「えごま油の効果的な食べ方ってあるのかな?」
「美味しくて手軽な食べ方が分かれば、毎日取り入れられるのになぁ」
ダイエットや成人病予防に効果があり、脳を活性化させる働きもある「えごま油」ですが、いまひとつ食べ方がわからないと悩んでいる方は少なくないようです。
本記事では、えごま油を美味しく効果的に食べるための3つのポイントを解説します。
- 毎日小さじ一杯を食べる
- 加熱しないでそのまま食べる
- たんぱく質を含む食品と一緒に食べる
これらを把握すれば、今日からすぐ、身体に良い「えごま油」を効果的に食べられるようになります。
さらに2章では、えごま油をかけるだけで美味しくなる12品をご紹介しますのでぜひ毎日の食卓で取り入れて頂けたらと思います。
1.えごま油の食べ方|美味しくて効果が得やすくなる3つのポイント
えごま油を美味しく効果的に食べるポイントは3つあります。
- 毎日小さじ一杯を食べる
- 加熱しないでそのまま食べる
- たんぱく質を含む食品と一緒に食べる
1つずつ、具体的に解説していきます。
えごま油の良さを最大限に生かして、美味しく効果的に食べられるようしっかり覚えておいてくださいね。
1-1.えごま油は毎日小さじ一杯が適量
えごま油は、毎日小さじ一杯(3〜4g)を目安に摂取するのが効果的な食べ方です。
えごま油を食べることで最も期待されるのは、そこに含まれているα-リノレン酸の効能(※)でしょう。
※α-リノレン酸の効能についてはこの項の終わりに明記します。
厚生労働省が、α-リノレン酸の1日の摂取目標量として推奨している数値を示した下記の表をご覧ください。
一般的に、えごま油のα-リノレン酸含有量は全体のおよそ60%なので、小さじ一杯3〜4gとして換算すると成人の摂取目標量に近くなることが確認できます。
※参考:厚生労働省 主な脂質摂取目標量
表を見て頂ければわかるように性別や年齢で適正な摂取量に多少差異がありますので、神経質になりすぎる必要はありませんが、小さなお子さんは別皿にするなど調節をするといいでしょう。
身体に良い多くの効果が期待できるえごま油ですが、油であることにはかわりないので、あまり多く摂り過ぎてはカロリー過多になります(※)。かといって少なすぎても効き目が望めません。
効果的に食べるためには、小さじ一杯を目安にしましょう。
※えごま油小さじ一杯(3〜4g)は、およそ37kcalです。
(※)α-リノレン酸の主な効能
- 中性脂肪を下げ、血圧を安定させて血管を健康にする
- 健康な免疫反応のバランスを助ける
- 関節や軟骨の健康
- 美肌
- 健康な心臓機能
- 神経系や脳の機能促進
- うつ、炎症を抑える
※出展:HAB研究機構|上手な脂肪の食べ方/油には油を!
監修:岡 希太郎(東京薬科大学 名誉教授)
1-2.えごま油は加熱しないでそのまま食べよう
えごま油は加熱しないでそのまま食べるのが効果的です。
有効成分であるα-リノレン酸は熱に弱いため加熱すると失われやすいのです。
さらに、えごま油は加熱することで酸化して、人体に有害な物質になってしまう危険性があります。
国立予防衛生研究所の俣野景典氏の研究論文によると、酸化した油は毒性物質になります。
えごま油を炒め物に使用した実験では、えごま油を180℃に熱したフライパンに入れて3分経過した時点で、酸化の指標の1つである過酸化物価が厚生労働省が揚げ物で販売してはならないとする数値(50meg/kg)を超えたという結果も出ています。
えごま油をフライパンで3分熱しただけで、有害な物質に変化してしまう恐れがあるということです。
また、えごま油は熱を加えるとクセのある匂いが発生して非常に食べづらくなります。
美味しく食べるためにも、えごま油は加熱せずに、かけたり、つけたりして、そのまま食べるようにしてください。
ただ、人が口にできる温度の物に加えて直後に食べるのであれば、酸化はほとんど進みませんので、2章でご紹介する以下のメニューでは問題ありません。
- 卵かけご飯にかける
- 味噌汁に垂らす
- ピザやパスタ、トーストにかける
- 焼き魚にかける
といっても、食べないで長く放置していると酸化の可能性が出てきてしまいますので、えごま油を加えたらすぐに食べるようにしましょう。
この食べ方はNG!
えごま油を、カップ麺や納豆など発泡ポリエチレン容器入りの食物に直接かけてはいけません。
えごま油には発泡ポリエチレン容器を変質させる効果があり、穴が開いてしまう可能性があるのです。
熱々のカップ麺に直接えごま油を垂らしたら、やけどをしてしまうかもしれません。必ず容器を入れ替えましょう。
1-3.えごま油はたんぱく質と一緒に食べよう
えごま油は、「たんぱく質」を多く含む食材と一緒に食べると効果が増します。
認知症予防効果も期待され、脳の働きがよくなるといわれるえごま油ですが、脳細胞の活性化のためには「たんぱく質」が必要です。
えごま油を「たんぱく質」と一緒に摂取すると、えごま油に含まれる「α-リノレン酸」と「たんぱく質」の相乗効果で、脳の働きがより良くなります。
α-リノレン酸がたんぱく質に作用してその機能(脳機能の低下を抑制、神経疾患の発症と進行を遅延)を発揮することが、日本薬理学会の論文にも示されています。
「たんぱく質」を多く含む食材で日常的に食べやすいものは、卵、納豆、チーズ、鶏のささみなどです。
えごま油は、油だけをそのまま食べることもできますが、空腹時には胃腸に負担がかかります。
効果をupさせるためにも、できるだけ上記のような食べ物にかけるか、または、同じタイミングで一緒に摂取するようにしてください。
2.えごま油の「かけるだけ」メニュー|今日すぐ食べられて美味しい12品
えごま油の、「かけるだけ」の簡単メニューを12品ご紹介します。
- サラダ+えごま油
- ピザ+えごま油
- パスタ+えごま油
- 卵かけご飯+えごま油
- 味噌汁+えごま油
- トースト+えごま油
- 焼き魚+えごま油
- 納豆+えごま油
- 冷や奴+えごま油
- ヨーグルト+えごま油
- アイスクリーム+えごま油
- ジュース+えごま油
カロリーを気にされる方のために、目安となるカロリー(※)も記載していきます。
※カロリーは具材や調味料や量によって変わりますので、あくまでも目安の数値となります。
今日すぐできて、しかも美味しく食べられるメニューなので、ぜひ実践してみてくださいね。
2-1.サラダにえごま油をかける
サラダにえごま油を小さじ一杯かけると美味しく食べられます。
レモン汁や塩こしょう適量とえごま油を混ぜてドレッシングにしてかけるのもいいですが、完成したサラダにそのままえごま油を回しかけても美味しいです。
もしくは、ドレッシングをかけないで、えごま油と塩少々という食べ方もできます。
サラダの具材として、野菜は勿論ですが、チキンやサーモン、チーズなどたんぱく質を含む具材をくわえると、えごま油のα-リノレン酸の効果が発揮されやすくなります。
サラダのカロリー目安(1人前100g/ドレッシングなし)
- 野菜サラダ(トマト、レタス、たまねぎ、胡瓜):21kcal
- チキンサラダ(トマト、レタス、たまねぎ、胡瓜、鶏胸肉):150kcal
- スモークサーモンサラダ(レタス、たまねぎ、スモークサーモン):130kcal
加えて
えごま油小さじ一杯37Kcal
2-2.ピザにえごま油をかける
ピザにえごま油を小さじ一杯回しかけると風味が出て美味しいです。
ピザはトマトや玉葱など野菜がのっていて、ビタミンも摂れる健康食です。
また、ピザに欠かせないチーズは、良質なたんぱく質と吸収率の良いカルシウムがタップリ含まれているので栄養のバランスもとれます。
えごま油はたんぱく質と一緒に食べると良い効果が出やすいので、相性もいいのです。
ただし、下記の表の通りカロリーは高めなので食べ過ぎには注意してください。
トッピングはなるべく野菜の多いものを選ぶようにしましょう。
ピザのカロリー目安
ミックスピザ標準サイズ(具材:トマト、セミドライソーセージ、ピーマン、玉葱、チーズ)
- 半分:436kcal
- 1/4枚:218kcal
- 1/8枚:109kcal
加えて
えごま油小さじ一杯37Kcal
2-3.パスタにえごま油をかける
パスタにえごま油を小さじ一杯回しかけると美味しいです。
オリーブオイルをかける代わりに、えごま油をかければまた違った風味が楽しめます。
ツナやサーモンのパスタなら良質のたんぱく質と一緒にえごま油を摂取できるので、良い効果が引き出されやすいでしょう。
下記の通り、パスタもピザ同様にカロリーは高めなので食べ過ぎには注意しましょう。
麺の量を1人前より少なめに作るようにするとカロリーカット出来ます。控えめな量で満足感を得るためにも、風味の出るえごま油が一役買ってくれます。
パスタのカロリー目安(1人前)
- ミートソース:693kcal
- ナポリタン:606kcal
- たらこ:491kcal
- ジェノベーゼ:585kcal
- サーモンクリーム:666kcal
加えて
えごま油小さじ一杯37Kcal
2-4.卵かけご飯にえごま油をかける
卵かけご飯にえごま油を小さじ一杯かけると美味しく食べられます。
醤油など好きな味付けをしたあとで、えごま油を加えます。
えごま油はたんぱく質を含む食品と一緒に食べると良い効果が出やすいので、卵かけご飯とも相性抜群なのです。
卵の濃厚さが増すので、醤油の量が普段より少なめで美味しく食べられ塩分カットもできます。
卵掛けご飯のカロリー目安
- 卵かけご飯(ご飯1膳):370kcal
加えて
えごま油小さじ一杯37Kcal
2-5.味噌汁にえごま油を垂らす
えごま油小さじ一杯を味噌汁に垂らすと美味しくいただけます。
加熱がNGのえごま油ですが、あたたかい味噌汁に垂らすだけなら効能は失われません。
味噌汁の味噌は、良質の植物性たんぱく質を多く含む食品です。
また、わかめや豆腐、大根、油揚げ、キノコなど、味噌汁の具材には身体に良い栄養素が多く含まれています。
そこに、えごま油を垂らせば最強の栄養食になります。
味噌汁のカロリー目安
- わかめと豆腐の味噌汁:44kcal
- 大根と油揚げの味噌汁:51kcal
- なめこの味噌汁:33kcal
加えて
えごま油小さじ一杯37Kcal
2-6.トーストにえごま油をかける
トーストにえごま油をかけるのもおすすめです。
バターよりあっさりといただけます。
トーストにチーズやハムなどたんぱく質を含む食材をのせた上にかけると、えごま油のα-リノレン酸の効果がさらに期待できます。
トーストのカロリー目安(1枚)
- 8枚切り:132kcal
- 6枚切り:158kcal
- 5枚切り:185kcal
加えて
えごま油小さじ一杯37Kcal
2-7.焼き魚にえごま油をかける
焼き魚にえごま油小さじ一杯をかけるのも、ぜひ試していただきたい一品です。
えごま油を加えることで、どんな魚も、脂ののった新鮮な味わいになります。
魚は良質なたんぱく質を多く含んでいるので、一緒に食べると、えごま油の効果が発揮されやすい献立です。
また、魚に含まれるDHAという栄養素は脳や神経の機能維持に効果的なので、同じような効能のあるえごま油との相乗作用が期待できます。
焼き魚のカロリー目安
- 鮭:171kcal
- 鯖:209kcal
- さんま:275kcal
加えて
えごま油小さじ一杯37Kcal
2-8.納豆にえごま油を垂らす
かきまぜた納豆にえごま油を小さじ一杯垂らすと食べやすいです。
えごま油は味にクセがないので、納豆がよりマイルドになって食べやすくなります。
納豆は植物性たんぱく質を多く含んでいるので相性も抜群です。
ただし、えごま油には発泡ポリエチレン容器を変質させる効果があり穴が開いてしまう可能性があるので、必ず容器を入れ替えて食べるようにしてください。
納豆のカロリー目安
- 納豆:90kcal
- 納豆ご飯(1膳):333kcal
加えて
えごま油小さじ一杯37Kcal
2-9.冷や奴にえごま油をかける
冷や奴にえごま油を小さじ一杯かけると美味しく食べられます。
豆腐は良質のたんぱく質を多く含みますので、えごま油の良い効果が引き出されやすい食品です。
豆腐に、めかぶやオクラ、キムチなどミネラルを多く含む食材をのせた上にえごま油を足すと、更に身体に良い献立になります。
カロリーを気にされる方も、太る心配なく安心して食べられるメニューです。
冷や奴のカロリー目安
- 冷や奴:62kcal
- 冷や奴(めかぶ、オクラ入り):73kcal
加えて
えごま油小さじ一杯37Kcal
2-10.ヨーグルトにえごま油をかける
意外に思われるかもしれませんが、えごま油はヨーグルトとも相性が良いです。
小さじ一杯かけると味が濃厚になって美味しく食べられれます。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌に「整腸作用」、「美肌効果」、「免疫力強化」などさまざまな効果があることはよく知られていますね。
そこに、えごま油小さじ一杯をかければ、さらなる健康食になります。
ジャムなどを加えると、お子様でもえごま油が食べやすくなるでしょう。
ヨーグルトのカロリー目安
- 1人前100g(無糖):62kcal
- 1人前100g(加糖):67kcal
加えて
えごま油小さじ一杯37Kcal
2-11.アイスクリームにえごま油を垂らす
アイスクリームにえごま油小さじ一杯を垂らしても、美味しいです。
味にコクが出て変化が楽しめるので、途中までそのまま食べてから、途中でえごま油を足す「二度美味しい食べ方」もおすすめです。
えごま油に抵抗感のあるお子様も、アイスクリームなら喜んで食べてくれます。
アイスクリーム(カップ1個)のカロリー目安
- バニラ:190kcal
- チョコレート:292kcal
- 抹茶:198kcal
加えて
えごま油小さじ一杯37Kcal
2-12.ジュースににえごま油を加える
えごま油の一番手軽な摂取方法は、ジュースに小さじ一杯を加える食べ方です。
味にクセがないので、どんなジュースに加えても違和感なく飲めます。
栄養を考えるのであれば、100%果汁ジュースや食塩無添加のトマトジュースを選ぶと良いでしょう。
飲むヨーグルトにえごま油を加えても美味しくいただけます。
ジュース(1杯)のカロリー目安
- 100%オレンジ:84kcal
- 100%アップル:88kcal
- 飲むヨーグルト:117kcal
- トマトジュース(食塩無添加):32kcal
加えて
えごま油小さじ一杯37Kcal
3.えごま油は酸化しやすい
多くの効能が期待できて魅力的なえごま油ですが、他の食用植物油脂よりも酸化しやすいという弱点があります。
熱や光、酸素などの影響で酸化しやすく、酸化していると有益な効果が得られないばかりか、健康被害につながってしまう恐れがあります。
酸化していないえごま油の選ぶときの目安として次の3つが挙げられます。
- 箱に入って光を遮断して売られている
- 茶や緑など深い色合いの遮光瓶に詰められている
- 「非加熱圧搾」「コールドプレス」「無焙煎(※)」などの表示がある
※焙煎してある油は酸化の度合いが高い可能性があります。
購入後のえごま油を酸化させない注意点は3つです。
- 開封前は高温多湿を避け暗所に保存する
- 開封後はキャップや蓋をきちんと閉める
- 冷蔵庫に保管し1ヶ月で使い切る
しかしながら現在、店舗やサイトで数多くのブランドのえごま油が販売されており、栄養成分表示や前述の目安だけで必ずしも酸化していないえごま油が選べるとは限らないのが現状です。
ひとつ言えることとしては、新鮮なえごま油は味にクセがなく、豊潤な香りで嫌な匂いがありません。
ですので、購入したえごま油を食したとき味や香りに違和感を感じたら、そのえごま油を食べ続けるのは止めた方がいいでしょう。
※参考:国民生活センター|見た目だけではわからない、えごま油の品質
4.まとめ
えごま油を美味しく効果的に食べるポイントは3つです。
- 毎日小さじ一杯を食べる
- 加熱しないでそのまま食べる
- たんぱく質を含む食品と一緒に食べる
えごま油は熱や光、酸素などの影響で酸化しやすく、酸化していると効果が得られないばかりか健康被害につながる恐れがあるので注意してください。
記事ではこれらを踏まえた上で、いつもの献立にかけるだけで美味しい「今すぐ食べられる12品」をご紹介しました。
現代人の食生活に不足しがちなα-リノレン酸が多く含まれ、成人病予防にも、アンチエイジングにも効果的なえごま油を、あなたとご家族の為に毎日の食卓に取り込んでくださいね。
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