マーガリンに含まれるアレルギー物質の最新事情とアレルギー対応製品

マーガリンをすくう

「マーガリンを食べるとかゆくなるけど、アレルギー物質が入っているのかな」
「マーガリンには、そもそもどのようなアレルギー物質がはいっているのだろう」

この記事をご覧になっているあなたは、そんな疑問をお持ちではないですか。

結論から言うと、マーガリンに含まれている可能性があるアレルギー物質は次の4つです。

  • 大豆
  • ゼラチン
  • トランス脂肪酸

このうちトランス脂肪酸は、日本ではアレルギー物質と認められていないですが、諸外国ではアレルギーを引き起こす可能性のある物質といわれているため、ここでは含めています。

この記事では、これらのアレルギー物質の最新事情をお伝えします。

さらに、

  • 実際にスーパーで売られているマーガリンに含まれるアレルギー物質の一覧表
  • アレルギー物質を含まない製品

についてもご紹介します。

この記事を読むことで、マーガリンに含まれるアレルギー物質が分かる共に、どのマーガリンを選べば問題ないかを判断することができるので、ぜひ、参考にしてください。

1.【最新事情】マーガリンに含まれる可能性のあるアレルギー物質は4つ

牛乳や大豆、マーガリンに含まれている可能性のある食材

マーガリン*に含まれている可能性のあるアレルギー物質は以下の4つです。

  • 大豆
  • ゼラチン
  • トランス脂肪酸

このうち、トランス脂肪酸以外は、製品に含まれていれば通常パッケージに表示されています。

この章では、乳・大豆・ゼラチンとトランス脂肪酸に分けて、それぞれ最新事情を詳しく解説します。

*正確には食用油脂の割合が80%以上のものをマーガリン、水分が多く食用油脂が80%未満のものをファットスプレッドと分類しますが、一般にはどちらもマーガリンと呼ばれているので、この記事でもファットスプレッドを含めてマーガリンと表します。

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もっと詳しくマーガリンについて知りたい方マーガリンとバターとの違いを知らない方は、こちらの『バターとマーガリンの違いとは?特徴、長所と欠点など詳しく解説!』の記事も、ぜひ読んでみてください。

1ー1.乳・大豆・ゼラチンが含まれるかはパッケージに明記されている

乳・大豆・ゼラチンについては、製品に含まれていれば、通常パッケージに表示されています。

スーパーで売られているマーガリンを見ると、ほとんどに「乳成分」と「大豆」が含まれており、数は少ないですがカロリーハーフなどの製品で一部「ゼラチン」が含まれているものがあります。

表示の方法はさまざまで、「アレルゲン表示」と明記して別枠で表示している製品もあれば、「原材料名」のところにかっこ書きで(乳成分を含む)(大豆由来)(一部に乳成分・大豆を含む)などと書いてあるものもありますので、じっくり注意して確認しましょう。

厳密には、下の図のように、乳については表示義務がありますが、大豆やゼラチンについては表示が奨励されているだけです。

【アレルギー特定原材料等27品目】

アレルギー特定原材料等27品目表

※出典:消費者庁「アレルギー表示について

しかし、実際にはほとんどのマーガリンで、これら27品目のアレルギー物質が使用されていれば表示がなされています。

一般にスーパーでよく売られている製品については、2章でアレルギー物質一覧を示しますので、ご参考になさってください。

1-2.トランス脂肪酸は大幅に削減されている

トランス脂肪酸とは、脂質の構成部分である脂肪酸の一種です。
人に不可欠なものではない上、諸外国では、心臓病などのリスク増加とともに、アレルギー性疾患(喘息・アレルギー性鼻炎等)についても関連性が認められています。

ただ、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は、現在大幅に削減されています。

一昔前、マーガリンにトランス脂肪酸が含まれていることが消費者に問題視され、売上が大きく減りました。

日本政府は日本人の通常の摂取量では健康への影響は小さいとしたものの、メーカーが自主的にこれを減らす努力をしたのです。

たとえば、マーガリン製造会社大手の株式会社明治では、以下の動画のように「トランス脂肪酸に関する取り組み」をしています。

以前に比べて、トランス脂肪酸は大幅に削減されているのです。

ただし、少量のトランス脂肪酸であっても過敏に反応があらわれる人は、摂取を控えるようにしてください。

1-3.卵を使用している工場で製造している場合は注意

基本的に、マーガリンに卵は使用されていませんが、まれに卵を使用している工場で製造されている場合があります。

そのため、わずかに卵の成分が含まれてしまい、卵アレルギーの人が食べるとアレルギー反応が出てしまうことがあります。

卵を使用している工場で製造されている場合は、必ずその旨がパッケージに記載されていますので、卵アレルギーの人は書かれていないことをよく確認して購入するようにしましょう。

2.一般的なマーガリンのアレルギー物質一覧表

食品売り場に置かれているショッピングカート

スーパーでよく見るマーガリンのアレルギー物質とトランス脂肪酸量を一覧表にすると下の図のようになります。

商品名メーカー名アレルギー物質トランス脂肪酸量
ネオソフト雪印メグミルク乳・大豆10g中約0.08g
(部分水素添加油脂不使用)
ラーマバターの風味J-オイルミルズ乳・大豆0g中0.1g
(部分水素添加油脂不使用)
コーンソフト明治乳・大豆0g中0.1g
(部分水素添加油脂不使用)
小岩井 マーガリン
【ヘルシー芳醇仕立て】
小岩井乳業乳・大豆10g中0.039g
(部分水素添加油脂不使用)
ホテルマーガリン帝国ホテルキッチン乳・大豆10g中約0.05g
(部分水素添加油脂不使用)
ネオソフトハーフ雪印メグミルク乳・大豆・ゼラチン10g中約0.06g
(部分水素添加油脂不使用)
エクストラバージンオリーブソフト明治乳・大豆・ゼラチン10g中約0.1g
(部分水素添加油脂不使用)

基本的に、マーガリンにはアレルギー物質として乳と大豆が含まれていることがわかります。

また、トランス脂肪酸量は製品ごとに違いはあるものの、問題になるほど多く入っているものはないようです。

トランス脂肪酸摂取量について

日本人が1日にとるトランス脂肪酸摂取量は2gまでに抑えるべきといわれています。
※参考 農林水産省「すぐにわかるトランス脂肪酸」

食パン1枚にたっぷり10gのマーガリンを付けても、トランス脂肪酸摂取量は約0.04~0.1gですから、多くて既定の量の20分の1にしかなりません。

ただし、マーガリンを含め、脂肪の摂取量が極端に多い人はトランス脂肪酸の摂取量も多くなりますので気を付けてください。

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もっと詳しくマーガリンの危険性について知りたい方は、別記事『【25製品リストあり】マーガリン=危険は昔話。その2つの科学的根拠』でも深掘りしていますので、読んでみてください。

3.アレルギー物質を含まないマーガリン

容器に入ったマーガリン

一般的なマーガリンに含まれる乳や大豆を含まないマーガリンもあります。

アレルギー特定原材料等27品目を一切含まない製品と、乳を含まない製品をご紹介します。

(大豆のみのアレルギーについては、バターで代用することができます。)

3-1.A-1ソフトマーガリン 225g

A-1ソフトマーガリンのパッケージ

出典:ボーソー油脂株式会社

<特徴>
マーガリンの原料油脂には、オーストラリア産の圧搾一番しぼりのなたね油を使用しています。
その他の原料にも、牛乳、卵、大豆を使用せず、また製造工程でも混入しないよう細心の注意を払って製造したマーガリンです。

原材料名:なたね油、食用精製加工油脂(なたね)、食塩、乳化剤(なたね由来)、香料
*乳化剤:植物レシチン(なたね由来)
製造者:ボーソー油脂株式会社
価格:¥1,300 (¥650/個)+送料
(2021年1月19日時点のAmazon価格)

3-2.私のおいしいヴィーガンソフト 160g

私のおいしいヴィーガンソフトのパッケージ

出典:マリンフード

<特徴>
動物性原料不使用、ヴィーガン対応の商品です。
アレルギー特定原材料等27品目を含む原材料を一切使用していません。
(※)同一製造ラインで乳、大豆を含む製品を製造していますが、製造前に十分な洗浄を行っています。

原材料名:難消化性デキストリン、食用植物油脂、食用精製加工油脂、食塩、乳化剤、香料、着色料(カロテン)
製造者:マリンフード株式会社
価格:340円(税込)+送料
(2020年1月23日時点の公式サイトの価格)

3-3.発酵豆乳入りマーガリン 160g

発酵豆乳入りマーガリンのパッケージ

出典:創健社

<特徴>
植物性乳酸菌で発酵させた豆乳を使用した純植物性100%のマーガリン。
部分水素添加油脂不使用で、トランス脂肪酸は10g中約0.04gと非常に低い値です。
乳製品は原材料に使用していません。
製造ラインでは乳製品や卵も使用していますが、ラインの洗浄をきちんと行い混入防止に努めています。

原材料名:食用植物油脂[べに花油(アメリカ他)]、食用精製加工油脂[パーム核油(マレーシア、インドネシア)、べに花油(アメリカ他)、パーム油(マレーシア、インドネシア)]、発酵豆乳[大豆(カナダ、アメリカ)]、食塩(オーストラリア、メキシコ)/レシチン[大豆由来(ブラジル、アメリカ)]、酸化防止剤〔トコトリエノール[パーム油(マレーシア)]〕
製造者:株式会社創健社
価格:339円(税込)+送料
(2020年1月23日時点の楽天の価格)

 

3-4.明治ケーキマーガリン 200g

明治ケーキマーガリンのパッケージ

出典:楽天市場

<特徴>
乳成分を含まないケーキ用の食塩不使用マーガリンです。
乳アレルギーの方向けに、無塩バターの代わりに使用できます。
練りこみやすいホイップタイプで、お菓子作りに最適です。
部分水素添加油脂不使用で、トランス脂肪酸は10g中約0.1gです。

原材料名:食用植物油脂、食用精製加工油脂/乳化剤(大豆由来)、香料、着色料(β-カロテン)
製造者:株式会社明治
価格:12箱で3,224円(税込)
(2020年1月23日時点の楽天の価格)

 

4.まとめ

マーガリンに含まれている可能性のあるアレルギー物質は以下の4つです。

  • 大豆
  • ゼラチン
  • トランス脂肪酸

このうち、乳・大豆・ゼラチンについてアレルギーのある方は、必ず製品の表示を確かめてください。

また、まれに卵を使用している工場で製造されている場合もありますので、卵アレルギーの人も製品の表示を確認するようにしてください。

マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は、以前に比べ大幅に削減されています。

しかし、トランス脂肪酸を少しでも摂ると過敏に反応が出る人は摂取しないようにしてください。

乳・大豆・ゼラチンを含まないアレルギー対応マーガリンもご紹介しました。

これまでマーガリンのアレルギーを心配されていた方が、この記事を読んで、安心してマーガリンを使用してくださるようになれば嬉しいです。

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