賞味期限切れココナッツオイルは食べない!国やメーカーの情報を検証

ココナッツと皿

一時期、テレビやインターネットで大流行したココナッツオイル。
流行りに乗って購入したはいいものの、なかなか使い所を見いだせず、戸棚の奥にしまったままになっていて……。

気付けばすっかり賞味期限が切れていた。
これ、食べても大丈夫かな?

きっと、あなたはそうした経緯でこのページに辿り着いたのではないでしょうか。

おそらく、あなたが求めている答えは「賞味期限が切れたココナッツオイルでも、問題なく食べられます!」というものでしょう。
未開栓や、ほとんど食べずに忘れていたココナッツオイルをそのまま捨てるのは、ちょっともったいないですもんね。

でも、わざわざこうしてインターネットで調べたということは、「できれば食べたいけど、本当に賞味期限切れのものを食べても大丈夫かな?」という一抹の不安があったからではないでしょうか?

実際のところ、ネット上にはこうした無責任な情報がたくさん存在しています。

「ココナッツオイルは腐りにくい食品だから、賞味期限が切れても食べられます!」
「賞味期限が切れたココナッツオイルを食べましたが、何も問題ありませんでした」

でも、そうした情報は、あくまで個人の意見でしかありません。
決して、メーカーや販売元などの公的な存在が「ココナッツオイルは賞味期限が切れても食べられます」と保証しているわけではないのです。

今回は、賞味期限切れのココナッツオイルはなぜ食べないほうがいいのか、その理由を解説します。
国やメーカーなど、信頼のおける機関が発表した情報をもとに解説していますので、正しい知識を得ることができますよ。

賞味期限切れのココナッツオイルを、マッサージや手作り石鹸に活用する危険性についても述べていますので、食用以外の活用方法をご検討中の方も、ぜひ最後までご覧ください。

ココナッツオイルの賞味期限について深く理解し、食の安全を確保するために、この記事がお役に立ちましたら幸いです。

1.賞味期限切れココナッツオイルは食べないほうがいい!そう断言できる3つの理由

ココナッツをスプーンですくっている

なぜ、賞味期限切れのココナッツオイルは食べないほうがいいのか。
さまざまなメーカーや公共機関の情報を徹底的に調べた結果、3つの理由が明らかになりました。

  1. どのメーカーも「賞味期限切れココナッツオイルを食べてもいい」とはいっていない
  2. 国が指定する「賞味期限を設定しなくてもいい加工食品」に、ココナッツオイルは含まれない
  3. 劣化した油を食べると、下痢や嘔吐などの健康被害が生じる恐れがある

いずれも、国やメーカーなどの公的な機関の情報をもとにしたものばかりです。
何の根拠もなく、個人の意見で「食べないほうがいい」と断定しているわけではありません。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1-1.「賞味期限切れココナッツオイルを食べてもいい」と言及しているメーカーはいない

ココナッツオイルやココナッツ果肉

ココナッツオイルのことをもっとも良く理解しているのは誰でしょうか?
それは、ココナッツオイルを製造・販売している「メーカー」です。

そのメーカーのなかに、一社でも「賞味期限が切れたココナッツオイルを食べても大丈夫」と明言しているメーカーがいたでしょうか。

もちろん、答えはNOです。

そもそも、賞味期限は「食品の情報を把握している製造業者等が科学的、合理的根拠をもって適正に設定」するもの、と農林水産省・厚生労働省が明示していますから、これを無視してもいいという合理的根拠は何ひとつとしてないのです。

実際に、ココナッツオイルの賞味期限について、公式ホームページ上で言及しているメーカーの文章を見てみましょう。

賞味期限について言及しているココナッツオイルメーカーの文章(一部)

開封後は1~2ヵ月を目安にご使用ください。
日清ココナッツオイル|アマニ油/マカダミアナッツオイル/ココナッツオイル|食用油|家庭用商品|商品情報|植物のチカラ 日清オイリオ

ココナッツオイルは劣化しにくいオイルですが、開封後は清潔にお使いいただき2~3ケ月以内を目処にご使用ください。
リキッドココナッツオイル|PANDASHOP【WWFの通販】

どのメーカーも、開封後は早めに消費することを推奨しており、一社として「賞味期限が切れていても問題有りません」とは書いていません。

そもそも、賞味期限切れでも問題なく食べられるのであれば、ココナッツオイルに賞味期限を設定する必要はありませんよね。

1-2.ココナッツオイルは「品質の劣化が極めて少ない」と国に認定されているわけではない

実は、賞味期限の表示がない加工食品があることをご存知でしたか?

それらの加工食品は、国によって「品質の劣化が極めて少ないもの」として認定されています。
そのため、消費・賞味期限を表示する義務を免除されているのです。

消費者庁のホームページには、下記の食品が「品質の劣化が極めて少ないもの」として明記されています。

品質の劣化が極めて少ないものとして加工食品品質表示基準別表3に掲げる食品

でん粉、チューインガム、冷菓、砂糖、アイスクリーム類、食塩、うまみ調味料、飲料水及び清涼飲料水(ガラス瓶入りのもの(紙栓をつけたものを除く。)又はポリエチレン製容器入りのものに限る。)、氷

このなかに、ココナッツオイルは含まれていません。

つまり、ココナッツオイルは国によって「品質の劣化が極めて少ないもの」とは認定されておらず、必ず賞味期限を定め、適切な期限内で消費することが推奨されているのです。

1-3.劣化した油を食べると、嘔吐や下痢などの症状が生じる恐れも

一般社団法人・日本植物油協会のホームページには、劣化した油を食べる危険性が明示されています。

劣化した油による健康上の害については動物実験によって各種の内臓器官の機能低下などの結果が報告されています。したがって仮に人間が食べた場合には、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が生じると推測されますが、動物実験に用いられた油は、とても人間が食べようとは思いつかないほどに劣化した油です。

「とても人間が食べようとは思いつかないほどに劣化した油」と書かれていますが、色やにおいをよく確認しないまま調理に用いた場合、嘔吐や下痢、腹痛などの症状が生じる恐れがあります。

いずれにせよ、劣化した油の危険性は動物実験によって証明されているわけですから、賞味期限切れのココナッツオイルは食べないに越したことがない、と断言できます。

2.未開栓や冷蔵庫保存であっても、賞味期限が切れたら食べない

冷蔵庫の中からレモンを出そうとしている女性

「賞味期限が切れていたとしても、未開栓だったら大丈夫なんじゃない?」
「冷蔵庫で保存しているんだから、常温保存よりは日持ちするよね?」

結論から申し上げますと、そうした考えは大きな誤りです。
賞味期限とは「未開栓かつ適切な環境で保存された場合に保証される期限」であり、未開栓や冷蔵庫保存だからといって変動するものではないためです。

よって、未開栓や冷蔵庫保存であっても、賞味期限が切れたココナッツオイルを食べることはオススメできません。

その理由について詳しく紹介していきます。

2-1.未開栓のココナッツオイルでも劣化するので食べない

ココナッツオイルやココナッツの果肉

あらためて、「賞味期限」の定義を確認してみましょう。
消費者庁のホームページには、下記のように記載されています。

「賞味期限」とは、定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日のことです。
(中略)
なお、これらの期限は、容器包装を開封する前の状態で保存した場合の期限を示すものです。

つまり、「賞味期限は、未開栓の状態を前提として定められた期限」であり、「未開栓だから、賞味期限が切れていても問題ない」と言い換えることはできないのです。

とはいえ、上記ホームページにはこうも記されています。

“ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあります。このため、「賞味期限」を過ぎた食品であっても、必ずしもすぐに食べられなくなるわけではありませんので、それぞれの食品が食べられるかどうかについては、消費者が個別に判断する必要があります。”

この、「すぐに食べられなくなるわけではありません」の「すぐに」がどの程度なのかが肝ですが、残念ながら、明確に定められてはいません。
結局のところ、最終的な判断は消費者自身に委ねられた形になります。

ただし、未開栓であっても劣化から免れることはできませんので、賞味期限が切れたココナッツオイルは未開栓でも食べないことをオススメします。

2-2.冷蔵庫保存のココナッツオイルでもカビや劣化があるので食べない

冷蔵庫で保存していた場合でも、賞味期限が切れたココナッツオイルは食べないようにしましょう。

そもそも、開封済みであれば、冷蔵庫保存かどうかに限らず、なるべく早く消費する必要があります。
1章でもご紹介したとおり、「なるべく早く」の期間はメーカーによってさまざまですが、いずれも「賞味期限に関わらず」という前提がありますので、賞味期限が切れたココナッツオイルは食べるべきではありません。

カビの繁殖にも注意が必要です。
「冷蔵庫内は涼しいからカビを抑制できる」と思われがちですが、決してそういうわけではありません。
カビは低温に強く、5℃ぐらいから活動を開始するのです。

ココナッツオイルを使う際に清潔なスプーンを使っていたとしても油断はできません。
冷蔵庫から出し入れすることにより、外気との気温差で保存容器に結露が生じ、そこからカビが繁殖する可能性が考えられます。

また、ココナッツオイル自体も無菌とはいえません。
財団法人食品分析開発センターSUNATECのホームページによると、ミネラルウォーターや冷凍食品にさえ~100個ものカビが潜んでいることが分かっています。

当然、ココナッツオイルにもカビが潜んでいると考えられますから、たとえ冷蔵庫で保存していたとしても、賞味期限切れのココナッツオイルは食べないようにしましょう。

3.ココナッツオイルの平均的な賞味期限は2年

様々な瓶に入ったココナッツオイル

ココナッツオイルの平均的な賞味期限は、製造後2年程度です。
ただし、未開栓かつ適切な環境下で保存した場合の期限ですので、その点はご注意ください。

▼公式サイトに、ココナッツオイルの賞味期限を「製造後2年」と明記している製造・販売元

日清オイリオグループ株式会社の製品は1.5年と、少し短くなっています。

なお、ココナッツオイルに適した保存環境は、「高温多湿・直射日光を避け、涼しいところ(または常温)で保存」となります。
必ずしも冷蔵庫に入れなければならないわけではありません。

ココナッツオイルは20℃ほどで白く凝固しますから、液体状のまま使いたい場合は、涼しいところや常温で保存するといいですね。

4.賞味期限が切れたココナッツオイルは、マッサージ利用や手作り石鹸も控えて

オイルを肌に塗っている女性

インターネット上の記事では、こんな情報をよく見かけます。

「賞味期限が切れたココナッツオイルは、マッサージに利用しましょう」
「余ったココナッツオイルは、手作り石鹸で活用しましょう」

しかし、マッサージも手作り石鹸も直接肌に触れるものですから、賞味期限切れのココナッツオイルを利用するのはオススメしません。
マッサージや手作り石鹸での活用を勧める記事には明確なソースがなく、あくまで個人の意見であることを忘れないようにしましょう。

「でも、賞味期限が切れたからといって、ココナッツオイルをそのまま捨てるのはもったいないし……」

そんな方には、手作りキャンドルでの活用をオススメします。
キャンドルであれば、直接肌に触れたり口に入れたりすることがありませんから、賞味期限が多少切れていても問題ありません。

ただし、あきらかに変色していたり、臭いが変わっていたり、カビが生えたりしている場合は、潔く廃棄するようにしましょう。
たとえ直接肌に触れないキャンドルであっても、あきらかな劣化が見られるココナッツオイルを利用することは、健康への害がないとも言い切れません。

賞味期限内のココナッツオイルをマッサージや手作り石鹸で利用する場合

賞味期限内のココナッツオイルであれば、マッサージや手作り石鹸に利用することも可能です。
ただし、メーカーが推奨している「開栓後の保存期間」を過ぎているココナッツオイルや、保存環境が悪く劣化が見られるココナッツオイルは利用しないでください。

5.ココナッツオイルを排水口に流すのは絶対に駄目!賞味期限が切れた場合の正しい捨て方

ココナッツの果肉、半分に割ったココナッツ

あきらかに劣化しており、ココナッツオイルを捨てるしかないとなった場合、どのように捨てればいいのでしょうか。

賞味期限切れのココナッツオイルを捨てる際、絶対にしてはいけないのが、ココナッツオイルをそのまま排水溝に流すことです。

ココナッツオイルは、25℃前後を境に固まり始め、20℃前後で固形になります。
そのため、排水口に流したときには液体であっても、途中で温度が下がり、排水管の中で固まってしまう恐れがあります。

排水管の中で固まったココナッツオイルは、詰まりや悪臭の原因になったり、カビの温床になってしまいます。
もちろん、油をそのまま下水に流すことは環境にもよくありません。

ココナッツオイルの捨て方は、ココナッツオイルの状態によって変わります。
具体的には下記のとおりです。

ココナッツオイルを捨てる方法

  • 固形の場合、二重にした袋に入れて捨てる

  • 液体状の場合、新聞紙やキッチンペーパーなどに吸わせて捨てる

  • 液体状の場合、市販の油凝固剤を使って捨てる

  • 液体状の場合、古くなった小麦粉を同量入れて捨てる

 

自治体や商業施設のなかには、古くなった油を回収してくれる場合もあります。
油の回収を行っているかどうかや、ココナッツオイルも回収の対象になるかどうかは、お住まいの自治体や、近くの商業施設に直接問い合わせてみてください。

6.まとめ

今回は、賞味期限切れのココナッツオイルを食べてもいいかどうかについておまとめしました。

改めて、内容をおさらいしてみましょう。

  • 賞味期限切れのココナッツオイルは、未開封や冷蔵庫保存に関わらず食べないほうがいい
  • ココナッツオイルの平均的な賞味期限は、製造後2年程度
  • 賞味期限切れのココナッツオイルは、マッサージや手作り石鹸での利用も控えて
  • どうしても賞味期限切れココナッツオイルを活用したい場合は手作りキャンドルがオススメ
  • 賞味期限切れのココナッツオイルを捨てる場合、排水口に流すのは絶対に駄目!

賞味期限切れのココナッツオイルを食べるのはオススメできないこと、およびその明確な理由がよくお分かりいただけたかと思います。

賞味期限切れとはいえ、残ったココナッツオイルを捨てるのはもったいない。
そう思うお気持ちも分かりますが、大切な体を守るため、賞味期限切れのココナッツオイルは食べないようにしましょう。