「ココナッツオイルを髪に使う方法があるみたい。本当に効果はあるの?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
結論からお伝えすると、ココナッツオイルには髪のダメージを防ぐ効果があります。
上手に使えば、美容室帰りのような“サラサラ&ツヤツヤ”を自宅で作ることだって可能です。
ただし、ヘアケア専用に開発された商品ではないので使い方にコツが必要。
間違った使い方では、髪がベタベタになるだけで、肝心の効果が得られません。
この記事では、ココナッツオイルを使ったヘアケアについて、詳しく解説します。
- ココナッツオイルが髪のダメージを防いでくれる理由
- 効果を最大限に発揮できるヘアケア方法
- ヘアケアに最適なココナッツオイルの選び方
など、最後まで読んでいただければ、みんなが振り返るような美髪がココナッツオイルで作れますよ。さっそく続きをご覧ください。
目次
1.髪のダメージを防ぐココナッツオイルのメカニズム
ココナッツオイルには髪のダメージを防ぐ効果があります。「ふ〜ん、なんだか良さそう……」と思いますよね。
しかしそこで止まらずにもう1歩踏み込んで、「どんなメカニズムで髪に効いているのか?」を意識して使うことをおすすめします。
そうすれば、どんな風に使えばココナッツオイルが効果を発揮してくれるのか、わかるようになるからです。
さっそく、ココナッツオイルが髪のダメージを防ぐメカニズムを解説しましょう。
1-1.髪のタンパク質の損失を防ぐからダメージをケアできる
コスメ系の科学誌『JOURNAL OF COSMETIC SCIENCE』に2003年、「ココナッツオイルには髪のタンパク質の損失を防ぐ効果がある」という研究データが掲載されました。
「髪のタンパク質の損失を防ぐ」ということは、つまり髪のダメージケアができるということです。
髪の毛は「ケラチン」というタンパク質でできています。髪のタンパク質が損失する=髪がダメージを受けるということ。
髪が傷んでスカスカになったり、ちょっと引っ張っただけで切れてしまったり、枝毛になってボサボサになったりしたことはありませんか?
それらはまさに髪のタンパク質が損失している状態です。こうしたダメージヘアを防ぐ効果があるのが、ココナッツオイルなのです。
前述の研究では、ココナッツオイルが熱帯地域の発展途上国でヘアケアに使われており、健康で美しいロングヘアをキープする効果をもたらしていることに着目。
- ミネラルオイル(鉱物油)
- サンフラワーオイル(ヒマワリ油)
- ココナッツオイル
の3つのオイルを使い、各オイルのヘアケア効果を検証しています。
結果、ココナッツオイルは下記のどのパターンにおいても髪のタンパク質の損失を防ぐ唯一のオイルであることがわかったのです。
- シャンプー前の使用
- シャンプー後の使用
- ダメージのある髪への使用
- ダメージのない髪への使用
出典:Effect of mineral oil, sunflower oil, and coconut oil on prevention of hair damage.
1-1-1.他オイルとの違いは含有成分「ラウリン酸」
では、どうしてココナッツオイルだけが髪のタンパク質の損傷を防ぐ効果を持っているのでしょう。他のオイルとココナッツオイルでは、いったい何が違うのでしょうか。
前述の研究では「オイルの組成」に理由があることが示唆されています。
ココナッツオイルの主成分は「ラウリン酸」。ラウリン酸は髪のタンパク質に高い親和性があるのです。
「親和性」とは、ある物質と他の物質が容易に結び付きやすい性質のこと。ラウリン酸は分子が小さく、髪の内部まで入り込んでタンパク質に吸着します。
髪のタンパク質に吸着したラウリン酸が髪の毛を保護し、髪内部に水分や薬品が侵入するのを防いで、髪のタンパク質を守ってくれるのです。
2.実践!ココナッツオイルでサラつや髪を作る方法
「ココナッツオイルは髪のタンパク質の損失を防ぐ」という効果があることがわかりました。
このことから「ココナッツオイルは髪のタンパク質の損失が起きそうなタイミングで使う」のが効果的だとわかります。
この章では、ココナッツオイルを使ってヘアケアを行う実践方法をご紹介しましょう。
2-1.シャンプー前後のデイリーケア
普段の生活の中でタンパク質の損失が起きやすいタイミングが「シャンプー」です。
シャンプー剤を髪に付けて洗い流す際、汚れと一緒にタンパク質が流出しやすくなります。
さらにその後、ドライヤー熱の負担がかかるので、髪が傷むリスクがとても高いタイミングといえます。
そこで、シャンプー前とシャンプー後にココナッツオイルでケアをしましょう。
<目安量>
・ショートヘア:小さじ4分の1
・ミディアムヘア:小さじ2分の1
・ロングヘア:小さじ1
<使い方>
①手のひらにココナッツオイルを取り、両手のひらをこすり合わせるようにしてのばします。
②手のひらで髪全体を挟み込むようになじませます。
特にダメージが気になっている部分(毛先など)には、多めに重ね付けしてください。
シャンプー前に塗ったら、このままいつも通りシャンプーします。
「シャンプー前に塗ったら、汚れまで髪の中に入り込みそう…」と感じる人もいるかもしれません。
しかし心配は不要です。前述の通り、分子の小さなココナッツオイルだけが髪の内部へ吸着し、髪の毛を保護してくれます。
シャンプー後に使うときは、タオルドライをした後のタイミングで髪全体になじませます。
ドライヤーで乾かすと、サラサラ&ツヤツヤの美髪に仕上がります。
2-2.ヘアアイロン・コテ前の保護
ヘアアイロンやコテを使って髪の毛をセットしたいときは、使う直前に保護ケアとしてココナッツオイルを塗ってください。
ココナッツオイルのコーティングガードで、アイロンやコテによる熱ダメージを最小限に抑えることができます。
<目安量>
・ショートヘア:小さじ4分の1
・ミディアムヘア:小さじ2分の1
・ロングヘア:小さじ1
<使い方>
アイロンやコテを使う部分を中心に、手のひらで薄くのばすように付けてください。
2-3.パーマ・ヘアカラー前後のスペシャルケア
薬品を使ったパーマやヘアカラーは、髪のタンパク質の損失が一気に進みやすいタイミングです。
ボサボサのダメージヘアになるのを防ぐために、ココナッツオイルでスペシャルケアを行いましょう。
<目安量>
・ショートヘア:大さじ1
・ミディアムヘア:大さじ1.5
・ロングヘア:大さじ2
<使い方>
①たっぷりの量のココナッツオイルを手のひらに取り、髪の毛になじませていきます。髪の毛がオイルでしっとり濡れてツヤツヤにうるおう量までオイルを足してください。
②髪全体にココナッツオイルが行き渡ったら、髪の毛をラップで覆って15分以上置きます。温めるとココナッツオイルの浸透力がアップするので、そのまま湯船に浸かるのもおすすめです。
③15分以上経ったら、いつも通りシャンプーしてください。
パーマやヘアカラーを行う前日と行った後の3日間、このスペシャルケアを行うと効果的です。
2-4.余ったオイルは頭皮と爪にすり込む
ヘアケア商品の中には、シリコンなどのコーティング剤が多く含まれているものもありますから、
「頭皮に付かないように気を遣う……」
「指に付いて洗ってもなかなか落ちないのがイヤ」
と感じている人は多いのではないでしょうか。
ココナッツオイルは、頭皮や手肌にすり込んでOK。
ココナッツオイルはスキンケアにも使えるオイルですから、「肌に付かないように」なんて気遣いが不要なのも大きな魅力。
特におすすめなのが「頭皮」と「爪」への使用です。
2-4-1.頭皮をうるおす
頭皮の乾燥は、美しい髪の大敵です。頭皮はいわば、髪を育む土壌のようなもの。
カラカラの畑では農作物が枯れてしまうように、乾燥した頭皮では髪の毛もうまく育ちません。
そこで、ココナッツオイルを頭皮にも塗り込んで保湿しましょう。
使用量は少なめに、髪の毛に塗って余った分を頭皮になじませる程度でOKです。
2-4-2.爪を健やかに保つ
実は、私たちの「爪」も髪の毛と同じ「ケラチン」というタンパク質でできています。
髪の毛にココナッツオイルを塗った後の手は洗ってしまわずに、ぜひ爪を中心にココナッツオイルを擦り込んでください。
ジェルネイルをしている人は、爪の根元にしっかり塗り込んでおくと、健康な爪に保てます。
2-5.効果が感じられないときは量を増やす
「ココナッツオイルを髪に塗っても、イマイチ効果が感じられない…」
そんなときは、量が足りていない可能性が高いです。
この記事では目安量をご紹介していますが、髪の量やダメージの程度によって最適な量には個人差があります。
目安量の1.5倍→2倍→2.5倍…という具合に、少しずつ量を増やして様子を見てみてください。
それでも変化がない場合、使っているココナッツオイルの品質が低いのかもしれません。
次の章でご紹介するココナッツオイルの選び方を参考にしてください。
3.高品質ココナッツオイルの選び方4つの基準
市販品の中には、品質の良くないココナッツオイルも出回っています。
ヘアケアに最適な高品質のココナッツオイルを選ぶために、購入時には次の4つの基準をチェックしてください。
3-1.オーガニック認証マークはあるか
まず、国が認定するオーガニック認証マークがあることを確認しましょう。
- 有機JASマーク(日本)
- USDA ORGANIC(アメリカ)
- EU産有機農産物マーク(EU)
<例>
オーガニック認証を受けているココナッツオイルは、農薬や化学肥料が使用されておらず、しっかりとした管理のもとに製造されているため安心できます。
3-2.無精製・無加工か
人工的に精製や漂白、添加物の添加などが行われたココナッツオイルでは、オイルの組成が変わってしまいます。
ココナッツオイルの髪への効果を最大限に発揮させるためには「無精製・無加工」の表示があるものを選びましょう。
3-3.コールドプレス(低温圧搾)か
コールドプレスとは、ココナッツオイルを抽出する過程で熱を一切加えずに低温で圧搾する方法のことです。
熱を加えていない分ココナッツオイルの劣化が抑えられるのがメリットです。
「コールドプレス」「低温圧搾」などの表示のあるココナッツオイルを選んでください。
3-4.賞味期限は長いか
店頭で実物を確認できるのであれば、賞味期限をチェックしましょう。
1.5〜2年以上先の賞味期限が印字されているものが理想的です。
4.他のおすすめオイルとココナッツオイルの比較表
最後に、他のおすすめヘアオイルとココナッツオイルの比較表をご紹介します。
「ココナッツオイルが髪に良いことはわかったけれど、他にも髪におすすめのオイルがあれば知りたい」
という人は、ぜひ参考にしてくださいね。
「髪のダメージケア」を目的としているならココナッツオイルが最適ですが、仕上がりの感触は各オイルによって異なります。
オールマイティに使えるココナッツオイルを基本のヘアケアとして使い、その他に数種類のオイルを気分によって使い分けるのもおすすめです。
5.まとめ
ココナッツオイルは、髪のダメージを防ぐ効果が高いオイルです。
ぜひ「タンパク質の損失を防ぐ」という特性を最大限に発揮させる使い方を意識して使ってくださいね。
ココナッツオイルを選ぶときは、下記の基準をクリアした高品質なものを選びましょう。
- オーガニック認証マークはあるか
- 無精製・無漂白か
- コールドプレス(低温圧搾)か
- 賞味期限は長いか
何千円もする高級ヘア美容液を使わなくても、ココナッツオイルでサラサラ&つやつやの髪を作ることは可能です。
ぜひココナッツオイルで、ナチュラルかつ効果的なヘアケアにチャレンジしてみてください。
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