菜種油とサラダ油の違いは?効能とレシピに合わせた選び方

菜の花と容器に入れられた菜種油

スーパーの食用油コーナーには、「サラダ油」を中心に多くの商品が並んでいますよね。
中でも揚げ物料理にかかせない植物油は、私たちの食生活にも深く関係しているもの。特に、健康を意識するなら少々高価でも「菜種油」、その中でも国産のものを選ばれることをおすすめします。

今回は意外と知られていない、菜種油とサラダ油の違いについて解説。また、菜種油と似たキャノーラ油との違いもあわせてご紹介しますね。

1 菜種油とは?

菜の花と菜種

菜種油はアブラナ科アブラナ属の植物から採取した植物性の油です。
菜種は黄色い菜の花として日本でも古くから親しまれてきました。その歴史は弥生時代まで遡るとされており、野菜として食べられていたものが、江戸時代に食用油として使われるようになりました。

菜種油はクセが少ない味のため、様々な揚げ物や炒め物の料理との相性も抜群です。

1−1 菜種油の効能

植物性の油である菜種油には、「LDL」と呼ばれる悪玉コレステロールを上げにくくする「オレイン酸」をはじめ、コレステロールの降下作用が高い「リノール酸」動脈硬化予防、免疫応答の改善などにつながる「α−リノレン酸」などが含まれています。

含まれる脂肪酸特徴含有率
オレイン酸酸化しにくく、血液中の善玉コレステロールの濃度を維持し、悪玉コレステロールの濃度を下げる63.2%
リノール酸血液中の中のコレステロール濃度を下げる19.3%
α−リノレン酸摂取後に必須脂肪酸であるDHAやEPAになり、脳の働きをよくしたり、中性脂肪の低下が期待できる9.2%

※上記のデータは公益財団法人日本油脂検査協会の「油脂検査協会2019」、「JAS製品の脂肪酸組成」をもとに算出しています。
※参考 公益財団法人日本油脂検査協会「油脂検査協会2019」

1−2 国産菜種油は生産量が少なく価格が高い

国産菜種油の小売価格は、輸入品の3〜5倍となっています。

その理由としてまず、菜種油の国内での生産量が少ないことがあげられます。菜種油のほとんどは海外から輸入されたものです。近年は国産菜種油の需要の増加によって生産量が増えていますが、平成24年の時点で国産の菜種油の生産量は2000トン弱となっており、まだまだ希少性が高いのが実情です。また、国産の菜種油の精製は素材のよさを活かすため、圧搾機を用いた昔ながらの方法で行われているケースも少なくありません。そのため、生産コストがかかり、価格に反映されてしまうのです。

※参考 農林水産省「(8)なたね」

1−3 国産菜種油は安心して購入できる

従来の菜種油には摂取量によっては心疾患を引き起こす可能性のある「エルカ酸(エルシン酸)」が含まれていましたが、1990年代にはエルカ酸を含まない品種が国内で開発され、安全性が認められています。そのため、国産の菜種油は安心して購入してよいでしょう。

※参考 農林水産省「(8)なたね」

1−4 キャノーラ油は遺伝子組換えの可能性が高い

スーパーでよく目にするであろう、キャノーラ油という商品。キャノーラとは、カナダで品種改良されたアブラナの一種で、基本的には菜種と同じものといえます。

キャノーラ油はエルカ酸を含まないため多く輸入されるようになりましたが、カナダ産のキャノーラは遺伝子組換えされているといわれています。日本国内では、遺伝子組替えされた食用油用の菜種の流通と安全性が認められていますが、日々の生活で摂取している可能性があります。

※参考 厚生労働省「遺伝子組換え食品の安全性について」

2 サラダ油とは?

皿に注がれるサラダ油

私たちが普段よく目にするサラダ油とは、精製された植物油のことを指します。また、菜種油やごま油などには元になった食品の名前がついていますが、サラダ油は生野菜のサラダから作られているわけではありません。サラダ油として販売できる植物性油の商品には必ず、「JAS(日本農林規格)」を満たしている必要があります。

2−1 サラダ油は複数の原料からできている

JAS規格を満たすための条件は2つあり、1つ目は菜種や大豆などの定められた素材を使用したものであることです。サラダ油として販売できるのは、以下の素材を原料として使用したものに限られます。

  • 菜種
  • 大豆
  • ひまわり
  • とうもろこし
  • 綿実
  • ごま
  • 紅花
  • ぶどう

など

つまり、菜種からできた菜種油も、サラダ油の一部だというわけです。また、上記の素材を2種類以上使用して作られた場合、「調合サラダ油」といわれます。この調合油は、菜種油と大豆油を配合した商品が多く販売されています。

※参考 農林水産省「食用植物油脂の日本農林規格」

2−2 固まらず常温でも使いやすい

2つ目は、低い温度にあっても固まったり濁ったりせず、普段通りの使い方ができること。これは、植物油の素材に含まれる色や匂い、澱(おり:液体中に沈んだかす)やワックス分などを除去しているからです。そのため、サラダ油は低温でもサラサラ感を損なうことがありません。

※参考 農林水産省「特集2 食材まるかじり(2)」

2−3 サラダ油は日本で誕生した

実はサラダ油というのは、日本で生まれた植物油だとご存知でしたか?

「日清オイリオ」という会社が、1942年に「日清サラダ油」という名の商品を発売したのが始まりだとされています。当時最新の精製機械をドイツから購入し、生野菜を食べられることを目指して開発されました。サラダ油は誕生から70年以上に渡り、日本の食卓で愛されてきたんですね。

3 菜種油とサラダ油の違いとは?

菜の花と菜種油の入った瓶

菜種油とサラダ油の特徴について確認しました。

ここからは、それぞれの違いについてご紹介します。一般的にサラダ油は安価で手に入りやすく、菜種油は国産になると価格が上がります。その理由はなぜでしょうか?

3−1 料理に使ううえではほとんど同じ

菜種油とサラダ油は料理に用いるうえでは、その差はほとんどありません。菜種はサラダ油の原料の一部であり、双方とも高温に強く、揚げ物や炒め物に使うのに向いているからです。そのため、原産国や価格、風味などの違いが重要なポイントになってきます。

3−2 サラダ油は遺伝子組替え原料が使われている可能性が高い 

海外から輸入される菜種油はカナダ産のキャノーラが多くを占めており、そのほとんどが遺伝子組換えされているのは先述の通り。つまり、輸入した原料を多く使用している安価なサラダ油の使用によって、私たちは知らず知らずのうちに、遺伝子組替えされた原料を口にしている可能性があるのです。

遺伝子組換えと聞くと、思わず身構える方もいるかもしれませんが、日本では遺伝子組換えされた原料を加工用や飼料用として多く輸入しています。

平成22年のデータでは、海外から輸入した植物油の総供給量は約254万トンでした。内訳として菜種油が最も多く、パーム油、大豆油と続きます。

※参考 農林水産省「食用の植物油にはどのような種類があるのですか。」

3−3 遺伝子組替えかどうかはメーカーのWEBサイトでチェック

遺伝子組換え食品の利用に不安のある方は、国産の菜種油を選んだほうがよいでしょう。

それは国産の菜種油には遺伝子組換えされていない商品が数多くあるからです。しかし、遺伝子組換えの表示義務はないので、商品のパッケージに表記されていない場合があります。そのため、気になる商品があれば、そのメーカーのWEBサイトを確認する方法がおすすめです。遺伝子組換えしていない菜種だけを使っているかをチェックできます。国産の菜種油にこだわっているメーカーであれば、それをWEBサイト上で紹介していることが多く、しっかりと確認した上で商品を手に取れるはずです。

※参考 農林水産省「遺伝子組換え農作物をめぐる国内外の状況」

3−4 サラダ油はほとんどが低価格・菜種油は高価な場合が多い

一般的には、サラダ油は低価格で菜種油は比較的高価であることがほとんどです。

実際に商店で売られている商品の価格を比較すると、サラダ油が1000gで約350円なのに対し、国産の菜種油は800gで約1400円。その理由としては、国産の場合は原材料が少なく価格に反映されてしまうことと、原料から抽出できる菜種油の量が少ないことがあげられます。国産菜種油の精製過程で用いられる圧搾機による抽出方法では、一度に取れる菜種油の量がどうしても少なくなってしまうのです。

しかし、丁寧に作られた国産の菜種油には菜種本来の重厚な風味がしっかりと残るため、料理に華をそえてくれるでしょう。

4 菜種油のおすすめ調理法

菜種油で天ぷらを揚げている

価格はそれなりにするものの、国産にこだわったメーカーの菜種油は健康的。様々な料理に使うのがおすすめです。ここでは、加熱に強い菜種油の特性を活かし、揚げ物や炒め物など料理を美味しく仕上げるための、おすすめ調理法をご紹介します。

4−1 揚げ物に向いている

菜種油が持つ風味を活かすために、揚げ物に使用するのがおすすめです。特に天ぷらはカラッと揚がり、香ばしい香りと風味が素材の味を引き立てます。他にも、揚げ出し豆腐など一品もののおかずや、大学芋などのおやつ作りにも役立つでしょう。

4−2 炒め物にもおすすめ

チャーハンや野菜炒め、中華料理などの炒め物にもおすすめです。素材のよさをギシっと閉じ込めます。また、あまり油っこくなく、胸焼けしにくいように仕上げられるでしょう。

5 まとめ

菜種油とサラダ油の違いについて解説しました。

サラダ油の原料に菜種も含まれていることに、驚かれた方もいるかもしれません。大量に油を使う揚げ物を作る場合は、コスパの高いサラダ油を使う方が経済的です。

しかし、安価なサラダ油は、輸入された遺伝子組換え原料を使用している可能性があります。遺伝子組換え商品への不安や、国産素材のよさを活かしたいと思う場合、国産の菜種油を採用してみてはいかがでしょうか?

下記に国産菜種油とサラダ油の比較をまとめました。

国産菜種油サラダ油
コスト感やや高い
(キャノーラ油は比較的安価
安価なものが多い
素材菜種菜種や大豆など複数
風味重厚な風味軽い風味
原料の原産国国内産が多い海外産が多い
遺伝子組換えをした原料の有無メーカー側がWEBサイトなどで明記していれば使用していない輸入品に含まれている可能性がある

菜種油には健康に関連した様々な効能があることがわかりましたね。

特に、遺伝子組換えした菜種を使わず、品種改良した国産菜種を活用しているメーカーの商品は、進んで手にとってみたいもの。サラダ油をメインに使っていた方はこれを機に、国産の菜種油の魅力に目を向けるのもよいでしょう。