コーヒー豆の挽き方は淹れる器具で決まる!器具別5つの挽き目を紹介

5つの挽き目

お店でコーヒー豆を買う時に、突然店員さんに「挽き方どうしますか?」と聞かれ、「挽き方に種類ってあるの?」とドキっとした経験はありませんか?
また、コーヒー豆を買ってみたけど、どれくらいの細かさで挽いたらいいのか?どうやって挽くのが正しいのかわからない…!と困ったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

コーヒー豆は挽いた大きさ(粒度)で、風味や味が変わり、細かく挽くほど、味が濃くなります。
しかし、「濃いコーヒーが飲みたい」からと言って、細く挽けばいいというわけではありません!

実は、コーヒーの挽き方はコーヒーを淹れる器具でほぼ決まっています。
・ペーパードリップ・コーヒーメーカーなら 中挽き~中細挽き
・フレンチプレスなら 粗挽き
・エスプレッソなら 極細挽き
それから、微調整することで理想の味に近づけることができます。

この記事では、コーヒー豆の挽き方と淹れる道具をわかりやすくまとめます。
また、
・コーヒーミルをおすすめする理由と選び方
・ハンドミルのコーヒー豆の挽き方
・筆者おすすめのコーヒーミル
も丁寧に解説、ご紹介していきます。

これであなたは今日から、コーヒー豆をお店で挽く時はスマートに注文でき、またコーヒー豆を自宅で挽く場合も、淹れる器具や出したい味に合わせてコーヒー豆を挽くことができるはずです!
「コーヒー豆の挽き具合」を知り、コーヒーの理解を深めて、コーヒーライフをもっと楽しくしちゃいましょう!

1 適切なコーヒーの挽き目は淹れる器具で決まっている

コーヒーを淹れる器具

実は、コーヒー豆の挽いた粒の大きさ(挽き目、挽き具合、粒度などともいう)で味わいは大きく変わります。
コーヒー豆は細かく挽くほど色も味も濃くなり、粗いほどコーヒーの色も味も薄くなります。
それは、細かければ細かいほど、水と触れる面積が増え、より多くのコーヒー成分が溶け出すからです。

しかし、単に「濃いコーヒーが飲みたいから細く」「あっさりしたのが飲みたいから粗く」挽けばいいってわけじゃありません!

実は、適切なコーヒーの挽き目は淹れる器具でほぼ決まっています。
それは、淹れる器具によってコーヒーとお湯が触れる時間が違うからです。
これはコーヒーの濃度に関係してきます。

コーヒーの濃度の関係

お湯とコーヒーが触れる時間が長いほど、味はたくさん出るので濃度は濃いです。
また、コーヒーとお湯が接している時間が長いと、雑味などの出したくない味も出てしまうので、挽き目で成分を溶け出しにくくして、味のコントロールをします。

例えば、お湯が接する時間が3~4分と長いフレンチプレス(コーヒーをお湯に浸けて最後にフィルターを落とす方法)では粗く挽き、逆にお湯との接する時間が30秒ほどと短いエスプレッソマシンなどで淹れる時は短時間で味がしっかり出るように細かく挽きます。

もし、コーヒーを淹れる器具と挽き目が合っていないと、コーヒー豆の成分がちゃんと抽出できず、薄味のコーヒーになったり、逆に抽出し過ぎてエグみや渋みが強いコーヒーになってします。

なので、まずコーヒーの淹れる道具に合った挽き目を覚えることが重要なのです。
それから、挽き目を微調整することで自分の理想の味に近づけることができます。

2 挽き目は5つ、淹れ方とおすすめの挽き目

5つの挽き目

コーヒー豆の挽き目は5つあります。
・極細挽き
・細挽き
・中細挽き
・中挽き
・粗挽き

極細ほど粉の大きさは細かく、粗挽きになるほど粗くなります。

基本の淹れ方である、ハンドドリップが中細挽きということを覚えておくといいでしょう。
これが味の中心、バランスのとれた味だと思っていただくと理解しやすいです。

挽き目/粒の大きさ

淹れ方

極細挽き
上白糖くらい
極細挽き

エスプレッソマシン
極細挽き

イブリック(トルコ式コーヒー)
イブリック

苦味がとても強い

細挽き
上白糖とグラニュー糖の中間くらい
細挽き

ウォータードリップ(水出しコーヒー)
ウォータードリップ

苦味とコクが強い
(※ウォータードリップだと苦味やコクはまろやかになる)

中細挽き
グラニュー糖くらい
中細挽き

ペーパードリップ
ペーパードリップ

コーヒーメーカー
コーヒーメーカー

一般的なバランス

中挽き
グラニュー糖とザラメの中間程度
中挽き

サイフォン
サイフォン 

布ドリップ(ネルドリップ)
ネルドリップ

酸味がありスッキリとした味

粗挽き
ザラメ糖くらい
粗挽き

カフェプレス
コーヒープレス

パーコレーター
パーコレーター

苦味が少なく酸味がやや多い

出典:Amazon

3 お家コーヒーをはじめるならまずミルを!

コーヒー豆を挽く道具をミル(または、グラインダー)と言います。
もう、ミルを持ってるから早速挽きたい!と思ったそこのあなたは、この章をすっ飛ばしてこちらをどうぞ

まだミルを持っていない、これからコーヒーミルを買いたいと考えている人には、絶対ミルを買うことをおすすめします!
それは、ミルでコーヒー豆を挽いてドリップすることで劇的にお家コーヒーが美味しくなるからです。
もし、挽いた粉を買って、家でコーヒーを淹れて「どうもいまいちだなぁ」と感じる方は、ミルで豆から挽いてみるといいでしょう、きっとコーヒーの次元が変わるかと思います。

そもそも、何でミルで挽くとおいしくなるのか?
それは、酸素に触れにくくし、劣化のスピードを遅らせることができるからです。
コーヒー豆は粉にすることで、1g当たりの粒子数が500~4000倍に増え、表面積は8~16倍に増えると言われています。
空気に触れる表面積が増えれば、酸化が早まり、それによって香りや味が落ちます。

コーヒーの表面積

なので、粉買うよりもミルで挽きたてのコーヒーを淹れることで、酸化を最小限に抑え、香りを強く感じることができます。

そんな、おいしいコーヒーを飲むのに欠かせないミルですが、どんなポイントでミルを選べば良いのか、どのミルがどんな人におすすめなのか、解説していきます。

3-1 ミルは生活スタイルで選ぶのがおすすめ

ミルは生活スタイルで選ぼう

ミルには大きく分けて、「手動ミル」「電動ミル」と2種類あります。
どちらの方がいいのか、様々な意見がありますが、ミルを選ぶ時は生活スタイルに合ったものチョイスするのがおすすめです。
それは一口にミルと言っても、種類も大きさ、価格も様々だからです。
持ち運びができるコンパクトなものから、お店でも使っているような大きく本格的なものまで。
値段も安くて2千円~高いと5万円と本当にピンキリ…!

ここでは3つのライフスタイルに合わせ、3つのミルをご紹介します。
・休日にじっくりコーヒーを楽しみたい人
・平日もコーヒーを飲む・忙しい人
・コーヒーマニアさん

3-1-1【手動ミル】休日にじっくりコーヒーを楽しみたい人

HARIOハリオ コーヒーミル セラミック スリム MSS-1TB

出典:Amazon

ハンドルを回して豆を挽く、手動タイプのミルは休日にコーヒーを飲む人、コーヒータイムを趣味としてじっくり楽しみたいと思う人におすすめです。

それは、手動ミルの最大の魅力でもある、自分で豆をゴリゴリ挽いている感じをダイレクトに感じることができるからです。
挽くのに、3~4分くらいかかりますが、自分自身で挽いて、部屋中がコーヒーの香りに包まれるあの時間は、至福のひと時です。コーヒーは飲むだけではなく、淹れる時から楽しめるのだなとつくづく感じます。

また、より香り高いコーヒーを求める人にも手動ミルはおすすめです。
それは、電動ミルに比べて手動ミルの方が摩擦熱を防げ、香りが飛ばないからです。

電動ミルは、強い力で勢いよく短時間で粉にするため、摩擦熱が多く発生します。これによりコーヒーの香り、風味が損なわれると言われています。
しかし、手動ミはゆっくり挽かれるので、摩擦熱が帯びにくいです。摩擦熱による劣化を防げるので香りをより楽しむことができます。

少量を飲みたい分だけ手軽に挽け、場所もとらないので、毎日挽かない時だって邪魔になりませんし、電源がいらないので、キャンプ・登山などのアウトドア好きな人にもピッタリです。

3-1-2 【小型電動ミル】毎日飲むけど挽く時間がない人に

Kalita 電動コーヒーミル CM-50 (ブラック)

出典:Amazon
毎日飲むけど、手で挽くほど時間に余裕はないよ…という人には、小型の電動ミルがおすすめです。

たった数十秒ほどの短時間で挽け、手頃な価格、簡単に操作できること考えた時、総合的に見たらめちゃくちゃ優秀だからです。
若干挽きムラができやすいですが、挽きたてが超手軽に飲めることを考えたら充分かと思います。
コーヒーを毎朝のルーティンにしている人に使ってもらいたいミルです。

3-1-3 【電動ミル】毎日飲むコーヒーマニアな人には

Kalita ナイスカットミル

出典:Amazon
1日に何杯も飲むコーヒー好きの人、家族や職場など大人数で飲むなら本格的な電動ミルがおすすめです。

このタイプの電動ミルは一気にたくさんの量を均一に挽くことができます
均一にコーヒーが挽けると、コーヒーの味が安定し、えぐみや雑味など出したくない味を抑えることができます。

スペースがすこし必要なのと、挽く時の音がやや大きいですが、カフェで飲んでいるような気分を楽しめるので、テンションがすごく上がるかと思います!
2~5万円と少々値段はしますが、そう簡単には壊れないので、長い目で見れば意外とコスパはいいのかなといった印象です。

以上を踏まえ、自分のライフスタイルに合ったコーヒーミルを選び、おいしく楽しいお家コーヒーのひと時を過ごしていただきたいです。

4 【徹底解説】ハンドミルの使い方とポイント

ミルの挽き方1 ハリオ【セラミックスリムMSS-1TB】

自宅コーヒーをはじめてみたい人や、自分で豆を挽くのって難しそう…
ミルを買ってみたけど、どうやって使うかいまいちわからない…と思っている方も多いはず。

この章では、コーヒータイムをじっくりと楽しむことができる、手回し式のハンドミルの使い方を実際に使いながらご紹介していきます。

4-1 ハンドミルの使い方

今回使用したミルは、ハリオの【セラミックスリムMSS-1TB】です。
1回で2杯分(約24g)挽くことができます。
好みのコーヒー豆を用意したら、早速挽いてみましょう!

① まず試しに挽いてみる
ミルの使い方2 試し挽き
まずは粗さを調節するネジを時計回りに、動かなくなるまで締めます。
締め切ったら、今度はネジを反時計回りにし、調整していきます。
回していくとカチっというタイミングがあります。
このミルは45℃回転するごとに「カチッ」と鳴るので仕組みになってるので、何回カチカチしたか覚えておきましょう。

中細挽き~中挽きで7~9カチくらい

何カチでどれくらいの粗さになるか覚えておくと便利です。
まずは特に使用頻度が高い、中細挽き~中挽きは7~9カチであることさえ抑えておけばいいと思います。

下記、ハリオの【セラミックスリムMSS-1TB】の挽き目のざっくり目安です。
細挽き   4~5カチ
中細挽き  7~8カチ
中挽き   8~9カチ
中粗挽き  11カチ

※ちなみにほとんどの手挽きミルはエスプレッソ用の極細挽きができません。

飲んでみて、次は少し細かく挽こうなどと挽き目を微調整していくのもミルを挽く楽しさでもあります。

まず挽いてみないとどれくらいの細かさかわからないので、実際に豆を少し挽いてみて確認しましょう。

② 挽き目を調節する
ミルの使い方3 挽き目を調節
次は挽き目の調節を調整します。
① で細かったら→ネジを時計回りに
① で粗かったら→ネジを反時計回りに
にします。

③ 淹れて飲んでみて最終チェック
ミルの使い方4 挽き目の確認
最後は実際に淹れて飲んで最終確認していきましょう。
上の粗さで7カチ=中細挽きです。狙っていた挽き目になりました。

もし飲んでみてもう少しあっさりさせたい場合は8~9カチくらいで調節していきましょう。

④ 手入れは水洗い
ミルの使い方5 洗って乾燥

ハンドミルの構造はとてもシンプルなので、掃除も簡単です。
セラミック刃なら水洗い可能なのでサッと洗い、水分が付いた状態で挽くと酸化の原因になるので、しっかり乾かしましょう。
この時、パーツを無くしてしまわぬように要注意です。

コーヒー豆を挽く時の3つのポイント

コーヒー豆を挽く時には3つポイントがあります。

① 淹れる道具にあった挽き方で挽く
コーヒーの淹れ方によってお湯が触れる時間が異なるため、淹れる器具に合った挽き目を選ぶことで、おいしい味を引き出すことができます。

② 飲む分を飲む直前に挽く
コーヒー豆は粉にすると一気に酸化が進み、風味が落ちるからです。1番おいしい状態で飲むためにも、できるだけ飲む量を飲む直前に挽いて淹れるようにしましょう。

③ 粉砕は均一になるようにする
粉を均一にすることで、味のムラを防ぐことができるからです。
手挽きミルで挽く時は、一定の速度で回すようにすると粉の大きさが均一になりやすいです。

豆を挽く時はこの3つのポイントを抑え、よりおいしいコーヒーを淹れましょう!

毎日飲む方には電動ミルがおすすめですが、週末だけコーヒーを楽しみたい方などにはハンドミルで挽いたコーヒーを楽しんでもらいたいなと思います。
本音を言うと、豆を挽くのはちょっと手間がかかりますが、コーヒーを心から楽しみたいと思うなら、筆者はハンドミルを絶対おすすめします!
それは、まずは豆から挽くおいしさと楽しさを実体験できるからです。

形から入るタイプの方は別として、いきなり高額な道具を揃えるのって結構しんどいと思います。だから、まずは安い手挽きのミル(電動でももちろんOKですよ!)で構わないので、あのコーヒーをゴリゴリ挽いた瞬間から立ち上る、幸せな香りのベールに包まれる体験を是非ともして頂きたいなと思います!

【比較】粉よりミルの方が香り・味が良い

実際にミルで挽きたての粉と、元々粉で買ったものを比較してみました。

やはり粉で購入したものよりも、ミルで豆から挽いて淹れた方が香りの強く、全然違いました
飲む前の香りはもちろんのこと、飲んでから鼻に抜ける香りもミルの方が強いのには、ただ単に香りが良いってわけじゃなく、香りの強さが証明されているようで驚きました!
また、ミルで挽いた方が酸化を最小限に抑えられているからか(香りが強いっていうのもあると思う)、味もしっかりとしたように感じました。

本来のコーヒーのおいしさを楽しむためにはミルは欠かせないなということを改めて実感しました。

5 筆者おすすめ、手動・電動ミル3選

ここでは筆者おすすめのミルを3つご紹介します。

【初心者向け、とってもシンプルな電動ミル】

Kalita 電動コーヒーミル CM-50 (ブラック)
価格:¥2,000(税込)
(2020年7月3日時点のAmazon価格)

Kalita 電動コーヒーミル CM-50 (ブラック)

出典:Amazon

新島
新島
まず様子見でミルを買ってみたいという方におすすめです。
シンプルな構造で手軽に、中挽きで約15秒ほどの短時間でコーヒー豆を挽くことができます。
若干挽きムラができやすいですが、ゆっくりコーヒーを挽く時間が取れない…!という人には持って来いです。時間・価格・使いやすさ・掃除のしやすさなど、総合的におすすめの1台です。

【ミルを持っていないなら、まず買ってほしい1つ】

HARIOハリオ コーヒーミル セラミック スリム MSS-1TB
価格:¥2,118(税込)
(2020年7月3日時点のAmazon価格)

HARIOハリオ コーヒーミル セラミック スリム MSS-1TB

出典:Amazon

新島
新島

日本で1番売れているコーヒーミル、一家に1台あってもいいと言えます。
なんといっても価格が安いのが嬉しく、家コーヒーを豆から挽き、コーヒーを淹れる過程から楽しみたいと考えている人におすすめのミルです。また、水洗いが可能なのでお手入れもすごく簡単です。
もし、電動ミルを買ってお家での出番が少なくなったとしても、コンパクトなので邪魔にならないし、キャンプなどの旅先にも携帯しやすいです。

【本格的なコーヒーをお家で楽しみたい方に】

Kalita ナイスカットミル
価格:¥51,800(税込)
(2020年7月3日時点のAmazon価格)

Kalita ナイスカットミル

出典:Amazon

新島
新島

コーヒーを毎日飲む、コーヒー好きな人に是非おすすめしたい電動ミルです。
なんといっても粒が均一に挽けるのが最大の魅力で、均一に挽くことでコーヒーの味が安定します。
また、粒度の調整が細かくできるので、色んな飲み方や味の探究をするのにピッタリです。

まとめ

コーヒーの挽き方についておさらいです。
・コーヒー豆は細かく挽けば挽くほど濃くなる
→だからといって「濃いコーヒーが飲みたい」時、細く挽けばいいわけではない
・お湯とコーヒーが触れる時間が長いほど、味はたくさん出る
→その分、雑味などの出したくない味も出やすい
・コーヒーの挽き方はコーヒーを淹れる器具でほぼ決まっている
 ペーパードリップ・コーヒーメーカーなら 中挽き~中細挽き
 フレンチプレスなら 粗挽き
 エスプレッソなら 極細挽き

以上より、まずは基本の挽き目をマスターしてから、微調整することで理想の味に近づけることができます。

また、ミルでコーヒー豆から挽くことをおすすめします。
それは、酸化を最小限に防ぎ、より香りの高いコーヒーを楽しむことができるからです。
自分の生活スタイルに合ったミルで、自分好みにカスタマイズしていく楽しさや、発見をしてもらえればと思います。

今日から、お店で挽く時にスマートに注文でき、自宅で挽く場合は、淹れる器具や理想の味に合わせてコーヒー豆を挽けるでしょう!心の温度があがるようなおいしく、楽しいコーヒータイムを過ごしていただけたら嬉しいです。

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