【サラダ油は危険じゃない】科学的データで巷の噂を徹底検証

安くて何にでも使える、家庭料理に必須アイテムのサラダ油。
一方で近頃の健康油ブームにより様々な油が登場してくる中、「カラダに悪い油」として、サラダ油が槍玉にあげられており、不安を感じた人も多いのでは。

ネットではサラダ油すべてが悪であるかのように書いている記事が目立ちますが、
実はサラダ油は安心して使える油です。
ただし、注意すべきポイントもありますので、
ネットで蔓延するウワサを科学的根拠に基づいて検証しながら、サラダ油の真実をお伝えしていきます!

油は生活必需品だからこそ、正しい知識をもって活用していきたいですよね。
読み終えたころには、サラダ油との上手な付き合い方がはっきりとイメージできるはず。
ぜひ最後までおつきあいください!

「サラダ油=危険」と思い込むのはちょっと待って!

ストップ

「サラダ油が健康に悪い」という噂をどこかで知って、この記事にたどり着いた方も多いのでは。

ですがどうぞご安心を。

実際は、「サラダ油は安心して使える油であり、遺伝子組み換え原料でないものを選べばなお良い」と言えます。

はじめに、ネット上で騒がれている「サラダ油が危険な3つの理由」をまとめます。

  1.  「サラダ油は認知症の原因になる」
    →データ不十分・・・△
  2. 「サラダ油はトランス脂肪酸を多く含む」
    →サラダ油に含まれるトランス脂肪酸は微量・・・×
  3.  「サラダ油は遺伝子組み換え原料を使用している」
    →すべてのサラダ油が当てはまらないが、使っているものも多数存在する・・・△

これらの噂に根拠が不足していることを、最新の科学的データを元に実証していきます!

①「サラダ油で認知症になる」は極論

パズルをはめる人

まず①「サラダ油が認知症の原因になる」という噂について。
結論から言って、「サラダ油→認知症」はこじつけです。
その理由を2つ説明します。

理由1:ヒトへの悪影響は証明されていない

サラダ油が病気の原因になると言えない1つ目の理由は、「人間への悪影響があるかどうかは、科学的に証明されていない」からです

認知症などの病気の原因になると考えられているのは、酸化した油から発生する「ヒドロキシノネナール」という物質

酸化したリノール酸(植物油に多く含まれる脂肪酸の1種)の他、ストレスや環境汚染の影響などにより体内でもつくられます。

この「ヒドロキシノネナール」が、生活習慣病や認知症の原因に関与するという研究結果はでていますが、※1
現時点では動物実験段階で、ヒトへの直接の影響は明らかにされていません※2

参考
※1 共立薬科大学雑誌「アルツハイマー病におけるアルデヒド代謝の重要性」Vol.3,(2007.10),p1-7
※2 <平成28年度>食品安全委員会が自ら行う食品健康影響評価の案件候補について 資料2-6 No.4

理由2:サラダ油から体内に入るヒドロキシノネナールは非常に少ない

2つめの理由は、通常の食生活において害が及ぶ量を摂取する可能性は低いということです。

動物実験で発がんの可能性が確認されたヒドロキシノネナールの投与量を人で換算すると、
およそ15キロを投与した計算※になります。※3
※ラットの体重を500g、ヒトを50kgとした場合

これに対し、サラダ油を加熱した時のヒドロキシノネナールの発生量を測定した実験データから算出すると、※4
天ぷら1食あたり約0.063mg程度が検出されたことになります。
※一般的な1食分の天ぷらに含まれるサラダ油・・・10g程度とした場合

実際に口に入るヒドロキシノネナールは、悪影響がでた数値に比べ非常に少ないことがわかりますね。

この結果から考えて、サラダ油を使う事が直接病気の原因になるとは言えないでしょう。

参考
※3 長谷川 隆一(2010)「毒性データの不確実性とヒトへの外挿法に関する研究(研究課題番号0704)」解説-10
※4 箭田 浩士,亀山 眞由美「食用油の加熱によって生じる有害アルデヒド4-hydroxy-2E -nonenalおよびその類縁化合物4-hydroxy-2E -hexenal の定量分析」食総研報(Rep. Nat’l Food Res. Inst)No.76,51-57(2012)

万全を期すなら、酸化しにくい油を選ぼう

心配ないとはいえ、上記の実験では

  • 油の使い回し
  • 長時間の加熱

という条件下では、ヒドロキシノネナールの発生量が増えていることもわかっています。
つまり、酸化したサラダ油は健康に良くないということ。

より健康的に油を使うためには、はじめから酸化しにくい油を選ぶと安心です。

酸化しにくいのは「菜種(キャノーラ)」のみが使用されたサラダ油。

また、加熱調理にはサラダ油以外の油を使うのも手。
オリーブオイルやごま油は加熱に強く酸化しにくいので、料理によって使い分けると良いですね。

ただし菜種(キャノーラ)に関しては遺伝子組み換えがほとんどなので選び方は注意が必要。
選び方のポイントは記事の最後でも紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

★★大手油メーカーに聞いてみました!

ヒドロキシノネナールは、「加熱前」のサラダ油には含まれていないことが判明!

「サラダ油の製造中にヒドロキシノネナールが発生する」という指摘もあったことから、
大手の油メーカーさん2社に、それぞれ製品中にヒドロキシノネナールが含まれるのかどうか質問してみたところ、「製品中には存在しない」との回答でした。

A社
A社
販売されている製品中には含まれていません。熱を加える工程は酸素のない状態ですので、ヒドロキシノネナールは生成しないと考えております。
B社
B社
加熱によってヒドロキシノネナールが極微量生じることは確認されています。
ただし「ヒドロキシノネナール」は78℃で気化します。
サラダ油を製造する際の精製工程では78℃より上回る温度で行いますので、完全に除去され、セ品中に残存することはございません。


食品安全委員会の採用する実験でも、加熱前では未検出というデータもあり
生のサラダ油にはヒドロキシノネナールは含まれないということ。
「製造過程で発生するから、サラダ油自体にヒドロキシノネナールが含まれる」というのはデマのようです。

②サラダ油はトランス脂肪酸の少ない油だった!

マーガリンを塗ったトースト

サラダ油が危険という理由の中に、「トランス脂肪酸が多いから危険」と言っているものも見かけます。

しかし結論から言うと、
家庭用のサラダ油に含まれるトランス脂肪酸はわずかなので、気にする必要はないということがわかっていおり、国立の研究機関でも明言されています。※5

ですが「少ないと言われてもどのくらい入っているのかわからない」のが不安の元でもあります。
この不安を解消するため、家庭用サラダ油で揚げ物をした場合のトランス脂肪酸量を計算してみた結果、やはり非常に少ないことがわかりました!

参考
※5 農研機構「トランス脂肪酸Q&A」5

サラダ油でトランス脂肪酸を過剰摂取することはない

トランス脂肪酸量図解

トランス脂肪酸の1日の上限値は、WHOの基準に当てはめると1日約2g未満となります。※
※日本人の平均摂取カロリー/1日 1900kcalの場合

計算の結果、2gというのは市販のサラダ油を使って調理した場合、とんかつ約10枚分にあたることがわかりました。
揚げ物はトランス脂肪酸が多いイメージがありますが、意外に少ないことがわかりますね。

計算結果は以下になりました。

【トランス脂肪酸含有量

  • とんかつ1枚(100g)あたり → 0.23g
  • コロッケ1個 あたり → 0.1g
    ※大さじ1杯(12g)あたりのトランス脂肪酸= 約0.2gとして計算

上限値は約2gなので、トンカツ1枚で約1/10程度。コロッケなら1/20程度です。
だからと言ってたくさん揚げ物を食べていいという訳ではありませんが、
通常の食生活を送っていれば、サラダ油からトランス脂肪酸を過剰摂取する心配は要らないと言えます。

参考
※ 日清オイリオ「油に関するQ&A>主な食用油のトランス脂肪酸の含有量は?」より
※ 簡単!栄養カロリー計算、女子栄養大学出版部 松本仲子「調理のためのベーシックデータ5訂増補」
  とんかつ1枚あたりサラダ油14gとして計算
  コロッケ1つあたりサラダ油7gとして計算
(トランス脂肪酸の調理中に発生する可能性については、エビデンスがないため考慮していません)

トランス脂肪酸を避けたいなら、減らすべきは加工食品!

トランス脂肪酸を摂り過ぎてしまうリスクが高いのが、お菓子やパン、スナック菓子などの食べ過ぎです。
これらの加工食品に使われる見えないトランス脂肪酸が、マーガリンやファットスプレッド
加工食品を日常的に食べることで、知らず知らずにトランス脂肪酸を摂り過ぎている場合も。

近年ではトランス脂肪酸の削減にむけて企業努力が進んでおり、特に家庭用のマーガリンなどは含有量が少なくなってきてはいますが、
トランス脂肪酸を減らすためには、加工食品の摂取を控えるのが第一です。

③遺伝子組み換えの是非はグレー。なるべく避けよう

GMO

サラダ油が危険だと言われている3つめの理由は「遺伝子組み換え原料の使用」です。

これに関しては、サラダ油に遺伝子組み換え原料が使用されている確率は非常に高いということは事実です。

遺伝子組み換え食品については様々な意見がありますが、
現段階では、非遺伝子組み換え原料のサラダ油を選んだ方がベターだと思います。

遺伝子組み換えによる健康被害の例も

非遺伝子組み換え原料の製品を選んだ方がよい理由は、
海外では健康被害に関する研究も出ており、完全に遺伝子組み換えの安全性を証明するデータがないためです。

例えば、2011年にカナダで発表された研究結果によると、
遺伝子組み換え作物に用いる農薬や農薬成分が、妊娠した女性の体内に蓄積しているとされています。※6

参考
※6 Bt toxin found in human blood is not harmless

このように、食べた時点では問題はなくても、例えば次の世代に受け継がれた場合に100%安全であるとは言いきれません。
さらに、環境や生態系への影響など、未知の部分もまだまだあります。

現状国内では、遺伝子組み換え食品は厳しい安全性のテストにより認可されたもののみが流通しているため、過度に心配する必要はないと思います。

ですが、非遺伝子組み換えのサラダ油を選ぶ方が、より健康的でサスティナブルだと言えるでしょう。

安価なサラダ油は遺伝子組み換えの可能性大

スーパーなどで手に入るお手頃価格のサラダ油は、ほぼ遺伝子組み換え作物使用と考えて間違いありません。

理由としては、サラダ油で主に原料として使用される菜種・大豆の95%以上が輸入品であり、
そのほとんどが遺伝子組み換えだからです。

また、サラダ油と並んでメジャーな油として「キャノーラ油」がありますが、キャノーラは菜種の一種。
こちらもほぼ遺伝子組み換え菜種を使用しています。

参考
※ 消費者庁「大豆・菜種・綿実から製造される食品の GMO 表示改正案について 」(2017.8.2)

安心して使える油のチェックポイント2つ

サラダにかける油

サラダ油は選び方次第で、安心して使える便利な油です。
さらに、サラダ油と同じように使える別の油もたくさんあります。

油は生活必需品である以上、
安心して使えて、お手頃に買えるものを選びたいですよね。

おすすめしたいのは、加熱に強く、非遺伝子組み換え原料を使った油です!

★商品選びのポイント★

  1. 熱に強く、酸化しにくい原料を使用
  2. 「遺伝子組み換え原料不使用」と表示がある、または国産原料のみを使用

スーパーで見かけるキャノーラ油やコーン油。
結局全部「サラダ油」!?

そもそもサラダ油っていったい何なのでしょう。
「うーん、なんか植物系の油?」くらいのイメージの方も多いのでは。

実はサラダ油とは、もともと「サラダにかける油」として使えるよう生食用の油として開発されたもの。
濁ったり固まったりしないよう精製された、使い勝手の良い植物油の総称なのです!

製法や原料はJAS規格によって定められていますが、
スーパーに並ぶキャノーラ油やコーン油、べに花油などは、大体サラダ油の1種と考えてOKです。

酸化しにくいのは「キャノーラ油」

サラダ油を加熱調理に使うなら、酸化しやすいリノール酸が少ない原料のものがおすすめ
「サラダ油」という商品名のものは、大体なたねと大豆の調合油ですので、加熱用としては不向きです。

酸化しにくいのはキャノーラ油、なたね油、こめ油、※ハイオレックのべに花・ひまわり油など。
※ハイオレック・・・リノール酸が少なく、オレイン酸を多く含むように品種改良されたもの

ただしキャノーラに代表される菜種はほぼ遺伝子組み換え原料となります。

非遺伝子組み換えを簡単に選ぶなら「国産」を

菜種やキャノーラはほとんどが遺伝子組み換えですが、油には遺伝子組み換えの表示義務がないのでラベルを見ただけでは判断できません。

「じゃあどうやって選んだら良いの?」と思ってしまうかもしれませんが、ご安心ください。
「非遺伝子組み換え」と表示がなくても、「国産原料100%」であれば非遺伝子組み換えです

なぜなら、国内では遺伝子組み換え作物の商用栽培はされていないため。

国産の原料使用と表示のあるもの全般
または遺伝子組み換えの流通が認められていないこめ油(こめサラダ油)ならラベルを見なくても非遺伝子組み換えと判断してOKです。

チェンジするならどれ?オススメの油6選

さらに安心して使える商品が知りたい!という方のために、

① 酸化しにくく加熱調理も安心
② 非遺伝子組み換え原料

の2つのポイントを満たす、普段使いにおすすめの商品をピックアップしました。
主なECサイト(楽天、amazon、yahooショッピング)で手軽に購入できます。
さらに、上記の2ポイントを満たす、サラダ油の代わりに使えるおすすめの油もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

編集部イチオシ!おいしくて安全なサラダ油はこの3つ!

ボーソー一番しぼり菜種油 910g
価格:782円(税込)
(2019年11月時点のamazon価格)
コスパ:5.0 評価5
使いやすさ:5.0 評価5
味:3.0 
評価3

ボーソー一番しぼり菜種油910g

清水
清水
非遺伝子組み換えのオーストラリア産なたねが原料のキャノーラ油。製法も化学物質を使用しない圧搾法で作られています。コスパも良いので普段たっぷり使いたい方におすすめです。淡泊な風味でどんな料理にも使いやすく、普段使いとしてはかなり優秀な商品です。

 

平出油屋の菜種油[玉締め圧搾法] お徳用1800mlペットボトル(1650g) 
価格:1800円(税込)
(2019年10月時点のかわしまや価格)
コスパ:4.0 評価4
使いやすさ:3.0 評価3
味:5.0 
評価5

平出油屋の菜種油[玉締め圧搾法] お徳用1800mlペットボトル

清水
清水
国産の菜種をつかい、熱を一切加えない「玉締め圧搾法」という製法で作られたナチュラルな菜種油です。
和紙をつかってろ過しているので、菜種本来の濃い色合いと風味を感じられる油です。
コクがあるのにあっさり。自家製マヨネーズやドレッシング作りにもオススメです。
これを使ったらもう普通のサラダ油に戻れない・・・という人も。

 

ボーソー油脂 米油 1350g
価格:781円(税込)
(2019年11月時点のamazon価格)
コスパ:5.0 評価5
使いやすさ:5.0 評価5
味:4.0 
評価4

ボーソーこめ油1350g

清水
清水
こめ油は厳密にいうとサラダ油ではありませんが、米ぬかを原料に精製した油ですので、ほぼサラダ油と同じ部類の油になります。
米油の特徴は、スーパービタミンEとも言われる抗酸化物質が含まれていること。これにより酸化しにくく胃もたれもしにくいと言われています。揚げ物などこってり系の料理におすすめの油です。

 

サラダ油の代わりに使える「ごま油」と「オリーブオイル」

  1. 酸化しにくい!
  2. 遺伝子組み換え原料を使用しない

というメリットを併せ持つ油でサラダ油以外の油でおすすめは、ごま油オリーブオイル
上記で紹介したような良質なサラダ油はネットや専門店でしか買えないことが難点でもありますが、ごま油やオリーブオイルなら、スーパーで手軽に購入できますよね。

オリーブオイルやごま油は風味が強めなものが多いですが、サラダ油のように使える淡泊でお手頃な商品をセレクトしました。

マルホン太白胡麻油 1650g
価格:2139円(税込)
(2019年11月時点のamazon価格)
コスパ:3.0 評価3
使いやすさ:4.0 評価4
味:4.0 
評価4
マルホン太白胡麻油1650g

清水
清水
こちらの太白胡麻油は焙煎せずに作られたごま油。
無味無臭なのでサラダ油と同じようにどんな料理にも使えますが、コクを引き出し料理の味がワンランクアップします。
また、ごま油は「ゴマリグナン」という特有の抗酸化成分を含んでいるので、加熱しても酸化しにくいのが特徴。お菓子作りにも使えますよ!

 

ガルシアエクストラバージンオリーブオイル 1000ml
価格:936円(税込)
(2019年11月時点のamazon価格)
コスパ:5.0 評価5
使いやすさ:5.0 評価5
味:3.0 
評価3

ガルシアエクストラバージンオリーブオイル1000ml

清水
清水
こちらはスペイン産のエキストラバージンオリーブオイルですが、価格は800~900円前後とかなりお手頃。サラダ油感覚で炒め物や揚げ物にもガンガン使えちゃいます。
安さゆえに気になる品質も、国際基準よりも優れていて申し分ナシ。味や香りは淡泊なので、生より調理向きです。

※価格は2019年11月現在です。商品情報は変更される場合があります。

まとめ

この記事ではサラダ油が危険と言われる

  • サラダ油を摂ると認知症になる
  • トランス脂肪酸の摂取リスクを高める
  • 遺伝子組み換え作物を使用しているから危険

という3つの噂について科学的知見に基づいて検証し、偏りのある情報であることを解説しました。
「サラダ油は安全な油」であり、遺伝子組み換え不使用のものならより安心だということがお分かりいただけたと思います。

ぜひこの記事を参考に、サラダ油と上手に付き合いつつ、あなたにピッタリの油を見つけてくださいね!