MCTオイルとは、ココナッツもしくはアブラヤシの種子から『中鎖脂肪酸』のみを抽出したオイルのことです。無味無臭であることが多いため、サラダにかけたり、コーヒーに入れたりと色々な使い方ができます。
MCTオイルには、糖質に変わるエネルギー源であるケトン体を素早く多く作れるという特徴があり、糖質制限中の人やアスリートにも役立つオイルとして利用されています。
他にもダイエットや認知機能の改善などにもMCTオイルが効果的であることが研究で明らかになってきました。
このように、MCTオイルは他のオイルと比べても体への色々な効果が期待できますが、「MCTオイルが特別体にいいと言われているのはなぜ?」や「他の油と何が違うの?」という疑問を感じる人も多いと思います。
油を摂取することに馴染みがないため、「MCTオイルを飲めば本当に色々な効果があるの?」や「ダイエットどころか油を摂るから太るのでは?」のような心配をする人がいるのも当然のことでしょう。
そこで、本記事ではMCTオイルの詳しい特徴やなぜMCTオイルが選ばれるのかについて、徹底的に解説していきます。
MCTオイルの効果については、論文を引用した上で、現段階で分かっている正しい情報のみをお伝えしていきます!
本記事を読むだけで、下記のことが全て理解できます。
- MCTオイルとは
- MCTオイルが選ばれる理由
- MCTオイルの効果
- MCTオイルの選び方とおすすめ商品
- MCTオイルの使い方
- MCTオイルを摂取する際の注意点
MCTオイルについて正しい知識を得られるだけでなく、おすすめの商品や効果を最大化するための使い方や注意点なども解説している、読んだ後にすぐに行動に移せるような記事になっています。
ぜひ参考にしてみてくださいね!
目次
1.MCTオイルとは?
MCTオイルとは、ココナッツもしくはアブラヤシの種子から『中鎖脂肪酸』のみを抽出したオイルのことです。MCTは「Medium Chain Triglyceride」の頭文字を取ったもので、中鎖脂肪酸のことを指します。
無味無臭のオイルであることが多く、サラダにかけたり、コーヒーに入れたりと使い勝手がいいのも人気の秘訣です。
MCTオイルの1番の特徴として、素早く体内に吸収されエネルギー(ケトン体)に変わるという特徴があり、実は、40年以上前から医療現場において、たくさん食べられない高齢者や低体重の新生児への栄養補給として活用されてきたのです。
最近では、MCTオイルの上記特徴が注目を集め、エネルギー代謝をケトン体回路に転換することを目指す糖質制限中の人やアスリートのエネルギー補給のためのオイルとしても利用されるようになってきました。
さらに、MCTオイルは摂取することによって、ダイエットに効果的であることや認知機能を改善することも研究で明らかになってきて、ますます注目されるようになってきているのです。
2.MCTオイルが選ばれる理由
数多くあるオイルの中で、MCTオイルが糖質制限中の人やアスリートに選ばれる理由としては、ケトン体と呼ばれるエネルギーを素早く作れるという特徴があるからです。
「ケトン体を素早く作れる」というMCTオイルの特徴が、なぜ重要視されているのかをもう少し詳しく解説していきますね。
そもそも、人間のエネルギー回路には「糖質回路」と「ケトン体回路」の2つがあり、通常は糖質をエネルギーにかえる「糖質回路」が働いています。
そして、糖質が不足してはじめて肝臓の脂肪からケトン体を作り、エネルギーとして利用する「ケトン体回路」が働き始めます。
これまで多くの糖質を摂取することが推奨されてきた日本人ですが、最近では糖質の摂りすぎが肥満や糖尿病をはじめとする様々な病気の原因となっていることが指摘されるようになりました。
そして、糖質制限をして「ケトン体回路」を働かせることが、生活習慣病の予防だけでなく、がん予防やアルツハイマー病の予防になることもわかってきたのです。
体を「ケトン体回路」に切り替えるためにはある程度の脂肪を摂取する必要がありますが、MCTオイルであれば手軽に摂取しやすく、ケトン体を素早く作ってくれます。
つまり、糖質制限中の人がMCTオイルを摂取することで、効果的に「ケトン体回路」への切り替えができるということです。
また、「ケトン体回路」が働きやすい体を作っておくことで、持久力がアップし高いパフォーマンスを発揮できるということから、MCTオイルを活用しているアスリートもいます。
MCTオイルは、サラダ油のような長鎖脂肪酸と比べて4倍早く吸収され、ケトン体生成量は10倍になり、ココナッツオイルと比べても吸収スピードが速いという研究結果が出ています。
これらのことから、MCTオイルはどの植物油と比較しても素早く多くケトン体を作れる特徴があり、特別なオイルとして糖質制限中の人やアスリートに選ばれているのです。
参考
※ 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト|e-ヘルスネット「炭水化物/糖質」
※ 日本農芸化学会「ケトジェニックダイエットがヒトの健康に及ぼす影響について」
※ 認知症を予防するための食事法
※ 日清オイリオグループ株式会社・日本女子体育大学「Journal of Nutritional Science and Vitaminology」
※ University of Tennessee Health Science Center「Relation of Ketosis to Metabolic Changes Induced by Acute Medium-Chain Triglyceride Feeding in Rats」
3.MCTオイルの効果
MCTオイルを摂取することで得られる効果について、論文を引用しながら詳しくお伝えしていきます。
3-1.ダイエット効果につながる
MCTオイルは、摂取することでダイエットにつながると言われています。
日本で行われた1日10gのMCTオイルを12週間摂取するという研究では、長鎖脂肪酸(オリーブオイルなど)を摂取した場合と比べて、BMI23以上の男女の体重と体脂肪が大きく減ったという結果が出ています。
また、朝食にMCTオイル入れたコーヒーを飲むことで、昼まで満腹感が続き、結果として1日の総カロリー数を抑えられるとも言われています。確かにMCTオイルは、満腹感を高めることが研究で示唆されています。
これらのことから、下記のような使い方をすることによって、MCTオイルにはダイエット効果が期待できると言えます。
- 普段使っている植物油(長鎖脂肪酸)をMCTオイル(中鎖脂肪酸)に変える
- 朝食にMCTオイル入りコーヒーのみを摂取して総カロリー数を抑える
- ジャンクフードやお菓子を食べるかわりにMCTオイルを摂取する
MCTオイルは小さじ1杯でも42カロリーもあるため、乱れた食生活や生活習慣のままでMCTオイルを摂取しても、ダイエット効果は出ない可能性が高いです。
「飲むだけで痩せる魔法のオイル」という訳でないことは、覚えておきましょう。
3-2.効果的に『ケトン体回路』へ切り替えられる
ダイエットや健康のために糖質制限をしている人は、MCTオイルを摂取することで効果的に『ケトン体回路』へ切り替えられるようになります。
糖質制限の目的としては、健康のためやダイエットのため、脂肪を燃やしやすい体にして筋肉のカットを出すためなど人それぞれです。
しかし、目的は違えど糖質制限では基本的に、糖質をエネルギーに変える「糖質回路」から脂質をエネルギー(ケトン体)に変える「ケトン体回路」に切り替えることが推奨されています。
体を「ケトン体回路」に切り替えるためにはある程度の脂肪を摂取する必要がありますが、MCTオイルであれば手軽に摂取しやすく、ケトン体を素早く作ってくれます。
糖質制限中の人がMCTオイルを摂取すれば、効果的に「ケトン体回路」への切り替えができるのです。
3-3.持久力アップ
MCTオイルは、素早く体内に吸収されエネルギー(ケトン体)に変わるため、運動前のエネルギー補給としても優秀な食品で、さらに持久力アップにも効果的と言われています。
実際に、中鎖脂肪酸を摂取して運動を行うことで、持久力がアップし疲労回復効果も高かったという研究結果があります。
長距離マラソンやサッカーのような持久力を必要とするスポーツを行なっている人は、スポーツ前にMCTオイルを摂取することで、高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
3-4.認知機能の向上
MCTオイルを含むケトン食によって、認知症でない高齢者の認知機能が向上することが研究でわかってきています。
認知症の脳では、脳のエネルギーとなるはずのブドウ糖がうまく取り込めないことが報告されています。
そのため、ブドウ糖の代わりにケトン体を脳のエネルギーとして利用することで、認知症予防や認知症の症状の改善につながるのではないかということが期待されてきました。
そして、MCTオイルはケトン体を素早く作れるため、認知症の救世主となるのではないかと、研究が進められてきているのです。
ただ、上記論文をはじめとして、MCTオイルを摂取することが認知機能向上に効果的であることは、いくつかの研究において示唆されていますが、今のところはメカニズムを含めて研究途中といえます。
認知機能向上のためにMCTオイルを使う場合には、専門家などに相談した上で使用した方がいいでしょう。
4.MCTオイルの選び方〜おすすめ商品ご紹介!〜
『MCTオイル』と名のついた商品はたくさんありますが、商品によって品質や安全性に大きな差があるため、MCTオイルであればなんでもいいという訳ではありません。
品質の良いMCTオイルを選び、安全性を担保しながら効果を最大化しましょう。
MCTオイルを選ぶ際のポイントは、下記の通りです。
- 中鎖脂肪酸100%のオイルを選ぶ
- 原料がココナッツのみで作られている
- 製造過程で化学溶剤を使用せず安全性が高い
- 味や香りにクセがなく誰でも使いやすい
MCTオイルは「中鎖脂肪酸100%」であることが、ココナッツオイルなどと比べても大きな特徴かつメリットなのですが、商品によっては他の脂肪酸が混ざっていることもあります。
中鎖脂肪酸100%でないと、本記事で紹介している効果が半減してしまう可能性もあるので、必ず「中鎖脂肪酸100%」のMCTオイルを選ぶようにしましょう。
また、熱に強く酸化しにくいココナッツオイルのみで作られていて、製造過程で化学溶剤を使用していない安全性の高いオイルがおすすめです。
商品によっては原材料や成分を明らかにしていなかったり、製造過程で危険な溶剤を使用していたりすることもあるので注意が必要です。
安全で品質の良いMCTオイルを利用したいのであれば、上記ポイントを押さえた商品を購入するようにしましょう。
上記条件をすべて満たした上で、専門家からも支持されているMCTオイルは『仙台勝山館MCTオイル』です。
<おすすめ商品>
出典:Amazon
おすすめポイント
- 累計50万本以上、お客様満足度93.6%のダントツ人気のMCTオイル!
- 原料は100%ココナッツ由来なので、安定性が高く酸化、劣化しにくい!
- 成分はエネルギー効率の良いカプリン酸とカプリル酸で構成
- 製造過程で化学溶剤などを一切使用しておらず安全性が高い
- 無味無臭でどんな料理にも飲み物にも合わせやすい!
MCTオイルの効果を最大化するためにも、安全性を担保するためにも、選び方のポイントを押さえた上で商品を購入してみてくださいね。
5.【目的別】MCTオイルの効果的な使い方
MCTオイルはただ摂取すればいいという訳ではなく、目的ごとにおすすめの摂取量や方法があります。
使い方を間違えると望む結果を得るどころか逆効果になって失敗することも考えられるので、正しく利用するようにしましょう。
MCTオイルの使い方について、目的ごとに解説します!
5-1.ダイエットが目的の人
1日小さじ1杯(約4.6g)からはじめて、10g程度を限度として利用してみましょう。
MCTオイルは小さじ1杯でも約42カロリーもあるため、乱れた食生活や生活習慣のままでMCTオイルを摂取しても、ただ体重増加につながるだけです。
そのため、ダイエットが目的の場合には食生活や生活習慣を整えた上で、下記のような使い方をすることをおすすめします。
- 普段使っている植物油(長鎖脂肪酸)をMCTオイル(中鎖脂肪酸)に代える
- 朝食にMCTオイル入りコーヒーのみを摂取して総カロリー数を抑える
- ジャンクフードやお菓子を食べるかわりにMCTオイルを摂取する
また、MCTオイルを摂取することで脂肪が燃焼しやすくなっているので、あわせて運動も行うとダイエット効果が高まります。
5-2.効果的に『ケトン体回路』へ切り替えを行いたい人
糖質制限中の人などで『ケトン体回路』への切り替えを行うためにMCTオイルを利用する場合には、1日大さじ1杯(約12g)からはじめて大さじ2杯(約24g)程度を限度として利用してみましょう。
消化が速くお腹が緩くなってしまうこともあるので、小さじ1杯ずつに分けて摂取するようにしてください。
『ケトン体回路』は、脂質からエネルギーを生成する回路なので、ある程度の脂肪を摂取する必要がありますが、肉の脂身などを多く摂取するのは難しいと感じる人も多いでしょう。
MCTオイルであれば手軽に摂取しやすく、ケトン体を素早く作ってくれるので、『ケトン体回路』への切り替えを目的としている糖質制限中の人などはぜひ活用してみましょう。
ただし、糖質をしっかりと抑えなければ、体は優先的に糖質からエネルギーを作ろうとするため、『ケトン体回路』への完全な切り替えがなかなかできません。そのため、必ず基準値まで糖質を抑えることを遵守してくださいね。
<参考:糖質制限のルール>
糖質制限を行い、体のエネルギー生成を「糖質回路」から「ケトン体回路」に切り替えるためには、糖質を抑えて、タンパク質と脂質をしっかり摂取することが大切です。
「ケトン体回路」に切り替えるための1日の糖質量は諸説ありますが、「1食20g以下」がひとつの目安のようです。
白米などは小さい茶碗1杯で50g以上の糖質が含まれているので、炭水化物は基本的に避けて、糖質が多いかぼちゃや人参などの野菜や果物、お菓子なども避けるべきでしょう。
糖質が低い肉や魚、豆腐や納豆などを中心に食事を組み立てていきます。
ただし、糖質制限に関しては、寿命へのリスクがあるという論文が存在したり、実際に体調が悪くなったりする人もいます。
また、糖質をただ制限しただけでは健康に悪影響があり、タンパク質と脂質をしっかりと摂取しなければならないなど、多くのルールが存在しています。
さらに、専門家によって主張している糖質制限の方法が異なるため、糖質制限を行う場合には、正しい知識を得た上で、できれば専門家に相談しながら行うようにしてください。
5-3.持久力アップが目的の人
マラソンやスポーツの前に、小さじ1杯(約4.6g)摂取をしましょう。
スポーツドリンクやプロテインに混ぜるのがおすすめです。
5-4.認知機能の向上が目的の人
1日20gを目安に、小さじ1杯ずつに分けて摂取するようにしましょう。
MCTオイルを含むケトン食によって、認知症でない高齢者の認知機能が向上することが分かった研究では、1日20gのMCTオイルを摂取しています。
ただ、上記論文をはじめとして、MCTオイルを摂取することが認知機能向上に効果的であることは、いくつかの研究において示唆されていますが、今のところメカニズムを含めて研究途中といえます。
そのため、認知機能向上のためにMCTオイルを使う場合には、専門家に相談した上で使用するようにしてください。
6.MCTオイルを摂取する際に必ず知っておくべき注意点
MCTオイルを摂取する際には、MCTを使う目的に関わらず注意しなければならないことがあります。
下記の点について気をつけながら、MCTオイルを日々の食事に取り入れてみましょう。
6-1.加熱に向かない
MCTオイルは発煙点が150度と低く、フライパンなどで熱するとすぐに煙が出たり、引火したりすることがあるため、加熱調理には向いていません。
下記のような使用方法がおすすめです。
- コーヒーなど飲み物に入れる
- ヨーグルトに混ぜる
- サラダにかける
- 味噌汁やパスタなど普段の食事に加える
6-2.小分けにして摂取する
MCTオイルは、消化が速くお腹が緩くなってしまうこともあるので、小さじ1杯ずつくらいに分けて摂取するようにしてください。
タイミングとしては、朝昼晩の食事とあわせて摂るのがおすすめです。
例えば、ダイエット目的の人であれば、朝食の後にコーヒーに小さじ1杯(約4.6g)のMCTオイルを入れて飲んで、昼はサラダに小さじ1杯かけて食べてみてはいかがでしょうか。
「MCTオイルが体に合わなかった」といった報告もあるため、最初は少量摂取して様子を見てみましょう。
体調不良にならないことや体に合っていることを確認してから、少しずつ量を増やしてみてくださいね。
6-3.論文は覆ることもある
MCTオイルについては、ダイエット効果や認知機能改善に役立つことが論文で証明されてはいますが、論文は覆ることもあります。
国や人数、その他の要因など色々なことが影響し合って間違った研究結果が出ることもあり、覆った論文がまた覆ることもあります。
例えば、牛や豚などの赤肉や加工肉に発がん性があると結論づけた論文が少し前に話題になっていましたが、最近では、赤肉を減らす必要はないと、反論する論文が出ています。このように、多くの研究者から指示を得ていた論文すら覆ることがあるのです。
そのため、MCTオイルに関してもひとつの論文を過信しすぎず、自分で実際に摂取したり記録をつけたりしながら効果を検証していくことが大切です。
MCTオイルについては、まだまだわかっていないことも多くあるため、新しい情報に気を配りながら、自分に合うペースや方法で生活に取り入れていくようにしましょう。
7.まとめ
MCTオイルとは、ココナッツもしくはアブラヤシの種子から『中鎖脂肪酸』のみを抽出したオイルのことです。どの植物油と比較してもケトン体を素早く多く作れる特徴があり、特別なオイルとしてケトン体回路への切り替えを目指す糖質制限中の人やアスリートに選ばれています。
本記事では、下記事項について詳しく解説しました。
- MCTオイルとは
- MCTオイルが選ばれる理由
- MCTオイルの効果
- MCTオイルの選び方とおすすめ商品
- MCTオイルの使い方
- MCTオイルを摂取する際の注意点
本記事を参考に、目的ごとの摂取量や摂取方法を守った上で、MCTオイルを日々の生活に取り入れてみてくださいね。
コメント