やし油」。やし油は、昔からスキンケア製品に配合されてきた美容オイルです。
美容オイルとしてのココナッツオイルの特徴は次の通りです。
- 酸化しにくい「ラウリン酸」がベース
- 「ビタミンE」が含まれている
ココナッツオイルは、油分でうるおいをキープしながら美肌効果を実感できるオイルといえます。
補足:敏感肌の人は使用を控えて
敏感肌の人・肌が弱い人にとって天然のココナッツオイルは刺激になる可能性があります。肌への使用は控えましょう。『【診断チャート付き】ココナッツオイルが良い肌とダメな肌の見分け方』の記事も併せてご覧ください。
具体的な使い方として、下記5つをご紹介します。
①フェイスオイル
②ボディオイル
③入浴剤
④スクラブ
⑤リップバーム
3-1-1.フェイスオイル
ココナッツオイルをフェイスオイルとして使うなら、スキンケアの最後にパール1粒大を「ふた」として塗るのがおすすめです。
「乾燥がひどくて、すぐに肌が乾いてしまう」というときに使えば、肌のしっとり感を感じられるでしょう。
顔全体にココナッツオイルを薄くのばした後、両手のひらで顔全体をプレスすると、うるおいを肌の中に閉じ込めることができますよ。
3-1-2.ボディオイル
コスパが良く惜しみなく使えるココナッツオイルは、ボディオイルとしても大活躍です。
乾燥が気になる冬場は、入浴後にココナッツオイルで全身の保湿をしておきましょう。
タオルで拭く前の濡れた肌にココナッツオイルをのばすと、肌の内側に入浴中に肌に浸透した水分の蒸発を防ぐことができます。
タオルで肌の水気を拭き取るときには、こすらずポンポンと軽く押さえるようにしてください。
びっくりするほど肌がモチモチになります。
3-1-3.入浴剤
さらにボディをうるおしたいなら、入浴剤代わりに湯船にココナッツオイルを投入するのがおすすめです。
大さじ1〜2をお湯に入れると、こってり濃厚な「超保湿浴」ができます。
ココナッツオイルはお湯には溶け込まずに表面に浮いてくるので、手ですくって、うるおしたい部分にかけると、しっとり感が実感できるでしょう。
3-1-4.スクラブ
ひじ・ひざ・かかと・お尻など、ふと体のパーツに触れたとき、
「なんだかザラついてきた……」
「ゴワゴワしてる?!」
とドキッとすることってありますよね。
そんなときは、肌に古い角質が溜まっています。ココナッツオイルのスクラブケアでクリアしましょう。
ココナッツオイル大さじ1と砂糖大さじ1をブレンドすれば、自家製スクラブのできあがり。
使い方は、気になる部位にクルクル……と軽く円を描くように軽くマッサージ。
不要な角質がサッパリ取れて、“チュルンチュルン”の赤ちゃん肌が現れますよ。
3-1-5.リップバーム
唇が皮剥けしていると、口紅を塗ってもノリが悪くてテンションが下がってしまいますよね。
そんなときは、ココナッツオイルをリップバーム代わりに。
寝る前に厚めに塗っておけば、翌朝、ぷるんぷるんの唇が復活してくれます。
3-2.髪に付ける
ココナッツオイルは「髪の毛」と相性の良いオイルです。
ヘアケアとしてのココナッツオイルの特徴は下記の通りです。
- 髪のダメージケアに適したラウリン酸が含まれている
- 酸化しにくいので頭皮の環境を妨げない
ぜひ、ヘアケアにも積極的にココナッツオイルを使っていきましょう。
具体的な使い方として下記2つをご紹介します。
①オイルパック
②アウトバストリートメント
3-2-1.オイルパック
ココナッツオイルを髪の毛にしっかり浸透させるためにおすすめなのが「オイルパック」です。
シャンプー後、ココナッツオイルを髪全体に塗り、そのまま15分以上放置します。毛先を中心に、たっぷりもみ込むようにしてくださいね。
髪をラップで包むと、さらに浸透力がアップします。15分以上経ったら、いつも通りシャンプーして洗い流してください。
髪全体がしっとりと落ち着いて、まるで美容室帰りのような仕上がりになります。
3-2-2.アウトバストリートメント
お風呂から出た後に使う「アウトバストリートメント」としても、ココナッツオイルを使うことができます。
指先に少量取って、タオルドライ後の髪全体になじませます。その後にドライヤーで髪を乾かすと、髪の毛が絡みにくくサラサラの手触りに。
アイロンやコテを使う前に使えば、熱ダメージから髪を保護してくれます。
髪にココナッツオイルを使う方法についてさらに詳しく知りたい場合は『ココナッツオイルで髪のダメージケアが可能!サラつや髪になる使い方』を併せてご覧ください。
3-3.その他
顔・髪以外の美容にも、ココナッツオイルは大活躍。
その他の部位にココナッツオイルを使う方法をご紹介しましょう。
3-3-1.ハンドクリーム
「食器洗いで手が荒れてしまった……」
そんなときは、ココナッツオイルをハンドクリーム代わりにして手全体になじませておきましょう。
ココナッツオイルが保護膜となって、手肌のうるおいを守ってくれます。
手肌の乾燥が特にひどいときには、下記の裏技ハンドケアを行ってみてください。
<裏技ハンドケアのやり方>
①手肌にたっぷりとココナッツオイルを塗ります。
②綿の手袋(または軍手)→ビニール手袋の順に装着します。
③そのまま熱めのお湯を使って食器洗いをします。
食器洗いをしながら温熱ハンドパックができるから一石二鳥。
カサカサしていた手指が、しっとりツルツルにうるおいます。
3-3-2.ネイルオイル
ジェルネイルやマニキュアで爪のオシャレを楽しんでいる人は多いでしょう。
とてもかわいいけれど、爪が傷むのがデメリットですよね。
ケアをせずに放置するとダメージがひどくなって、ジェルネイルやマニキュアをお休みしなければならなくなることもあります。
そうならないために、爪の根元をココナッツオイルで保湿しましょう。
爪の根元には「爪母(そうぼ) 」という爪の生成工場があります。
爪母が乾燥しないようにココナッツオイルでうるおいキープしておけば、次に生えてくる爪が健康になりますよ。
3-3-3.マウスウォッシュ(オイルプリング)
お口のニオイが気になるときには、ココナッツオイルをマウスウォッシュ代わりに。大さじ1程度を口に含み、クチュクチュとよくすすいでから吐き出します。
「オイルでお口がキレイになるの?」と不思議な感じがしますが、インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」には「オイルプリング」というココナッツオイルで口をすすぐデトックス法があります。
民間療法の分野なので科学的に効果が証明されているわけではありませんが、愛用している人の多い使い方です。
うがいにココナッツオイルを使う方法についてさらに詳しく知りたい場合は『ココナッツオイルでうがいする健康法とは?〜効果・手順・選び方〜』を併せてご覧ください。
4.ココナッツオイルの使い方③掃除編
重曹・セスキ炭酸ソーダ・クエン酸……などなど、合成洗剤よりも環境にやさしい「エコ洗剤」を使って掃除をしている人も増えてきました。
ココナッツオイルも、エコなお掃除ができるアイテムです。
4-1.重曹ペースト
重曹とココナッツオイルを1:1で混ぜれば、油汚れに強い天然クレンザーの出来上がり。
「油汚れは油で落とす」という言葉を聞いたことはありますか?
その理論が活かされている身近なアイテムにメイクを落とす「クレンジングオイル」があります。油性であるメイクを、同じく油性のオイルで落とすのが、クレンジングオイルの仕組みです。
同じ仕組みで、キッチンの油汚れも油でこすると、すんなり取ることができます。さらに重曹と混ぜることで、こびりついた頑固な汚れまで削り取ることができます。
例えば、お掃除をサボってしまったグリルの油汚れ。
重曹ペーストを置いて、キッチンペーパーなどでクルクルクル……と軽くなじませていきます。
まったく力を入れていないのに、スーッと汚れが落ちていきますよ。およそ30秒でこの通りです。
合成洗剤と違って拭き残しに神経質にならなくて済むのも、ココナッツオイルのうれしいところです。
4-2.床磨き
「フローリングに油分を与えてお手入れしたいけれど、床を歩く子どもやペットがいるから、ケミカルなワックス剤は使いたくない」
そんなご家庭にも、ココナッツオイルはおすすめです。ごく少量を布に付けて、軽くフローリングをこするだけ。
汚れを落としながら、ナチュラルなツヤをフローリングに与えてくれます。
※無垢のフローリングなど素材によってはシミになることがあるため、必ず目立たない場所で試してからお使いください。
4-3.革製品のお手入れ
バッグや靴など革製品のお手入れにもココナッツオイルは使えます。
「なんだか、革がカサカサ乾いている感じがする」と思ったら、ココナッツオイルで保湿してあげましょう。
柔らかい布にごく少量のココナッツオイルを取り、全体に円を描くように薄く塗り広げます。
仕上げに全体をから拭きして、ツヤを出したら完了です。
例えば、こちらのカサついてくたびれた印象の牛革スマホケース。
ココナッツオイルでお手入れしたら、ものの1分でツヤツヤに蘇りました。
傷は目立たなくなり、使い込んだ革特有の照りと深みある色味が引き出されています。
※革の種類によってはシミになったり色落ちしたりすることがあるため、必ず目立たない場所で試してからお使いください。
5.まとめ
ココナッツオイルは、以下の優れた特長を持っています。
- 日光・酸素・熱などに強く酸化しにくい
- コレステロール&トランス脂肪酸ゼロのヘルシーオイル
- 肌の保湿力がある
- 髪のダメージケアができる
- エコ洗剤としても利用可能
工夫次第でいろいろな使い方ができる、自由度の高いオイルといえるでしょう。
「家にあるけど、使いこなせなくて放置している」なんて、もったいない!
固形になったり液体になったりすることに最初は戸惑うかもしれませんが、使い方のコツをつかめば簡単です。
ぜひ今日から、「ココナッツオイルのある暮らし」を思う存分、楽しんでくださいね。
一瓶使い切る頃には、よりキレイに、より健康的になって、ココナッツオイルの魅力に魅せられることでしょう。
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