コスタリカコーヒー豆の特徴は2つ!世界中を魅了する理由を徹底解説

コスタリカ アイキャッチ

スペイン語で「豊かな海岸」を意味するコスタリカは、高級コーヒー豆の有名な生産地の1です。

もし、あなたがコスタリカのコーヒー豆についてあまり知らない…
というなら、ぜひこの記事を読んでからコスタリカコーヒーを飲んでみてください!

コスタリカコーヒーの特徴は2つあります。

1つ目の特徴は「味の多様性」です。
コスタリカコーヒーの面白いところは、同じ国でありながら、採る地域によって様々な味が楽しめるところです。

一般的にライトな口当たりが特徴的ですが、地域によってリンゴのようなフルーティな甘味ある酸味やビターチョコのような深いコクが引き立つ味わいを楽しむことができます。

2つ目の特徴は「コーヒーに懸ける強いこだわり」です。
コスタリカでは高品質なコーヒー豆だけしか栽培してはいけないという法律があるほど、コーヒーへの情熱が強く、その品質の高さが見ものです。

この記事では、コスタリカコーヒー豆の地域ごとによる味の違い、生産背景や歴史などに触れ、コスタリカコーヒー豆の特徴をわかりやすくまとめていきます。
また、私たちが厳選したおすすめのコスタリカコーヒー豆をご紹介します。

読み終わったあと、あなたはきっとコスタリカコーヒー飲みたくなるはず。
忙しい毎日に贅沢を添え、特別なひと時を楽しんでいただければ嬉しいです。

1 コスタリカは豊かな自然に恵まれた「楽園」

コスタリカ

北海道の半分にも満たない小さな国、コスタリカは大自然に恵まれています。
環境保護先進国として有名で、なんと国土の1/4以上が自然保護区です。

今も活動している活火山や熱帯雨林ジャングルなどが存在し、国土は小さいですが地球上すべての生物種のうち5%が生息しています。
「動植物の楽園」とも言われており、火の鳥のモデルになったと言われる幻の鳥やナマケモノやウミガメなど、コスタリカは野生動植物の宝庫です。

コスタリカ国旗

そんな楽園、コスタリカは国章にコーヒー豆が描かれているくらいコーヒーが有名な国でもあります。
コーヒー栽培に最適な環境である、標高の高い山岳地帯でコスタリカコーヒーは作られ、後ほど説明しますが、この栽培環境こそがコーヒー豆の味の多様性に大きく関係してきます。

それでは、コスタリカコーヒーの面白い特徴を詳しく見ていきましょう。

2【特徴1】コスタリカは「地域」で色んな表情を楽しめる

コスタリカコーヒーの特徴の1つは、同じ国でありながら、「地域」によって様々な味を楽しめるところです。
コスタリカは一般的に、まろやかで軽い口当たりで、苦味は控えめであるものの、甘味のあるコクが深く、バランスのとれた味わいです。

地域によってはリンゴのような甘く爽やかな果実味豊かなものあれば、ビターチョコのような甘く深いコクの余韻を長く感じれるものまで、バラエティー豊かです。

なぜコスタリカコーヒーは地域で味に違いがあるのか。
それは、各地域によって気候がまったく違うからです。
コスタリカは特殊な地形を持っています。
平地から富士山級の標高3,000mを超える山々があり、高低差が非常に大きいです。
そのため気候差も大きかったり、地域によって雨が降る量にも大きな違いがあったりします。
山の天気が変わりやすいのを想像していただければと思います。

それでは、コスタリカコーヒーの詳しい味についてお話します。

2-1 産地ごとでバラエティー豊かな特徴を持つフレーバー

コスタリカでは、各地域の標高差を活かしたコーヒーづくりが行われています。
それぞれの地域の気候に合ったコーヒーが栽培されるので、環境の違いが味に反映されるのです。

コスタリカのコーヒー産地は大きく7つあります。
その中で特に注目されている地域は3つです。

① ウェストバレー

ウエストバレー

味:ピーチやあんずを想像させる爽やかな風味が特徴的
コーヒー栽培は標高800~1,400mで行われ、この地域からは非常に多くの優良なロットが世に送り出されており、コスタリカの中で最も注目されている地域です。

② セントラルバレー

セントラルバレー

味:フルーティな酸味とチョコレートを思わせる風味
最も標高差がある地域で800~1600mで栽培されます。そのため、標高に合わせた品種を栽培し、標高1000m以下で口当たりの軽いコーヒーを、1200m以上で豊かな酸味と香りのコーヒーをつくっています。

③ タラス

タラス

味:フルーツのような酸味と甘み、ビターチョコレートのような優しい苦味、香りが高い
太平洋側に広がる山脈の中で、鳥類や山林の聖地と言われる美しい自然に囲まれた地域。土壌に恵まれた地域の1つで、高い標高を持つため、引き締まったクリーンな味わいが際立ちます。

その他、トゥリアルバ、トレスリオス、オロシ、ブルンカという地域が存在します。

コスタリカでは、栽培する標高によって6つに格付けされ、標高が高いほど高級品になります。
SHQ:標高1200~1600m、GHQ:標高1000~1200m、HB、MHB、HGA、MGA

このように味のバリエーションが豊富なため、コスタリカは世界中の消費者の舌を唸らせるコーヒーを届けることができるのです。
選ぶ際は「地域」に注目すると、さらにコスタリカを楽しむことができるかと思います!

3【特徴2】コスタリカが世界を魅了する3つの理由

コスタリカコーヒーの2つ目の特徴は、「コーヒーに懸ける強いこだわり」です。

コスタリカが世界中で称賛されるコーヒーを作り出すことができるのには3つの理由があります。

【品質に対する3つのこだわり】
① 国の法律で栽培できるコーヒーを限定
② 農園ならではの味が引き出されている
③ 甘みを引き出す乾燥方法を採用

コスタリカコーヒーは自然の恵みを活用しながら、より良いコーヒーを生み出すため、他国がしてこなかった新しい挑戦を繰り返してきました。

コスタリカは「品質」に重きを置いたコーヒーづくりに目を向けた世界ではじめての国です。

当時、コーヒー市場はブラジル産がほとんど占めていました。
そこで、コスタリカはブラジルがまだ開拓しきれていなかったヨーロッパの市場に目を向けたのです!

ヨーロッパでは高品質なコーヒーが好まれていたので、コスタリカはクオリティの高いコーヒーを作り出します。
ここからコスタリカならではのコーヒーづくりが炸裂していきます!

では世界中で高く評価される秘密を、歴史や生産背景を絡めながら詳しくお話していきます。

3-1 ①国の法律でコーヒーの栽培を高品質な「アラビカ種」に限定している

コスタリカが世界中で称賛される1つ目の理由は、栽培するコーヒーの品種にあります。
それは、「アラビカ種」だけ使っているからです。
アラビカ種とはコーヒー豆の中でも品質が高くて高級なコーヒー豆の種類です。

コスタリカではコーヒーの品質を底上げするため、アラビカ種以外のコーヒー豆の生産を法律で禁止しました。このような国は世界中どこを探してもコスタリカしかありません。

国を挙げて、最高級のコーヒー豆だけを世界に届けようという熱い意気込みが感じられますね。

3-2 ②自前の精製所で加工するから、農園独自の味が表現される

世界中を魅了するコーヒーを作る2つ目の理由は、精製施設にあります。
コスタリカでは農園ごとに自前の小さい加工場を持っているため、農園それぞれの特徴を感じることができるからです。

この小さな加工場を、「マイクロミル」と言います。
マイクロミルとはコーヒーの精製施設のことで、ここでコーヒーの実を採った後に実を剥いで乾燥させます。

このマイクロミルで作られたコーヒーは、農園独自の味を表現することができます。
それは、他の農園のコーヒーが混ざらないからです。

通常、農園はコーヒーの実を採った後、農協などにコーヒーの実を売ります。
農協は様々な農園から集めたコーヒーの実を巨大な精製施設に持ち込み、処理を行います。
そのため、色んな農園のコーヒーの実と混ざってしまう可能性があります。
色んなコーヒーの実が混ざってしまうと、コーヒーの味が平坦になってしまい、せっかくの農園ごとの特徴を引き出すことができません。

また、マイクロミルでは細かい対応ができるようになります。
従来の巨大な精製施設ではできなかった、最新の精製方法などを取り入れられ、コスタリカの生産者は味を作り出すクリエイターへと変貌を遂げていきました。
こうして、コスタリカコーヒーは世界中から一目を置かれるコーヒー生産国になっていったのです。

3-3 ③コスタリカならではの蜂蜜のような甘さを引き出す精製方法を採用

世界を魅了するコーヒーを作る3つ目の理由は、精製方法にあります。
それは、コスタリカ独特の甘さを引き出す、独自の精製方法が採用されているからです。
この精製方法を使うと、ハチミツを思わせる独特の甘みや香りを生むことができます。

この方法を「ハニープロセス」(セミウォッシュド)と言います。
ハニープロセスとはコーヒー豆を覆う粘膜を残す手法です。
収穫されたコーヒーの実は果肉を除去された後、コーヒー豆を覆う粘膜のヌメヌメを残した状態で乾燥させます。(さくらんぼを食べた時に残る、種の周りのヌメヌメを想像してもらうと近いです)
こうすることで、粘膜の甘みが豆に移り、奥深い複雑な味を表現することができます。

この方法を使うことで、唯一無二のコーヒー豆が出来上がるのも魅力のひとつです。
粘膜を残す割合を変えることで味や香りをコントロールすることができ、その農園ならではの味わいが引き出せると、世界中の国々で最も注目されています。

一方で、手間のかかる方法でもあります。
乾燥する際に豆同士がくっついてしまい、乾きムラができやすいです。
そのため、ほぐしながら作業をしなければなりません。

また、この方法は自然環境にやさしい方法でもあります。
通常コーヒーを作る際には大量の水が使用されますが、この方法は使う水の量が少なくて済みます。
また、大きな水槽が不要になるため、狭い土地を活かせたことも大きいです。

環境にも優しいコスタリカのコーヒー

コスタリカコーヒーでは環境に配慮したコーヒーづくりが進められています。
コスタリカの豊かな自然を守るために、
・コーヒー豆を洗浄する水の使用量を制限
・排水物のろ過装置を開発
・コーヒーの実を天然の肥料として活用
などの取り組みがなされました。

これにより、コスタリカのコーヒー豆はハイクオリティでありながら環境にも優しいコーヒーを栽培することが実現できたのです。

4 コスタリカを堪能できる至極の1杯をご紹介

この章では、私たちが厳選したコスタリカコーヒー豆をご紹介します。

これからご紹介するコーヒー豆の特徴は、コスタリカの様々な農園の中で一番感動した1杯です。

この味は3つの理由からもたらされます。
・この農園でしか出せない心地よい余韻
・優良な精製施設で処理されるからこそ、クリアな味わいに
・鮮やかな味を堪能できる、ハイクオリティな豆を使用

それでは、このコスタリカコーヒーをおすすめする理由をお話していきます!

4-1 この農園でしか出せない心地よい余韻

コスタリカコーヒー豆

数あるコスタリカコーヒー農園の中でも、この農園で作られたコーヒーは心地よい余韻が続く味が特徴です。
爽やかなリンゴのような酸味を蜂蜜のような優しい甘みが追いかけ、飲み終えた後思わず笑みがこぼれるコーヒー。

コスタリカ 地図

この味を作り出す農園こそが「ナンシー農園」です。
ナンシー農園はウェストバレー、ジャノ・ボニート地区にある、小さな農園です。
ちなみにナンシーとは、生産者の姉妹の妹の名から取っています。

もちろん、この農園で作られるコスタリカはトップグレードである、標高1,600mで栽培
この地域は、高湿度で朝晩の冷え込みが激しく、もともとコーヒーの栽培には不向きな環境だと言われていました。
しかし、最近になってその厳しい寒暖差により、風味がギュッと凝縮された美味しいコーヒーが作れることが分かり、今では世界中から名産地として注目されています。

農園

4-2 優良な精製施設で処理されるからこそ、クリアな味わいに

リカルド氏

(エルサル・デ・サルセロマイクロミルを運営するリカルド氏)

ナンシー農園で手摘みで収穫された、真っ赤な完熟したコーヒーの実は、実を剥いで乾燥させる精製施設に持って行かれます。

この施設が、「エルサル・デ・サルセロマイクロミル」。
その年に収穫された一番美味しいコーヒーを決める大会(COEカップオブエクセレンス)の入賞経験もある、優良な精製施設のひとつです。

エルサル・デ・サルセロマイクロミルで処理されたコーヒーは雑味がなく透明感がある味が特徴です。
ここでは最新の機械を用いて、水洗処理、袋詰め、輸出までの一貫した管理がされています。
そのため、他のコーヒー豆が混ざることがないので、農園の特徴を活かしたクリアなコーヒーに仕上がります。

4-3 鮮やかな味を堪能できる、ハイクオリティな稀少豆を使用

今回ご紹介するコスタリカはコーヒー市場にたった5%ほどしか出回らない稀少な豆である「スペシャルティコーヒー」を使用しています。
そのため、雑味がなく、素材本来の味が楽しめる、鮮やかな味を体感することができます。

スペシャルティコーヒーとは生産者の情報がはっきりしており、プロがカップテストで味や香りを評価し、特徴的な風味や香りなどを感じることができるコーヒーです。

小さい農園で自前の精製施設で加工されるからこそ、コーヒー栽培から管理まで細かく気を使うことができます。
1つ1つの丁寧な工程を感じながら、他にはない、貴重な1杯を楽しんでいただけたら嬉しいです。

4-4【実際に飲んでみた】リンゴのような爽やかな酸味と蜂蜜のようなコクのある甘味

コーヒー抽出

焙煎度合い 中煎り
テイスト リンゴやあんずのような酸味、蜂蜜に似たコクのある甘み
苦み ★★★☆☆
コク ★★★☆☆
甘味 ★★★☆☆
酸味 ★★★☆☆

コーヒーですが紅茶に似た明るい香りを優しく感じ、苦味はさりげなく、透明感のある味わいが特徴的です。

最初にリンゴやあんずのような柔らかい爽やかな酸味を感じ、その後に蜂蜜のようなコクのある甘さが続きます。
上品な風味とコクが全体をまとめているバランスの良い味わいです。

とても軽くて飲みやすく、気づけばカップが空に。(ゴクゴクと飲んでしまう)
重くないので、朝の目覚めの1杯としてもいいですし、気分転換にすこし濃い目に落として、甘い優しいコクをより感じ、リッチな余韻を楽しむのもおすすめです。

今回のコスタリカは特徴的な酸味とクリアな味わいをより感じられるように中煎りで仕上げています。
果実風の酸味からコクのある甘みへと移り変わる繊細な味を楽しんでいただけたら嬉しいです。

5 まとめ

コスタリカコーヒーについておさらいです。

コスタリカコーヒーの特徴は2つあります。
【特徴1 味の多様性】
・コスタリカコーヒーは、同じ国でありながら採る地域によって様々な味が楽しめる
 それはコスタリカならではの変化に富んだ豊かな自然からもたらされる
・一般的にライトな口当たりが特徴的
・地域によってリンゴのようなフルーティな甘味ある酸味や、ビターチョコのような深いコクなどバラエティー豊か

また、コスタリカは「質」を重視したコーヒーづくりに注目した最初の国でもあり、世界中で高く評価されています。

【特徴2 コーヒーに懸ける強いこだわり】
・国の法律で栽培できるコーヒーを「アラビカ種」に限定
・自前の精製所で加工するから、農園独自の味が表現される
・甘みを引き出す乾燥方法を採用

コスタリカコーヒーの品質の高さや唯一無二の味わいは、コスタリカの豊かなコーヒーに適した自然と小さな農園の熱心な取り組みによって作り出されるのです。

深く知れば知るほど、きっとコスタリカの味わいも深まるかと思います。
ぜひ、コスタリカが辿ってきた歴史とコスタリカコーヒーを生産する人たちの思いを感じながら、コスタリカコーヒーを楽しんでいただけたら嬉しいです!

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