「栄養不足でランニングをしても大丈夫?」
「栄養不足でランニングをすると、体にどんなことが起きるの?」
この記事にたどり着いたあなたは、ダイエットや毎日の忙しさにより、朝食抜きや外食、偏食になってしまうことが多いのではありませんか?それでも趣味のランニングは続けたいので、体への影響が心配なのですよね。
結論からお伝えすると、ランニングは栄養不足の状態で行うべきではありません。
なぜなら、ランニングはカロリーや栄養素を多く消費するので、もし栄養不足の状態で行うと、次のようなリスクが生じる可能性が高くなるからです。
上記のようなリスクは、それぞれ特定の栄養素が不足することによって引き起こされます。
そのため、何の栄養素が不足するとランニング時に悪影響を及ぼすのかを、しっかり把握しておきましょう。
また、栄養素は基本的には普段の食事から摂取することが理想ですが、難しい場合は積極的にサプリメントを活用して、無理なく効率的に栄養不足を解消していくことがおすすめです。
ただ、せっかく頑張って栄養をとっていても、生活習慣が乱れていたりすると、栄養素が吸収されにくくなってしまうこともあります。
そこでこの記事では、ランニングを栄養不足で行うリスクや、摂取すべき栄養素から見直すべき生活習慣まで詳しく解説していきます。
▼この記事で分かること
◎栄養不足のままランニングをするのが危険な理由 ◎ランニングを快適に楽しむために必要な栄養素と摂取方法を解説 ◎快適なランニングのために栄養不足以外にも気をつけること |
最後までお読みになれば、ランニングを栄養不足の状態で行うべきではないことが理解でき、楽しくランニングを続けるために摂取すべき栄養素や摂取方法などが分かるでしょう。
ダイエットや多忙な日々で十分な栄養が摂れていないことに不安を抱えているあなたが、この記事を参考に必要な栄養素を効率よく摂取し、心から安心してランニングを楽しめるようになれば幸いです。
目次
1. 栄養不足の状態でランニングはNG|起こる4つのリスク
冒頭でもお伝えした通り、栄養不足でランニングをするべきではありません。
なぜなら、次の4つのリスクが高まり、ランニングを楽しむどころではなくなってしまうからです。
栄養不足でランニングをすると起こること4つ |
1.貧血になりやすくなる 2.怪我をしやすくなる 3.スタミナが持続しなくなる 4.疲労が溜まりやすく取れにくくなる |
ランニングは、走るためにカロリーや栄養素をたくさん消費するスポーツなので、栄養不足の状態で行うと上記のような症状が体に現れる可能性が高いです。
怪我をしやすくなったりスタミナが持続しないというように、ランニング自体の不調を感じることはもちろんですが、貧血や慢性疲労など日常生活にまで支障をきたす可能性も大いにあります。
特に、ランニングは、すればするほど体内の鉄分が不足しやすくなるという特徴があります。ランニングの衝撃により、赤血球が壊れやすく、鉄分の消費が一時的に激しくなるためです。
鉄分が不足している状態でランニングを続けると、鉄分不足が加速し、貧血症状の他にも
・イライラしやすくなる
・集中力が低下する
・髪の毛が抜けやすくなる
など、日常生活にも深刻な影響を及ぼすことにもつながりかねません。
そのため、自分は栄養不足かも?と感じている状態でランニングを行うのは避けましょう。
2. ランニングを快適に楽しむために必要な栄養素は4つ
先ほどの説明で、ランニングを栄養不足の状態で行うリスクについてお分かりになったかと思います。そこで気になるのは、「ランニングを快適に楽しむためには、どんな栄養を取ったら良いの?」ということですよね。
ランニングを快適に楽しむために必要な栄養素は、主に4つです。それぞれの主な働きと、不足すると起こることを表にまとめましたので、ご覧ください。
栄養素 | 主な働き | 不足すると |
鉄分 | ・「ヘモグロビン」の成分として全身に酸素を運ぶ ・筋肉内のエネルギー生産に関わる | ・貧血になりやすくなる ・スタミナが持続しなくなる |
タンパク質 | ・筋肉疲労を回復する | ・怪我をしやすくなる ・疲労がたまりやすく取れにくくなる |
糖質 | ・エネルギーを生成する | ・スタミナが持続しなくなる |
ビタミンB群 | ・代謝を促進する ・体の機能を修復する働きをサポートする | ・疲労がたまりやすく取れにくくなる |
表からもお分かりの通り、上記4つの栄養素は、不足すると「1.栄養不足でランニングをすると起こること4つ」で説明したようなリスクが起こります。そのため、ランニングに欠かせない栄養素だと言えるのです。
ただ、上記4つの栄養素は、どれか一つだけを摂取すれば良いというわけではありません。また、短期的に摂取したからといってランニングが劇的に快適になることもないのです。
4つの栄養素は、普段から継続してバランスよく摂取することが大切です。日頃から栄養バランスのとれた状態を維持することで、体の機能が円滑に働き、ランニングを快適に楽しむことができるでしょう。
3. 【糖質・タンパク質】毎日の食事から摂取がおすすめ
ここからは、それぞれの栄養素の効率的な摂取方法を解説していきます。
基本的には、食材から摂取できるものは食事を通して栄養を摂取していくのがおすすめです。
食事から摂取することで、結果としてさまざまな栄養素をバランスよく摂取することができるからです。
炭水化物とタンパク質は食事から摂取しやすい栄養素なので、毎日の食事から摂取するのがおすすめです。
それぞれのおすすめメニューや摂取目安量などを詳しく説明していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
糖質の摂取量と効率的な摂取方法
栄養不足にならずにランニングを楽しみたい場合、1日あたりの糖質の摂取目安量は、体重やトレーニング強度によって変わってきます。
具体的には、1日1時間以内の中強度のトレーニングなら体重1kg当たり5〜7g、1日1〜3時間の中・高強度なら体重1kg当たり7〜10gが推奨摂取量です(参考/JSPO日本スポーツ協会「アスリートの栄養摂取と食生活」)
例えば体重60kgで1日1〜3時間のランニングをするのであれば、糖質は1日420g〜600g摂取するようにしましょう。
糖質は、炭水化物に含まれる栄養素のため、ランニングをする場合は炭水化物を抜く食生活は避けましょう。
糖質が多く含まれる食品は以下の通りです。
食品 | 糖質量(100gあたり) |
白米(炊いたもの) | 37.1g |
食パン | 46.4g |
ゆでうどん | 21.6g |
じゃがいも(蒸したもの) | 18.1g |
(参考/文部科学省「食品成分データベース」)
糖質を摂取する際は、小まめに取り入れるようにしなければなりません。一度に摂取すると血糖値が上昇し、疲労感やだるさ、眠気などを引き起こす可能性があるからです。
また、毎日毎食しっかり自炊できないという場合も多いでしょう。
そこで、糖質を間食に取り入れて、小まめに摂取するようにするのがおすすめです。
・おにぎり ・サンドイッチ ・蒸しいも ・ポテトサラダ(マヨネーズ少なめ) |
間食を工夫するという方法なら1回の食事量を増やすことがないので、無理なく糖質を補給することができるでしょう。
タンパク質の摂取量と効率的な摂取方法
ランニングをする人の場合、体重1kgあたり1.2g〜1.7gのタンパク質を摂取することが推奨されています(参考/JSPO日本スポーツ協会「アスリートの栄養摂取と食生活」)。
具体的には、体重60kgの人であれば、1日に72g〜1,020gのタンパク質摂取を目指していきましょう。
タンパク質が多く含まれる食べ物は、次の表の通りです。
食品 | タンパク質量(100gあたり) |
鶏ささみ | 31.7g |
豚ひれ肉 | 39.3g |
鶏むね肉 | 38.8g |
銀鮭 | 25.2g |
うなぎ(蒲焼) | 23.0g |
ツナ缶(まぐろ、水煮) | 16.0g |
全卵(ゆで) | 12.5g |
(参考/文部科学省「食品成分データベース」)
上記の表を見てもお分かりの通り、タンパク質を1日に体重1kgあたり1.2g〜1.7g摂取するには、毎食タンパク質を豊富に摂取するように意識することが必要です。
さらに、補食にも、ゆで卵や市販のサラダチキンなどを取り入れるなど、タンパク質が多く含まれるものを選ぶ工夫をしていきましょう。
ゆで卵は1個で約12.5g、市販のサラダチキンはおおよそ20〜25gのタンパク質が含まれています。おにぎりの具を鮭やツナにして、小まめにたんぱく質を補給するのもおすすめです。
【Point】
◎間食はゆで卵やサラダチキンにする ◎おにぎりの具はたんぱく質豊富な鮭やツナがおすすめ |
また、タンパク質を多く摂取できるおすすめメニューを考案しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
【タンパク質を多く摂取できるおすすめメニュー】
◎鶏むね肉のグリル ◎サーモンのハーブ焼き ◎ツナと豆のサラダ |
ただ、トレーニングの強度が高かったり、そもそも体重が重い人は、食事だけで1日に必要な摂取量をクリアするのが難しいこともあるでしょう。
その場合は、プロテイン粉末を積極的に取り入れて、タンパク質を補給していきましょう。
4.【鉄分・ビタミンB群】サプリメントや補助食品からの摂取がおすすめ
先ほど、基本的には食材から摂取できるものは食事を通して栄養を摂取していくのがおすすめだとお話しましたが、鉄分やビタミンはサプリメントや栄養補助食品から摂取するのがおすすめです。
鉄分やビタミンは、食材一つひとつに含まれる含有量が少ないので、食事から摂取する場合、相当の量を食べないと1日の必要摂取量をクリアできないためです。
それぞれの必要摂取量や、おすすめのサプリメントや栄養補助食品などについて詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
鉄分の摂取量と効率的な摂取方法
鉄分は、ランニングをしている人の場合、1日15mg〜18mgを摂取しましょう(参考/日本陸連栄養セミナー2016)。これは、一般人の推奨摂取量の1.5倍〜2倍量に当たるので、ランニングをしている人はスポーツをしていない人よりもかなり意識的に鉄分を摂取していく必要があります。
鉄分を摂取する方法は、主に2つあります。
・サプリメントから摂取する ・鉄分含有の健康食品から摂取する |
健康食品から摂取する場合はスーパーやコンビニ、ドラックストアなどで販売されている以下のようなものから手軽に取り入れることが可能です。
・鉄含有の飲み物(飲むヨーグルト、野菜ジュース、ココアなど)
・鉄含有のウエハースやクッキー
・鉄含有のゼリードリンク
より詳しく鉄分不足の解消方法について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
【手軽に実践できる】鉄分不足を解消する方法4つと摂取のコツ
それぞれ、どちらの方法を取り入れても良いですが、サプリメントだけでは必要摂取量を満たせない場合は、鉄分が含有されている健康食品なども積極的に取り入れると良いでしょう。
また、ビタミンCは鉄分の吸収を促進するので、鉄分と一緒に摂取するのがおすすめです。
鉄分のサプリメントなら、フェリチン鉄がおすすめ! |
市販されている鉄分のサプリメントは、主に4種類です。【市販されているサプリの鉄の種類】 ・ヘム鉄/動物性食品に多く含まれる。吸収率が高い ・非ヘム鉄/植物性食品に多く含まれる。吸収率は高くない ・キレート鉄/キレート加工を施して吸収率を高めた非ヘム鉄 ・フェリチン鉄/体内で生成される鉄分。別名「貯蔵鉄」と言われる 上記の中で、ランニングをしているあなたに特におすすめなのがフェリチン鉄のサプリメントです。 なぜなら、ランニングで一時的かつ急激に鉄分を失うことが多いので、鉄分不足に陥らないようにするには体内に蓄えている貯蔵鉄を増やす必要があるからです。 本来、貯蔵鉄を増やすためには、長期的に毎日十分な量の鉄分を摂取しなければなりません。 フェリチン鉄のサプリなら、体内にある貯蔵鉄と同じ構造をしているため、すぐに貯蔵鉄として吸収されるのです。 フェリチン鉄を増やすべきランナーの皆さんは、ぜひフェリチン鉄のサプリメントを積極的に取り入れていきましょう。 |
ビタミンB群の摂取量と効率的な摂取方法
ビタミンBは全部で8種類あり、それぞれ効果や摂取目安量が異なります。
そのため8種類を別々に取り入れるのは困難なため、一度に摂取できるサプリメントを選ぶと良いでしょう。
アスリートに向けたビタミンB群の摂取推奨量は明確に定められていないため、サプリメントに記載されている用量を守って摂取することを心がけましょう。
一方で、日本スポーツ協会によると、ランニングをする場合一般の人よりも1.75〜2.5倍ものエネルギーを消費します。さらにビタミンB群は水に溶けやすいという性質もあり、ランニング中は汗でどんどん消費されてしまいます。
以上のことから、日々の生活では用量を守ってサプリメントを活用し、ランニングをする際にはサプリメントにプラスして、ビタミン含有の健康食品(野菜ジュースやバナナジュース、栄養ドリンクなど)をこまめに摂取することを意識すると良いでしょう。
5. 快適なランニングのために栄養不足以外にも気をつけるべきこと5つ
ここまで、栄養不足でランニングをする危険性や、栄養不足を回避するために、必要な栄養素の効率的な摂取方法などを説明してきました。
そこで最後に、栄養不足を助長する悪習慣についても解説していきましょう。
具体的には、次の5つの習慣です。
習慣の種類 | 栄養不足につながる理由 |
睡眠不足 | ・消化器系の働きが抑制され、栄養素の吸収率が下がる ・ストレスにより偏食に陥りやすくなり、十分に栄養素を摂取できない |
カフェインの過剰摂取 | ・カフェインがミネラルの吸収を阻害する |
アルコールの過剰摂取 | ・アルコールがビタミンB群や亜鉛の吸収を阻害する ・アルコールが栄養素の貯蔵や代謝に関わる肝臓の機能を低下させる ・アルコールの利尿作用で水溶性の栄養素(ビタミンC・B群)が排出されてしまう |
喫煙 | ・喫煙により体内のビタミンCが大量に消費される ・消化器系の働きを鈍くさせ栄養素の吸収率が低下する ・血管収縮により体内に酸素や栄養素が行き渡らなくなる |
添加物の過剰摂取 | ・加工食品やインスタント食品、スナック菓子などに多く含まれるリン酸塩が鉄の吸収を阻害する ・加工食品に含まれることがあるフィチン酸が鉄や亜鉛の吸収を阻害する ・インスタント食品やコンビニ食品に多く含まれるポリリン酸が亜鉛の吸収を阻害する |
せっかく頑張って必要な栄養素を摂取しても、上記のように特定の悪習慣が定着してしまっていると、栄養の吸収を妨げてしまいます。
少しでも効率よく栄養を吸収させるために、上記の習慣がある人は早急に改善するようにしていきましょう。
6. まとめ
いかがでしたか?ランニングを栄養不足の状態で行うとどんなリスクがあるのか、特に必要な栄養素の種類や効率的な摂取方法などを解説してきました。
最後にこの記事をまとめましょう。
◎栄養不足でランニングを行うと起こることは4つ
1.貧血になりやすくなる 2.怪我をしやすくなる 3.スタミナが持続しなくなる 4.疲労が溜まりやすく取れにくくなる |
◎ランニングを快適に行うために必要な栄養素は4つ
・糖質 ・タンパク質 ・鉄分 ・ビタミン |
◎糖質とタンパク質は毎日の食事から摂取するのがおすすめ
◎鉄分とビタミンBはサプリメントや健康食品を活用するのがおすすめ
◎快適なランニングのために栄養不足以外にも気をつけること5つ
・睡眠不足 ・カフェインの過剰摂取 ・アルコールの過剰摂取 ・喫煙 ・添加物の過剰摂取 |
以上になります。ランニングを栄養不足の状態で行うのは、大変危険です。本記事で解説したように、ランニングに特に必要な栄養素を中心に、食事やサプリメントなどから効率よく栄養を摂取していくようにしましょう。
栄養不足でランニングをすることがないよう、本記事があなたの快適なランニングライフのサポートになれば幸いです。
コメント