「子どもが朝起きれなくて、遅刻や欠席する日が増えてきた。この状態はいつまで続くのだろう…」
「子どもが朝起きられるようになるには、どうすればいいのだろう…」
忙しい朝に何度も子どもを起こしてイライラしたり、「起きれないのはうちの子だけ?」と不安になったりするのは、本当に嫌ですよね。
ですが、ご安心ください。朝起きれない子どもは、あなたのお子さんだけではありません。
「まなびの手帳」が2023年に行ったアンケートによると、平日の朝、自分で起きられる子は25%、起きられない子は74%との結果が出ています。
※調査地域:全国,調査対象:小・中・高校生の子どもを持つ保護者,有効回答数:420名 |
参考:まなびの手帳「お子さまは平日の朝、ひとりで起きられますか?|リアルアンケート」より筆者作成
このアンケートから、朝スムーズに起きられる子どもは少数派であることがお分かりいただけるかと思います。
しかし、なかには、「子どもが朝起きれないのは、病気なのかも…」と心配になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
お察しのとおり、子どもが朝起きれない原因の1つとして、病気であることも考えられますが、「朝起きれない=病気」ではないので注意が必要です。
子どもが朝起きれない原因は、主に以下の4つが考えられます。
子どもが朝起きれない原因4つ |
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朝起きれないのは、「ただの甘え」や「だらしなさ」ではなく、上記のように何らかの原因があるのです。
しかし、その原因は本人も気づいていないことが多く、「原因が分からない→原因に対処できない→朝起きれない」状態になっています。
だからこそ、親が原因を見極めて、適切に対処してあげることが必要になります。
ついやりがちな、「無理やり起こす」「起きれないことを怒る」などは、状態を悪化させるだけなので気をつけましょう。
この記事では、子どもが朝起きれない主な原因と、それぞれに対する効果的な対処法について詳しく解説します。
この記事で分かること |
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最後までお読みいただくと、朝起きれない子どもに対する理解が深まり、どのように接すればいいかが分かるようになっています。
朝起きれない状態が続くのは、親はもちろん、子ども本人にとってもつらいことです。
一日でも早く穏やかな朝を向かるためにも、この記事をご参考にしていただき、子どもが朝起きれない状態の改善と、お悩みの解消に役立てていただければと思います。
目次
1. 子どもが朝起きれないのは甘えじゃない!心当たりがなければ今すぐ対処して
冒頭でも触れましたが、子どもが朝起きれないのは、ただの甘えではありません。
起きられない原因に心当たりがなければ、原因を見つけて、今すぐ親が行動を起こす必要があります。
なぜなら、朝起きれない状態が続くと、不登校や引きこもりにつながりかねないからです。
実際に、文部科学省の調査によると、「最初に行きづらいと感じ始めたきっかけ」として、朝起きれないなどの「生活リズムの乱れ」と回答した人が小学生は25.7%、中学生は25.5%もいました(複数回答可)。
生活リズムの乱れといっても、下記に該当するような「一時的なもの」であれば、生活習慣の改善で朝起きられるようになるでしょう。
一時的な生活リズムの乱れ(一例) |
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しかし、「朝起きれない状態になる心当たりがない」、「起きれない日が続いて学校生活に支障が出ている」なら、医療機関の受診をおすすめします。
朝起きれない原因については次章で解説しますが、原因を把握するのが難しかったり、複数の原因が関係したりしていることもあるからです。
「朝起きなくて困るのは本人だから」と放置せず、状態を悪化させないためにも、早めに対処することが重要になります。
2. 子どもが朝起きれない主な原因は4つ
子どもが朝起きれない原因として考えられるのは、主に以下の4つです。
子どもが朝起きれない原因4つ |
1.ストレス |
ただし、なかには、ストレスによって睡眠不足や栄養不足が引き起こされているなど、さまざまな原因が絡み合っていることもあります。
だからこそ、朝起きれない原因を親がきちんと見極めてあげることが大切なのです。
この章では、それぞれについて詳しく解説するとともに、簡易チェックをご用意しました。
お子さんの起きられない原因を知るためにも、チェックしながら読み進めてください。
ストレス
真っ先に考えられる原因は「ストレス」です。
ストレスが続くと、自律神経の働きが悪くなり、朝起きれないことにつながってしまうからです。
特に思春期の子どもは、下記のようなストレスを抱えやすいです。
思春期の子どもが抱えやすいストレス(一例) |
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「テストで良い点数を取らなければ」「部活で活躍するために、もっと練習しなければ」というまじめで頑張り屋の子どもが大きなストレスを抱えていることもあります。
しかし、残念ながら、自分の悩みやストレスについて、積極的に親に相談する子どもは、あまり多くありません。
そのため、親が子どもの様子を「普段と違うところがないか」と観察し、ストレスのサインを早めにキャッチすることが大切です。
ストレスのサインとなりやすい症状や状態の一例を以下のチェックリストにまとめました。
お子さんの様子を観察する際に確認してみてください。
チェック項目 | 気になる症状・状態(一例) |
睡眠 | ☐遅くまで夜更かししている ☐睡眠のリズムが崩れている ☐「眠れない」という ☐寝すぎている |
食欲 | ☐食欲がない ☐食べる量が減った/食べる量が増えた ☐特にパンやご飯、お菓子などの炭水化物を欲しがる ☐急にやせた/急に太った ☐体重をとても気にしている |
体調 | ☐体がだるそう ☐疲れている ☐元気がない ☐顔色が悪い ☐腹痛や頭痛、めまい、吐き気などを訴えている |
行動 | ☐学校に行きたがらない ☐外出したがらない ☐無口になった ☐挨拶をしなくなった ☐何もせず、長い間ぼんやりしている ☐身だしなみへの興味・関心が薄れた ☐表情が変わらず、感情面での反応が少なくなった |
参考:厚生労働省「こころのSOSサインに気づく – 子どものメンタルヘルス」より筆者作成
上記はあくまで一例です。大切なのは、普段の子どもと違う部分はないかをチェックすることです。普段と違う様子が続いたら、何かストレスがあると考えられます。
睡眠不足
次に、朝起きれない原因として考えられるのが、睡眠不足です。
しっかり寝ているつもりでも、「実は睡眠時間がそもそも足りていない」ということもあります。
厚生労働省が推奨する子どもの睡眠時間と、お子さんの睡眠時間を比較してみましょう。
小学生 | 9~12時間 |
中学生・高校生 | 8~10時間 |
参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」,P15,より筆者作成
必要な睡眠時間は一人ひとり異なるため、上記の時間はあくまで目安です。
睡眠不足かどうかは、以下の点をチェックして確認しましょう。
睡眠不足の簡易チェック |
☐睡眠時間が7時間以下である ☐居眠りをする ☐日中によくあくびをする ☐疲れやすい ☐食欲が低下している ☐イライラや不安感など、情緒が不安定である ☐元気がない ☐集中力がなく多動になる |
ただし、「最近引っ越した」「模様替えをした」などのタイミングで朝起きられなくなった場合は、睡眠環境が影響している可能性があります。
栄養不足
子どもが朝起きれない原因として、栄養不足も考えられます。
栄養不足だと、睡眠ホルモンであるメラトニンが合成されないからです。
メラトニンを合成するには、タンパク質やビタミンB群、ナイアシン、鉄などの栄養素が必要です。
しかし、手軽においしく食べられるものは、炭水化物や糖質が多いため、お腹いっぱい食べていても、身体や睡眠に必要な栄養素が不足していることがあります。
栄養不足が考えられる方は、以下のチェックで確認してみましょう。
栄養不足の簡易チェック |
☐朝食を食べないことが多い ☐3食をきちんと食べていない ☐好き嫌いが多く、偏食がある ☐お菓子やジュースを食事の代わりにすることがある ☐給食を残すことが多い ☐外食や買い食いが多い ☐ファストフードやカップ麺をよく食べる |
病気・障がい
最後に、病気や障がいによって、朝起きれなくなっているケースもあります。
具体的には、以下のような病気・障がいです。
名称 | 概要 |
起立性調節障害 | 思春期に発症しやすい自律神経のバランスが崩れることで、朝起きられなくなる病気。 |
睡眠障害 | 睡眠に何らかの問題があり、生活習慣だけで改善できない状態を指す。 |
神経発達症(発達障害) | 生まれつき脳機能の発達に偏りがあり、日常生活で困りごとが生じる障害。 |
鉄欠乏性貧血 | 体内の鉄分が不足することで貧血症状を引き起こす病気。 |
子どもの脳脊髄液減少症 | 脳のまわりにある脳脊髄液が減少することで、立ったときに頭痛やめまいなどの症状が出る病気。 |
小児慢性疲労症候群 | 3ヶ月以上持続する疲労や倦怠感に悩まされる病気。 |
病気や障がいの可能性がある場合は、早めに医療にかかることが大切です。
こちらに該当する人は、「4. 少しでも『病気・障がい』の疑いがあるなら自己判断せず診断を受けよう」へお進みいただき、医療へのかかり方を参考にしてください。
午後になると元気なら「起立性調節障害」の可能性あり |
「朝起きれないのに、午後になると元気」なら、「起立性調節障害」の可能性があります。 起立性調節障害は症状が軽症から重症まであり、症状の出方が人によって大きく異なります。 一見、甘えのように症状が見えるため、見極めが難しく、注意が必要です。 下記のチェックリストのうち、3つ以上当てはまる場合は、起立性調節障害の可能性があります。 ☐立ちくらみ、あるいはめまいを起こしやすい 起立性調節障害は見極めが難しく、自己判断によって適切な対処が行えないと、症状が悪化する恐れがあります。早めに病院を受診しましょう。 参考:田中大介,『起立性調節障害 症状と治療』,徳間書店,2024年,P2より筆者作成 |
3. 【原因別】子どもが朝起きれないときの対処法
朝起きれない子どもを起こすには、朝起きれない原因に応じて適切にアプローチする必要があります。
ここでは、家庭でできる次の3つが原因の場合の対処法をご紹介します。
原因 | 対処法 |
ストレス | 寄り添って話を聞く |
睡眠不足 | 生活習慣を改善する |
栄養不足 | 一日の食事の栄養バランスを意識する |
それぞれ「具体的に何をすればいいのか」を分かりやすく解説していきます。
「ストレス」のときは、「寄り添って話を聞く」ことを心がけよう
朝起きれない原因がストレスの場合は、「寄り添って話を聞く」ことを心がけましょう。
つい「どうしたの?」「何があったの?」と聞きたくなりますが、無理に聞き出そうとすると逆効果になることがほとんどだからです。
まずは親であるあなたが落ち着いて、子どもに対して「大丈夫だよ」と安心させてあげましょう。
子どもの心に安心感が生まれると、心が開きやすくなります。
何より、子どもに信頼されていなければ、この先の対処法を考えることはできません。
子どもが話しやすい雰囲気を作り、話しやすい声かけを行うことが大切です。
具体的な声かけの例 |
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参考:厚生労働省「話を聞くときのポイント|子どものこころと向きあう」
子どもが話し始めたら、子どもに寄り添い、聞き役に徹します。
「そうか。〇〇なんだね」と子どもの言葉を繰り返したり、優しく頷いたりして、「話してくれて嬉しい。ありがとう」という姿勢を見せましょう。
無理に聞き出そうとしたり、下記のような対応をしたりすると、親子関係にヒビが入る恐れがあります。
子どもが話しているときにやってはいけないこと |
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子どもが話してくれない場合は、「いつでも話を聞くからね」と伝え、話してくれるのを待ちましょう。
「睡眠不足」のときは生活習慣の改善を目指そう
睡眠不足の場合は、生活習慣の改善を目指しましょう。
朝起きるためには、夜に良質な睡眠をとることが大事だからです。
生活リズムをつくるために改善すべきポイントを以下の表にまとめました。
お子さんのペースで少しずつできるところから取り組んでみてください。
朝 |
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昼 |
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夜 |
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参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」より筆者作成
睡眠不足の原因が睡眠環境の可能性がある場合は、以下の改善方法を試してみましょう。
改善ポイント | 具体的な方法 |
寝室は暗くする | ・寝室の照明を変える ・遮光カーテンに変える |
寝室を適温にする | ・エアコンを活用する |
静かな環境で寝られるように配慮する | ・子どもが就寝後の話し声に気をつける ・防音機能があるカーテンに変える ・寝床の位置をできるだけ窓から離す |
「栄養不足」のときは一日の食事の栄養バランスを意識しよう
栄養不足が原因と考えられるときは、一日の食事の栄養バランスを意識しましょう。
思春期の子どもの食事を親が完璧にコントロールすることは難しいからです。
朝起きれない子どもに不足しがちな栄養素は以下のとおりです
栄養素 | 食品例 |
鉄分 | ・赤身の肉や魚 ・あさり ・小松菜 ・木綿豆腐 |
タンパク質 | ・鶏むね肉 ・マグロ ・サーモン ・卵 ・豆腐 ・ギリシャヨーグルト |
ビタミン | ・青魚 ・卵黄 ・うなぎ ・人参 ・かぼちゃ ・バナナ |
ナイアシン | ・まいたけ ・たらこ ・かつお節 ・鶏むね肉 |
ビタミン | ・青魚 ・卵黄 ・うなぎ ・人参 ・かぼちゃ ・バナナ |
カルシウム | ・牛乳 ・ヨーグルト ・チーズ ・納豆 ・木綿豆腐 ・サバ缶 |
脂質 | ・ナッツ類 ・アボカド ・チーズ ・鯖 |
上記のうち、お子さんが食べていないものはないでしょうか。
健康な心身や良い睡眠を得るには、いろいろな種類の食品をバランスよく食べる必要があります。
外食や買い食いが多いお子さんの場合は、栄養バランスが整った朝食を食べたり、間食に栄養価が高い食品を取り入れたりするといいでしょう。
栄養バランスの良い朝食の例 | ||
主食・主菜 | ツナコーンサンドイッチ | 卵かけご飯 |
副菜 | 野菜スープ | ほうれん草の味噌汁 |
乳製品 | 牛乳 | ヨーグルト |
果物 | リンゴ半分 | キウイ半分 |
食生活を一気に変えるのは難しいですが、普段何気なく食べている間食をスナック菓子やチョコレートから以下に替えると、不足しやすい栄養素を補うことができます。
得られる栄養素 | 食品 |
鉄分 | ・レーズン ・ドライプルーン ・かぼちゃの種 |
カルシウム | ・ヨーグルト ・チーズ |
ビタミン | ・野菜スティック ・果物 ・ナッツ |
食物繊維 | ・干し芋 ・シリアル ・寒天 |
タンパク質 | ・サラダチキン ・プロテインバー ・カステラ |
日々の小さな選択が、子どもの健康な身体や良い睡眠を作ることにつながるので、少しずつ改善していくといいでしょう。
成長期の子どもは特に「鉄分不足」になりやすい! |
子どもが朝起きれないのは、鉄欠乏性貧血の可能性があります。 成長期は、「筋肉量や血液量が増加=多くの鉄分が必要」なので、鉄分不足になりやすいからです。 とはいえ、子どもは好き嫌い等で栄養が偏りやすい上に、大人より多くの鉄分を摂取する必要があるため、食事のみで必要量をまかなうのはかなり難しいです。 そのようなときに便利なのが、サプリメントです。 鉄分のサプリメントには色々な種類がありますが、特に子どもにおすすめなのは「フェリチン鉄」です。 ただし、他に服用している薬やサプリメントがある場合などは、過剰摂取になる場合があります。 |
4. 少しでも「病気・障がい」の疑いがあるなら自己判断せず診断を受けよう
「朝起きれないくらいで病院を受診してもいいのだろうか?」と疑問を持つ人もいらっしゃるかもしれません。
しかし、朝起きれないことが続き、学校生活に支障が出ているなら、一度病院を受診することをおすすめします。
なぜなら、自己判断で行った対処法が逆効果になったり、子どもを苦しめたりする可能性があるからです。
朝起きれないことは、病気と診断されない限り、家族や本人も「甘えている」「怠けている」と誤解しやすいものです。
朝起きれないことを責めたり、悩んだりしているうちに、症状がさらに悪化することもあります。
病院を受診し、病名が明らかになることで、「病気だから朝起きれない」「病気のせいで学校に行けない」と、親子で納得・安心できるでしょう。
もし、朝起きれない原因が病気ではないと診断されても、医師から「朝起きれられるようになる方法」を直接指導してもらえるのは、大きなメリットです。
そのため、「朝起きれないのは病気のせいかも?」と思ったら、下記のかかりつけの小児科や内科を受診しましょう。
どの病院に行くか迷ったらまずは小児科や内科へ |
まずは、近くの小児科や内科を受診し、必要に応じて、専門医へつないでもらうのがいいでしょう。 発達や睡眠状態に強い不安があるなら、「児童精神科」や「睡眠専門医」への受診を検討してもいいかもしれません。 しかし、児童精神科は専門医が少なく、初診まで何ヶ月も待つというのは、よく聞く話です。睡眠専門医はこちらから検索できますが、やはり数が少なく、エリアも限定されています。 「専門医に診てもらいたい」という人は、受診可能な専門医を探し、早めに連絡をとることをおすすめします。 なお、小児科の初診時の年齢は、病院によって異なります。「中学生まで」「高校生まで」「成人まで」と病院ごとに違うので、事前に初診対象年齢を調べておくと安心です。 もし初診の年齢に該当しなければ、内科を受診するようにしましょう。 |
5. 朝起きれない子どもにやってはいけないこと
朝起きれないことは、親にとっても、子どもにとっても大きなストレスです。
何度起こしても子どもが起きないと、イライラしますが、絶対にやってはいけないことが2つあります。
朝起きれない子どもにやってはいけないこと |
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この2つを行うと、状態が悪化しやすく、また親と子ども双方のメンタルにも悪影響を及ぼします。
なかには、「もうやってしまった…」という人もいるかもしれませんが、ご安心ください。
これからご説明する「やってはいけない理由」と「代わりにやるべきこと」が分かると、二度とやらなくなるはずだからです。
では、それぞれの理由を見ていきましょう。
無理やり起こす
1つめは、「無理やり起こす」ことです。
原因にかかわらず、「起きなければいけない」と無理することがストレスとなり、かえって自律神経機能が悪化する結果になりかねないからです。
睡眠不足が原因なら、一日中、とにかく眠く、体がだるいでしょう。
起きれない原因が病気や障がいの場合、全身や脳への血流が悪いため、ふらついたり、頭痛が起きたりします。
そのため、無理やり起こすのではなく、あらかじめ朝の起こし方について、親子で決めておくといいでしょう。
朝の起こし方で決めておくこと |
・起床時間 ・声をかけ始める時間 ・声をかける回数 ・目覚めない場合の声かけタイミング |
上記で起床できない場合は、声かけをしないと決めると、親にとっても忙しい朝に声をかけ続けるというストレスから解放されます。
起きれないことを叱る
2つめは、「起きれないことを叱る」です。
叱ることで、子どもは「叱られている」「嫌だ」という事実だけを受け取り、親子関係を損ねるだけで状態は改善されないからです。
特に、起立性調節障害や睡眠障害の子どもの場合、
・朝起きないけれど、昼は元気
・夜遅くまで起きてゲームをしている
・イベントのときは朝起きられる
のような症状があり、診断を受けていないと、つい叱りたくなってしまいます。
しかし、どのような原因であれ、朝起きれないことに対して、「みんなと同じようにどうして起きられないの?」「きちんとしなさい」と叱るのは、「あなたはダメな子ども」と言っているのと同じです。
叱ることで、子どもは「起きれない自分はダメ」と自己否定し、ストレスを抱えると、どうなるでしょうか。自律神経機能が乱れ、朝起きられなくなる状態が続いてしまうことが考えられます。
起きれないことを𠮟るのは、百害あって一利なしです。
叱るのではなく、「なぜ起きれないのか」を親子で話し合い、起きられるように行動することが大切です。
6. 親が自分自身を責める必要はない
子どもが朝起きれないと、親は「このままで大丈夫だろうか」「何かしてあげられることはないだろうか」と気をもみますよね。
ですが、親が自分を責める必要はありません。
親ができることは、子どもが明るい気持ちで前向きに過ごせるようにすることです。
親が子どものことをいくら心配しても、子どもの状態が良くなるわけでも、朝起きられるようになるわけでもないからです。
親が子どものことをいくら心配しても、子どもの状態が良くなるわけでも、朝起きられるようになるわけでもないからです。
親のイライラや不安感が、子どもに伝わるのは言うまでもありません。家の雰囲気が子どもにとって不要なストレスとなると、状態が悪化することもあります。
自分を責めてネガティブになるのではなく、親も自分の時間を大切にして、ポジティブな気持ちになれるように労りましょう。
7. まとめ
この記事では、朝起きれない子どもについて詳しく解説しました。
最後に記事の内容をおさらいしましょう。
子どもが朝起きれない原因は、主に以下の4つです。
子どもが朝起きれない原因4つ |
1.ストレス 2.睡眠不足 3.栄養不足 4.病気・障がい |
原因によって、取るべき対処法は異なります。
原因 | 対処法 |
ストレス | 寄り添って話を聞く |
睡眠不足 | 生活習慣を改善する |
栄養不足 | 一日の食事の栄養バランスを意識する |
病気・障がい | 小児科や内科を受診する |
朝起きれないことが続き、学校生活に支障が出ている場合は、自己判断で対処法を行わず、医療機関を受診しましょう。
朝起きれない子どもに対してやってはいけないことは、以下の2つです。
朝起きれない子どもにやってはいけないこと |
・無理やり起こす ・起きれないことを叱る |
子どもが朝起きれないことは、家族や子ども本人にとって大きなストレスになるものです。
朝起きられるようになるには、一人ひとり異なる原因をつかみ、根気よく適切なアプローチを続ける必要があります。この記事が解決の糸口となり、お子さんが朝起きれない状態を脱し、生き生きとした生活を取り戻せていただけたなら、これほど嬉しいことはありません。
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