【実験で判明】コーヒー豆おすすめ保存方法、期間別3パターン

期間別おすすめ保存法

これを読んでいるあなたはきっと
「コーヒー豆に賞味期限ってあるのかな?」
「常温・冷蔵・冷凍どこで保存するのがいいんだろう・・・?」
と悩んでいるのではないでしょうか?

お気に入りのお店のコーヒー豆。袋を開けたあの高揚感、豆を挽いて、じっくり淹れて、飲むまでのあのひと時は、格別ですよね。
せっかくなら、できるだけ長く、おいしく飲みきりたいはずです。

コーヒー豆はちゃんと保存しないと、どんどん劣化して、まずくなってしまいます。
でもちょっと待って!
コーヒー豆は保存の仕方によっては、長くおいしく楽しむことができるんです。

これで、お家で飲むコーヒー豆をダメにしてしまう、なんていう悲劇は起こりません!
一緒に正しい保存方法を知って、最後までおいしいコーヒーを楽しみましょう。

1 豆の賞味期限は基本2週間、保存によって伸ばせる

コーヒー豆の賞味期限(=コーヒー本来のおいしさを味わえる期間)は開封してから2週間程度、長くて1ヶ月程度が限界です。

それは、コーヒー豆の味や香りは焙煎して2週間くらいがピークでその後は減少していくからです。

コーヒー豆の時間経過による味と香りの推移

なので、できれば開けたらすぐに飲み切るのが理想的ですが、そうは言ってもなかなか難しいですよね…!

また、コーヒーってどうしても淹れ方などの技術方面に目が行きがちですが、ぶっちゃけコーヒー豆自体の品質を保つことが重要です。
それは、保存に失敗して品質が落ちてしまった豆を、めちゃくちゃうまく抽出できたとしても、品質がパーフェクトな豆の風味にはかなわないからです。

だからといって、「今までちゃんと保存してこなかったわ…もう終わった…」なんて落胆しないでください!
もし、今からちゃんと保存しようと思う方は、味や香りの違いなどを比較できるチャンスです!是非とも今までの保存方法と、これからお教えする保存方法を比べてみてください。結構変わってくると思いますよ!
(実は、筆者はちょっと落ち込みました(笑)が、でも保存の重要性を身をもって知れたので結果良かったと思っています!)

自宅でコーヒーを淹れる方にこそ、まず「コーヒー豆の保存の大切さ」を知っていただきたいと思います。

1-1 コーヒー豆4つの弱点!酸化防げば、おいしく飲み切れる

実は、コーヒー豆には、4つの弱点があります。
それは、「光」「温度」「空気」「湿度」です。
この4つは、コーヒー豆の酸化を進め、劣化の原因となってしまいます。

言い換えれば、これらの酸化を防げれば、劣化することなくおいしく飲みきることができるってことです!
具体的には、
・高温多湿は避け、涼しくて湿気の少ないところで保存する
・紫外線や蛍光灯などの光に当たらない、暗いところで保存する

また、買う時にも1つポイントがあります。
それは、コーヒーを粉のではなく、「豆の状態で買う」ということです。
なぜなら、豆の方が粉に比べ、より空気に触れる面積が少ないので、酸化スピードを遅らせることができるからです。

それでは、以上を踏まえ、コーヒー豆の具体的な保存方法について確認していきましょう!

2 【期間別】おすすめな保存方法3パターンを大公開!

期間別おすすめ保存法

コーヒー豆は飲み切るペースによって保存する場所や方法を変えることがおすすめです。
それは、保存する期間によって、ベストな保存場所があるからです。

お店によって賞味期限は様々で、1年以上と長いものもあれば、短くて2~3週間と設定されているものもあります。
健康に影響なく飲める期間は数か月~1年となっていても、香りや味などがおいしい期間はそんなに長くないということは覚えておいてください。

勘違いされがちですが、コーヒー豆は乾物などとは違い、あくまでも野菜や生魚などの生鮮食品と同じようにデリケートな扱いをするといいでしょう。
なので、長期保管するなら、保存瓶やジップロックなどの保存袋などに入れ、密封した状態で冷蔵庫や冷凍庫で保存するのがおすすめです。

2-1 【1週間】買ってきたまま常温でOK、缶保存だと尚良し

1週間ほどの短期間で飲みきってしまうなら、キッチンの戸棚などで買ってきたままの状態での保存で大丈夫でしょう。
なぜなら、1週間ほどであれば、酸化による味や香りの変化がほとんどないからです。

しかし、直射日光や蛍光灯などの光は酸化の原因に繋がるので、キッチンの収納棚などの暗い場所で保存することをおすすめします。
シンク下などは湿気がこもる場所なので、暗所ではありますが避けた方がいいでしょう。

また、高温多湿も酸化を早める原因となるので、避けた方がベターです。
通年で25℃以下くらいの涼しく、湿気のあまりない部屋であれば問題はありませんが、特に梅雨時期~夏場にかけては、冷蔵庫で保存する方法も有効でしょう。

ただ、冷蔵庫(冷凍庫も)は開閉が多かったり、コーヒー豆の出し入れが多かったりすると、冷蔵庫と室温との温度差によって結露が起きやすいというデメリットもあります。

なので、そういったリスクも考えると、1週間くらいの短期間で飲みきるなら常温保存をおすすめします。

コーヒー豆常温保存方法

すぐに飲み切ってしまうので、必ずしも容器に入れる必要はありませんが、遮光性に優れる、缶タイプのキャニスター(保存容器)などに袋に入れた状態で保存しておくと、さらに酸化から豆を守ることができるので安心です。

この時、袋の口をテープやクリップなどで抑え、容器に入れて保存しましょう。
なぜなら、酸素や光に触れる機会を極力減らすことができるからです。
なので、コーヒー豆を別容器に入れ替えて保存する方もいらっしゃるかと思いますが、あまりおすすめはしません。
もともとコーヒー豆が入っていた袋にはコーヒーが発するガス(二酸化炭素)が含まれているので、袋のまま保存した方が酸化せず、風味が損なわれにくいためです。

2-2 【2週間】冷蔵庫でジップロックなどで密封保存

コーヒー豆冷蔵保存方法

購入して「これは1週間で飲み切りそうにないな~」と思ったら、冷蔵庫でジップロックなどに入れ、密封した状態で保存にするのが安心です。

それは、コーヒー豆は2週間くらいで香りと味が落ち始めるからです。
味や香りの変化がないうちに、冷蔵庫で保存することで、温度変化からの酸化を防ぎ、風味の劣化を防ぐことができます。

冷蔵庫で保存するなら、冷蔵室やチルド室で保存しましょう。
冷蔵庫内の湿度は、20~30%と言われています。(開け閉めが多い場合や、メーカーによっても変動あり)
ですが、野菜室内の湿度は約60~90%と高めになっている場合もあるので、くれぐれも野菜室での保存は避けましょう。

日本の年間平均は約68%※1 なので、部屋の湿度より冷蔵庫内の湿度の方が低いです。
ですが、出し入れ替れが多かったり、冷蔵庫の開閉が多かったりすると、冷蔵庫と室温との温度差によって結露が起きやすいので注意が必要です。(このことから、短期間で飲みきるなら常温がおすすめ!)

参考
※1 日本建築学会技術報告集「全国の住宅における室内湿度環境に関する分析」

容器はジップロックなどの保存袋で保存すると良いでしょう。
もちろん、1-1同様、キャニスターに入れて保存するのでも良いのですが、キャニスターより場所を取りませんし、何といってもどの家庭にもあり、とっても手軽です。

酸素や光に触れる機会を減らす目的もありますが、しっかりと密封ができていないと、冷蔵庫内の嫌なニオイを吸収してしまうことにも繋がるので、コーヒー豆は買った袋からは出さず、袋の口をテープやクリップなどできっちりとおさえた上で、ジップロックに入れ、空気を抜いて保存しましょう。

より徹底したい人は、アルミパックでの保存もおすすめです。
それは、アルミパックの方がジップロックなどの袋に比べ、より酸素を通しにくいからです。

最近では、ダイソーやセリアなどの100均にもアルミパック売っているみたいですが、とは言え、あまり店頭で見かけないことも多いので、筆者はジップロックなどの保存をおすすめします。

アルミ密閉パック

引用:Amazon

2-3 【1ヶ月】冷凍でジップロックなどで密封保存、理想は小分け

飲むのに2週間~1ヶ月くらいかかってしまいそうだ、コーヒー豆を買い過ぎちゃった、なんて時は冷凍庫でジップロックなどの袋に入れて保存するのが安心です。

それは冷凍庫で保存することで、温度による劣化を防ぐことができるからです。
一般的に温度が10℃上がると2~3倍のスピードで劣化すると言われています。
冷凍庫内の温度は、-18℃以下なので、大幅に劣化速度を遅くすることができます。

保存する際は、開け閉めによる温度変化を防ぐために、なるべく奥の方で保管することをおすすめします。

※「速度定数の温度依存性」

冷凍庫での保存にはジッパー付き保存袋などの密閉できるジップロックなどがピッタリです。
もちろん、缶や瓶などのキャニスターでもOKですが、冷凍庫の幅を取らずに保存できます。

ビニールバッグは透明で光を防ぐことはできませんが、冷凍庫に入れている間は光に触れないので問題ないと言えるでしょう。

それでも心配な人や、より完璧を求めるなら、遮光性・密封性がより優れた、アルミパックで保存することをおすすめします。

また、少し手間でありますが、使う分量ずつ、ラップやジップロック、アルミパックなどで小分けにし、密封して保存するのが理想的です。飲む分だけを取り出すことができるので、余計な劣化の原因を最小限に抑えられ、よりおいしい状態を保つことができます。

理想はラップやアルミパックで小分け

【ポイント】冷蔵・冷凍後は常温に戻してから淹れる

冷蔵庫や冷凍庫から出してすぐに挽くのは問題ありませんが、コーヒー豆が冷たいまま抽出するのには要注意です。
それは、コーヒーが冷たい状態だと、お湯の温度も下がってしまい、コーヒー本来の味と香りが抽出できなくなってしまうからです。
なので、2~3分くらい置いて、常温に戻してから淹れるといいでしょう。

3 【徹底検証】常温・冷蔵・冷凍2週間経ったコーヒーを飲み比べてみた

【徹底検証】常温・冷蔵・冷凍2週間経ったコーヒー飲み比べ

2章で保存期間別のおすすめの保存方法についてお話ししました。
でも実際のところ、どうなのか気になりますね。

今回、「常温」・「冷蔵」・「冷凍」の保存場所によってどのような違いがあるのか、途中経過とともに2週間後のコーヒーを飲み比べてみました!
① 味、②香り、③粉の膨らみ の3つの違いをまとめていきます。

場所による変化を比較するため、全く同じ豆をそれぞれ分けて、豆のままジップロックに入れ、密封した状態で統一しています。

3-1 判明!飲みきる期間ごとに保存場所を変えた方が絶対いい

使用する豆は同じもので、常温・冷蔵・冷凍の場所別で、開封してから1週間・2週間後の変化を比べてみました。

【条件】
珈琲豆:コロンビア
焙煎度:中煎り
焙煎日:2020/5/28
試飲日:【1回目】2020/6/4 【2日目】2020/6/11
保存方法:ジップロックにて密封した状態で比較、常温保存(25℃前後)、冷蔵庫保存(5℃)冷凍庫保存(-18℃)
抽出法:ペーパードリップ(HARIO)
豆量:14g
挽き方:中挽き
湯温:90℃
抽出量:120cc(前半60cc/後半60cc)

検証したところ、1週間では味・香り・膨らみにそれぞれ大きな変化はありませんでした。
ですが、2週間を過ぎると、常温で保存していた豆は開封してから明らかに「味と香りが落ちたかも…?」と感じました。

一方、冷蔵庫と冷凍庫で保存した豆は、2週間経っても開封した時と香りや味はほぼ変わりませんでした。
保存場所によって、こんなに変わると思っていなかったので正直驚きです!

少し面倒くさがりの、白黒付けたがりの筆者からすれば、「もう全部常温か冷凍保存でいいんじゃないの?」と、はじめは冷蔵庫保存の必要性すら疑う部分もありました。
しかし、この実験で飲みきる期間ごとに保存場所を変えた方が良い真の理由をわかることができました。

開封後

評価項目

常温

冷蔵

冷凍

1週間

膨らみ

冷凍1週間経過したコーヒー豆
膨らむ

冷蔵1週間経過したコーヒー豆
よく膨らむ

冷凍1週間経過したコーヒー豆
よく膨らむ


開封直後よりも味がしっかりとした印象で、コクと甘みを感じる


コクと甘みをしっかりと感じる


苦味やコクがやや薄いように感じる
※ガスによるためか

香り


開封直後と比べるとややおだやかに感じる


開封直後とさほど変わらないように感じる


開封直後とさほど変わらないように感じる

2週間

膨らみ

常温2週間経過したコーヒー豆
減少

冷蔵2週間経過したコーヒー豆
膨らむ

冷凍2週間経過したコーヒー豆
よく膨らむ


前回よりもコクや甘みが軽いように感じる


コクと甘みをしっかりと感じる


コクと甘みをしっかりと感じる

香り


やや乏しく感じるが、ネガティブな印象ではない


開封直後と比べるとややおだやかに感じる


開封直後とさほど変わらないように感じる

以上の結果から、常温で保存する時は1週間を目安に、2週間以上なら冷蔵か冷凍で保存した方が、コーヒー本来のおいしさを長く、楽しむことができそうです。

4 おすすめのキャニスターは缶、袋ならジップロック

ジャーナルチョイス常温保存なら缶、冷蔵・冷凍保存ならジップロックかアルミパック

コーヒー豆を保存するキャニスターには様々な種類があって、なに入れるのが1番いいのか、迷ってしまう方も思います。

結論、1週間で常温保存するなら缶タイプのキャニスターが、2週間以上の保存にはジップロックがおすすめです。
それは、コーヒー豆のキャニスターや保存袋を選ぶ時に大事なのは「密閉・遮光・保温」だからです。

容器や袋を選ぶポイントは3つ

① 密閉性
・「湿度」と「酸素」からコーヒー豆を守り、劣化を防ぐ
・できれば真空状態を作れる容器での保存が1番おすすめ
② 遮光性
・「光」からコーヒー豆を
・ガラス製やプラスチック製などの透明なもの、光を通す性質のものは長期の保存には不向き
③ 保温性
・コーヒー豆は温度変化に弱いため、温度を一定に保てる保存容器が良いでしょう

以上から、1週間で常温保存するなら缶タイプのキャニスターがおすすめです。
それは、保温性に優れ、価格も比較的に安いからです。
保温性に優れているので、常温で保存する時はもちろん、冷蔵庫や冷凍庫で保存する時も急激な温度変化を防ぐことができます。

また、袋タイプなら、どの家庭にも比較的にあり、価格も安く、どこでも手に入るという観点から、ジップロックがおすすめです。
ただ、よりこだわるのであれば、アルミ密閉パックでの保存が理想的です。
それは、アルミパックの方がジップロックよりも酸素を通しにくいという性質なためです。
最近は、100均やAmazonなどに売っているので、より完璧を求める方は是非アルミパックでの保存をしてみてくださいね。

保存方法一覧

引用:Amazon

もっとこだわるなら、真空キャニスターも

普通のキャニスターに比べ、3,000~5,000円ほどと若干高めではありますが、空気を追い出すことができる、真空機能のキャニスターもあります。
袋をしっかりと閉めた状態にして、キャニスターも真空にすることで、より酸化を防ぐことができるので、こだわりたい人にはおすすめです。

ANKOMN ダイアル式真空保存容器

引用:Amazon

5 まとめ

コーヒー豆は酸化するのを防ぐことで、劣化する速度を遅らせ、 保存方法によっておいしさを持続することができます。

コーヒー豆の保存についておさらいです。

【おすすめの保存方法は3つ】
1週間ほどで飲み切りそう…常温で缶の容器に入れて保存
2週間ほどで飲み切りそう…冷蔵庫でジップロックなどで密封
1ヶ月くらいかかりそう…冷凍庫でジップロックなどで密封
 
【コーヒー豆の保存のポイント】
・高温多湿は避け、涼しくて湿気の少ないところで保存する
・紫外線や蛍光灯などの光に当たらない、暗いところで保存する

様々な論争がある、このコーヒー豆の保存問題ですが、どんなに保存をしっかりと行っていても美味しく飲める期間は1ヶ月程度と考えておくのが良いでしょう。 なるべく早めに飲みきることが1番ですが、この記事を参考に、最後までおいしく、コーヒーを存分に楽しんでいただければ、嬉しいです!

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